振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

ちえの森ちづ図書館を訪れる

(写真)ちえの森ちづ図書館。

2023年(令和5年)12月、鳥取県八頭郡智頭町を訪れました。「石谷家住宅を訪れる」「西河克己映画記念館を訪れる」からの続きです。「智頭町の旧智頭宿を訪れる」に続きます。

 

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1. ちえの森ちづ図書館

1.1 図書館の歴史

八頭郡智頭町は人口約6000人の自治体。もとは1973年(昭和48年)竣工の智頭町総合センター2階に智頭町中央公民館図書室がありました。 2004年(平成16年)4月には同一施設ながら智頭町立智頭図書館に改称し、土日開館や職員の増員などを図っています。智頭町立智頭図書館の延床面積は222m2と小規模ながら、2003年度に1.6冊/人だった貸出密度は2016年度に5.2冊/人にまで増え、鳥取県の平均を超える数字を出していたようです。

2017年(平成29年)に岡山県瀬戸内市瀬戸内市民図書館「もみわ広場」で開催されたウィキペディアタウンでは智頭町立智頭図書館の方にお会いしています。嶋田学さんが館長を務めていた瀬戸内市民図書館は全国的に高く評価される図書館だったとはいえ、鳥取県からもイベントへの参加者がいたことに驚きました。

新図書館について考える町民向けワークショップにはアカデミック・リソース・ガイド(ARG)の岡本真さんも関わっています。2020年(令和2年)11月29日にちえの森ちづ図書館が開館し、館内には嶋田学さんや岡本真さんに関する本のコーナーもありました。

(写真)岡本真さんや嶋田学さんに関するコーナー。

 

1.2 図書館の館内

(写真)図書館のフロアマップ。

(写真)図書館の館内。

(写真)館内最奥部のソファ席。

 

(写真)智頭杉による屋根架構。

 

1.3 郷土資料

智頭町は智頭杉の林業で知られる自治体。「智頭の林業景観」は重要文化的景観に選定されており、町内には鳥取県立智頭農林高校があります。郷土資料コーナーの中でも林業に関する資料群は大きな面積を占めており、書籍に限らず様々な資料が並んでいました。机の上には"智頭杉鉛筆"が置かれていましたが、智頭農林高校の演習林から伐出された杉材を用いたものだそうです。

(写真)郷土資料。林業に関する資料。

(写真)智頭杉鉛筆。

(写真)郷土資料。智頭町関係の切り抜きファイル(新聞スクラップブック)。

(写真)郷土資料。図書館建設関係の展示と自治体史。

2. 智頭劇場

2022年(令和4年)8月に智頭町を訪れた際には「智頭町の映画館」を投稿しました。この時は建物入口のシャッターが閉じられていたのですが、今回はガレージとなっている内部を見ることができ、団らんの場となっている建物内には人もいたようです。

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(写真)旧智頭劇場(智頭サービス商工会)。

(写真)旧智頭劇場(智頭サービス商工会)。

 

建物の背後を流れる土師川の河岸に出ると、色むらのある石州瓦で葺かれた大きな三角屋根を見ることができます。

(写真)旧智頭劇場(智頭サービス商工会)の西面と南面。

(写真)旧智頭劇場(智頭サービス商工会)の西面。

 

旧智頭劇場の玄関前には愛宕堂があり、地蔵の背後には智頭劇場の棟札が置かれています。棟札は壁に立てかけてあるだけであり、簡単に手に取ることができます。

(写真)愛宕堂。

(写真)愛宕堂。