(絵図)吉田初三郎『三河西尾町』西尾町役場、1930年代。
2021年(令和3年)9月、愛知県西尾市を訪れました。「西尾市の映画館(1)」(※未投稿)、「鶴城映劇を訪れる」に続きます。
1. 西尾市を訪れる
1.1 西尾茶
西尾市は愛知県西三河地方にある人口約17万人の自治体。平成の大合併では幡豆郡一色町・吉良町・幡豆町を編入し、かつての幡豆郡全体が市域となりました。旧・西尾市の象徴的な存在が西尾茶(西尾の抹茶)であり、全国的なブランドの認知度は低いものの、抹茶アイスや抹茶ラテなどの食品加工用原料としての地位を確立しているようです。
(写真)稲荷山の茶畑。
(左)稲荷山茶園公園。(右)稲荷山の茶畑。
(左)「茶祖の寺」紅樹院。(右)紅樹院にある西尾茶の原樹。
1.2 西尾市立図書館
2019年(令和元年)には西尾市立図書館に関するブログを書いています。
2. 西尾市の地図・絵図
2.1 『大日本職業別明細図』1930年
岡崎市立中央図書館が所蔵する『大日本職業別明細図』東京交通協会、1930年には西尾町の地図が含まれています。1928年(昭和3年)に現在地に移転した碧海電気鉄道(現・名鉄西尾線)西尾駅や、石川栄耀の都市計画による花ノ木町の区画整理事業の状況がわかります。『大日本職業別明細図』はどの地域の版も文字が汚く、判読できない商店名が散見されるのが残念です。
西尾市街地中心部
1926年(大正15年)に開館した松栄館も描かれていますが、地図が不正確で位置がおかしいようにも思えます。1940年(昭和15年)開館の西尾劇場は当然ながら描かれていません。
2.2 鳥観図『三河西尾町』1937年頃
吉田初三郎式鳥観図データベースには吉田初三郎『三河西尾町』(西尾町鳥観図)西尾町役場、1930年代が登録されています。1937年(昭和12年)頃の作品とされているものの、1940年(昭和15年)に開館したはずの西尾劇場が描かれています。これは鳥観図の製作年がおかしいのではなく、1940年(昭和15年)とされている西尾劇場の開館年が誤っているのではないかと考えています。
西尾市街地全体
西尾駅付近
高等女学校、商工館、名古屋銀行、岡崎銀行、西尾病院、新丸楼、高砂楼、ヤマヤマ醤油店、銘酒建勲蔵元、西尾劇場、松栄館、本田機械製作所、魚市場、守山商店、丸丈商店、小岸屋
稲荷山茶園付近
三河湾、稲荷山、八王子貝塚、茶園ノ碑、宝相寺、第一尋常小学校、西ノ町組合、岩瀬文庫、岡崎銀行、新丸楼、鈴木商会、丸丈商店、小岸屋、ヤマヤマ醤油店、銘酒建勲蔵元
伊文神社付近
矢作川、伊文神社、中学校(現・愛知県立西尾高校)、高等女学校、矢作変電所、東邦変電所、蚕業取締所、織物工業組合、東部組合、隣保館、青果市場、カツヌマ病院、西村材木店
西尾小学校付近
城址公園、乃木公園、尚古荘、台嶺殉教碑、町役場、幡豆郡公共会、青年会館、名古屋銀行、警察署、郵便局、蚕糸学校、尋常高等小学校(現・西尾市立西尾小学校)、幼稚園、錦城館、山尾病院、はとみそ本店、長谷川時計店、鈴木ラジオ店
八面山付近
矢作古川、八面山、謎かけ松、久麻久神社、第二尋常小学校