振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

野洲市の映画館

(写真)野洲市歴史民俗資料館に展示されている日本最大の銅鐸。

2023年(令和5年)8月、滋賀県野洲市を訪れました。かつて野洲市には映画館「野洲映画劇場」がありました。

 

1. 野洲市を訪れる

野洲市には旧中山道朝鮮人街道が通っています。それも理由なのか、重要文化財建造物は神社の本殿や寺院の本堂など計15棟もあり、仏像など彫刻の重要文化財も多数。滋賀県指定・野洲市指定文化財も多数あり、文化財の宝庫だと感じました。

中山道沿いにはシンボリックな茅葺の入母屋屋根がある暁酒造がありました。主屋は奥まった場所にある建物で、茅葺の入母屋屋根は店舗でしょうか。

(写真)暁酒造。

(写真)暁酒造。

(写真)暁酒造。鯉(?)の飾り瓦。

 

1.1 野洲図書館
2002年(平成14年)に開館した野洲図書館は広い敷地を用いたワンフロア型の図書館。組織名は「野洲市図書館」、館名は(「野洲市立」などが付かない)「野洲図書館」というのがややこしい。図書館内では近隣の図書館に勤務している知り合いの館長さんに偶然お会いしました。広々とした郷土資料コーナーで野洲映画劇場について調べましたが、何も新情報を見つけられませんでした。

(写真)野洲図書館。

 

1.2 野洲市立歴史民俗資料館

その後野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)を訪れ、図書コーナーにあった文献に野洲映画劇場に関する言及を見つけました。なぜ野洲図書館でみつけられなかったのか気になりましたが、野洲図書館ではちょうど館外貸出されていて開架になかったようです。

(写真)野洲市にあった映画館に言及している『駅前を散策 駅前自治会50周年記念誌』駅前自治会50周年記念事業推進委員会記念誌編集委員会、2016年。

(写真)野洲市立歴史民俗資料館の図書資料閲覧スペース。

 

2. 野洲市の映画館

2.1 野洲映画劇場(1958年頃-1963年頃)

所在地 : 滋賀県野洲野洲町小篠原(1963年)
開館年 : 1958年頃
閉館年 : 1963年頃
1958年の映画館名簿には掲載されていない。1959年・1960年・1961年・1962年・1963年の映画館名簿では「野洲映画劇場」。1964年の映画館名簿には掲載されていない。跡地は「滋賀銀行野洲支店」北東270mの月極駐車場「片岡駐車場」。最寄駅はJR琵琶湖線野洲駅

(写真)野洲映画劇場が掲載されている『映画便覧 1963』時事通信社、1963年。

(写真)1961年の航空写真における野洲映画劇場。地図・空中写真閲覧サービス

 

野洲映画劇場の跡地は片岡駐車場という月極駐車場となっており、北側にはマンションのレックスフェスタ野洲があります。野洲市の旧市街地からはかなり距離があり、野洲駅からも300m程度歩く必要がある。当時はかなりの町はずれだったと思われます。

(写真)野洲映画劇場の跡地の駐車場。

(写真)野洲映画劇場の跡地の駐車場。

 

野洲市の映画館について調べたことは「滋賀県の映画館 - 消えた映画館の記憶」に掲載しており、その所在地については「消えた映画館の記憶地図(滋賀県版)」にマッピングしています。

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