振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

伊東市立伊東図書館を訪れる

(写真)伊東市立伊東図書館が入る伊東市生涯学習センター中央会館。

2019年(令和元年)6月、静岡県伊東市を訪れました。「伊東市の映画館」に続きます。

 

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1. 伊東市を訪れる

1.1 伊東市の商店街

伊東市中心部には全蓋式アーケード商店街「キネマ通り商店街」があります。戦前のこの通りにあったキネマホールが名称の由来とのこと。なお、東京都大田区蒲田にも同名の商店街(厳密にはキネマ通り商店"会")があります。私が訪れたのはコロナ禍前の2019年(令和元年)6月であり、サンデーキネマーケットは多くの人でにぎわっていました。

(写真)キネマ通り商店街。サンデーキネマーケット。

(写真)キネマ通り商店街。サンデーキネマーケット。

(写真)キネマ通り商店街。

(写真)キネマホールののぼりが見える戦前の通り。『目で見る伊東市の歴史』1980年。

 

1.2 東海館

伊東市は明治時代から保養地として発展し、1928年(昭和3年)には温泉旅館の東海館が建てられています。1938年(昭和13年)の国鉄伊東線の開通で鉄道によるアクセスが可能となると、団体客の流入によってさらなる観光地化が進みました。東海館は1997年(平成9年)に営業を終了して伊東市に寄贈され、1999年(平成11年)には伊東市指定文化財となっています。

(写真)伊東大川と東海館。

(写真)東海館。

(写真)東海館。

 

2. 伊東市立伊東図書館

伊東市音無町5-14の伊東市生涯学習センター中央会館には、1980年(昭和55年)に開館した伊東市立伊東図書館が入っています。老朽化や狭隘化が進んだことから、

2021年(令和3年)3月には伊東市新図書館基本構想が策定され、2022年(令和4年)1月には伊東市新図書館基本計画が策定されました。2024年度(令和6年度)中の開館を目指して、伊東市桜木町2丁目に新図書館の整備が進められています。

(写真)伊東市立伊東図書館の入口。

 

2.1 図書館の館内

(写真)かこさとし展。

(写真)新聞コーナー。

(写真)小荷物専用昇降機(ダムウェーター)。

(写真)児童書の書架。

(写真)おはなしのへや。

(写真)絵本の書架。

 

2.2 郷土資料

(写真)郷土資料室の郷土資料。右は「温泉資料」。

(写真)郷土資料室の郷土資料。伊東市の資料。

(写真)一般書エリアにある郷土資料の書架。

 

2.3 伊東市の鳥瞰図

伊東市立伊東図書館には「伊東温泉鳥瞰図」(『伊東温泉御案内』東海館、戦前)がありました。鉄道が見あたらないので1938年(昭和13年)以前の刊行だと思われ、1928年(昭和3年)に東海館が開業する際に製作したのかもしれません。発行者は東海館とのことですが、肝心の東海館の描かれ方は慎ましい。劇場・映画館としては、「伊東劇場」と「キネマ」(キネマホール)が描かれており、伊東大川の南側に「演芸場」も描かれています。

(地図)「伊東温泉鳥瞰図」。

(地図)「伊東温泉鳥瞰図」。中心部拡大。

 

吉田初三郎式鳥瞰図データベースには吉田初三郎が描いた「湯の街海の街山の街観光伊東市鳥瞰図」(伊東市役所、刊行年不明)がありました。こちらには伊東駅が描かれており、劇場・映画館としては、松原区の伊東劇場が「劇場」として描かれています。

(写真)「湯の街海の街山の街観光伊東市鳥瞰図」。

(写真)「湯の街海の街山の街観光伊東市鳥瞰図」。中心部拡大。