Wikipediaメインページ下部の「強化記事」欄に「伊勢春慶 - Wikipedia」という記事が掲載された。12月10日23:00(日本時間)から約72時間メインページに掲載される。
「伊勢春慶」は2010年に作成されていた記事。今年9月17日に皇學館大学の岡野先生とふみくら倶楽部の方がイベントで加筆し、その後9月下旬には図書館司書の方が、11月にはウィキペディアンがこの題材について調べて加筆した。(言い方が回りくどい)
一つの編集が他の編集を呼ぶ流れがウィキペディア的だと思ったし、丁寧な出典付けで品質が向上したので「強化記事」に推薦した。
伊勢春慶の田楽箱。撮影:kmsnk。Wikimedia Commonsより。
メインページに掲載される3日間には間違いなくアクセス数が増加する。11月末に「強化記事」に選ばれた「富山市立図書館 - Wikipedia」の場合は、平常時の平均が20アクセス/日、メインページ掲載中は170アクセス/日。170アクセス/日というのはたいした数字ではないが、平常時との差は大きい。「伊勢春慶」もより多くの一般閲覧者に存在を知ってもらえるかもしれない。
編集者に対する効果の方が大きい。「強化記事」に興味を持つような方は熱心な編集者ばかりなので、オフラインイベントの存在を知ってもらえるかもしれない。図書館のように同一分野でメインページへの掲載が続けば、「最近の図書館分野は活気がある」と思ってもらえる。
上のような効果を期待して、Asturio氏は自分が関わった記事をわりと頻繁に「新着記事」「強化記事」「良質な記事」に推薦したり、投票したりしている。自薦を煙たがる人もいるけれど、「他薦されるまで待つ慎み深さが日本人の美徳」のような考えはWikipediaにそぐわないと思う。