(写真)本宮映画劇場。
2023年(令和5年)8月、福島県本宮市を訪れました。「本宮市の映画館」に続きます。
1. 本宮市を訪れる
本宮市は福島県中通りにある人口約3万人の自治体。2007年(平成19年)に安達郡本宮町と白沢村の1町1村が合併して発足しました。旧市街地はJR東北本線と阿武隈川に挟まれた場所にあり、奥州街道本宮宿の面影を感じる建物もいくつかあります。
1.1 大天狗酒造
本宮市街地における南北の幹線道路は、旧奥州街道でもある福島県道73号です。約150m西側にはまゆみ通りが並行しており、この通り沿いにも近現代の繁栄の名残が感じられます。
本宮駅から徒歩1分の場所には、本宮市唯一の酒蔵である大天狗酒造がありました。製造した日本酒の80%が本宮市内で消費されるとのことですが、かわいらしい天狗のキャラが出てくる公式サイトを見ると、今後注目されそうな酒蔵に見えます。2019年(令和元年)10月の東日本台風では酒造設備が浸水する大きな被害があったとのことですが、2020年(令和2年)頃はアメリカへの輸出も行っているようです。
(写真)まゆみ通り。本宮駅の南側。左は大天狗酒造。
1.2 まゆみ通り
まゆみ通りの北側には本宮市立歴史民俗資料館や阿部写真館などの近代建築があります。前者は1924年(大正13年)に本宮電気株式会社の社屋として建てられた鉄筋コンクリート造の建物であり、本宮町が取得した後の1979年(昭和54年)に歴史民俗資料館となりました。白色が基調で茶色が入る外観がかっこいい。1920年代末にはスクラッチタイルのブームが起こるので、建設が数年遅かったら外壁はスクラッチタイルだったかもしれません。
(写真)本宮市立歴史民俗資料館。
阿部写真館は本宮市立歴史民俗資料館の60m南の角地にある看板建築。モルタルの白色一色でパラペット部分にレリーフというのはありがちですが、入口上部の「館眞寫部阿」という文字の部分だけは斬新です。
(写真)阿部写真館。
(写真)阿部写真館。