2022年(令和4年)8月、島根県浜田市を訪れました。「浜田市の映画館」に続きます。
1. 浜田市を訪れる
1.1 浜田駅前
かつて浜田駅南側には標高約40mの道分山と万灯山があり、浜田駅と浜田市街地を分断していました。1921年(大正10年)に浜田駅が開業した後、道分山と万灯山の間にあった鞍部を掘り下げ、浜田駅から朝日町に向かう浜田掘割が造成されました。
1969年(昭和44年)には道分山東部の造成工事と街路工事が開始され、1977年(昭和52年)には高台の住宅地と駅前通りである昭和通りが生まれました。1984年(昭和59年)には道分山西部と万灯山の造成工事と街路工事が開始され、1998年(平成10年)に土地区画整理事業が完了しました。
標高40mの2つの丘陵を平面化するという大事業ですが、Google検索ではあまり情報が得られないのは残念です。
(写真)浜田市街地の航空写真。(左)1960年代。(右)現在。地理院地図
(写真)1921年の浜田駅開業後に造成された浜田掘割。『写真集はまだ 明治・大正・昭和』浜田市、1982年。
(写真)西の鏡山から見た1960年の万灯山。『写真集はまだ 明治・大正・昭和』浜田市、1982年。
(写真)道分山西部と万灯山の土地区画整理事業。『区画整理』38巻10号、1995年10月。
1.2 朝日町周辺
(写真)朝日町。とらや旅館付近。
(写真)朝日町。浜田キリスト教会付近。
(写真)朝日町。フクオカ書店付近。
(写真)朝日町。朝日ビリヤード付近。
1.3 紺屋町周辺
紺屋町ふれあい広場には黄金色に輝く三浦義武 - Wikipediaの説明プレートがあります。三浦義武は紺屋町にあった喫茶店「ヨシタケコーヒー店」店主であり、1965年(昭和40年)に世界で初めて「缶コーヒー」を発売した人物とされています。
(写真)紺屋町ふれあい広場。左は三浦義武の碑。
(写真)紺屋町。段原酒店付近。
(写真)紺屋町。カタイ制服店付近。
(写真)紺屋町。
(写真)紺屋町。能美クリニック付近。
2. 浜田市立中央図書館
2.1 図書館の歴史
1969年(昭和44年)には初代浜田市立図書館が開館し、2013年(平成25年)に現行の浜田市立中央図書館が開館しました。浜田市は図書館の歴史が戦前に遡る自治体ではありませんが、1969年(昭和44年)というのは戦後の図書館としては早い時期の単独館です。
(写真)浜田市立図書館。
(写真)一般書の書架と閲覧席。
(写真)一般書のソファ席。
(写真)一般書の書架。
2.2 郷土資料
1947年(昭和22年)から1972年(昭和47年)には浜田市で地方紙『石見タイムズ』が刊行されていますが、浜田市立図書館はバックナンバーを製本した状態で所蔵しています。『石見タイムズ』には映画館の開館記事・開館広告も掲載されており、浜田市における映画館調査に役立ちました。
(写真)郷土資料コーナー。
(写真)『石見タイムズ』のバックナンバー。
黄金色に輝くプレートには佐々田文庫の説明が書かれていました。1969年(昭和44年)に浜田市立図書館が開館した際、衆議院議員・貴族院議員の佐々田懋 - Wikipediaが設立した財団法人佐々田奉公会から多額の寄付を受け、館内に佐々田文庫が設置されたとのこと。現在も蔵書の中には「佐々田文庫」の印が押されているものがあるそうです。
(写真)佐々田文庫の説明。