振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

鹿児島県立図書館と鹿児島市立図書館を訪れる

(写真)鹿児島県立図書館。

2024年(令和6年)11月、鹿児島県鹿児島市を訪れました。「天文館の映画館」に続きます。

 

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1. 鹿児島市の図書館

1.1 鹿児島県立図書館

鹿児島市の鹿児島県立図書館、奄美市奄美大島)の鹿児島県立奄美図書館と、鹿児島県は2館の県立図書館を設置しています。奄美図書館は2009年(平成21年)に奄美分館から昇格した図書館であり、県立図書館が1館に集約される風潮の中では珍しい存在です。

1927年(昭和2年)から52年間使われた旧館は鹿児島県立博物館に転用され、2008年(平成20年)には登録有形文化財に登録されています。現行館は1979年(昭和54年)竣工であり、図書館全体の延床面積は11,000m2とのことですが、開架室の床面積は全国の都道府県立図書館の中でも小さいほうだと思われます。

(写真)鹿児島県立図書館。

 

鹿児島県の自治体史は『〇〇郷土誌』というタイトルで刊行されてることが多い。文章を残したうえで最新状況を反映させた、同一タイトルの改訂版が多いのが厄介です。『〇〇郷土誌』のまえがきやあとがきを読むと、町村部でも昭和30年代から40年代前半という早い時期に編纂委員会が設置されてることが多い印象。県として郷土誌の編纂を奨励する方針があったのでしょうか。

郷土資料コーナーには「本を傷めない取り出し方」の紹介がありました。

(写真)鹿児島県立図書館。『〇〇郷土誌』が並ぶ郷土資料コーナー。

(写真)鹿児島県立図書館。「本を傷めない取り出し方」。

 

1.2 鹿児島市立図書館

鹿児島市は1990年(平成2年)に初めて図書館条例を制定し、現行の鹿児島市立図書館を開館させています。現行館が初代の建物ということになります。なお、繁華街の天文館にはまちなか型図書館の鹿児島市天文館図書館もあります。

鹿児島市立図書館のOPACで「住宅地図」と検索しても1件もヒットしません。カウンターで住宅地図について尋ねると、「1991年版が最古だが、住宅地図を所蔵している」とのこと。稀に住宅地図を蔵書登録せずにカウンター内で保管している図書館がありますが、個人情報に配慮してのことなのでしょうか。

(写真)鹿児島市立図書館。

(写真)鹿児島県立図書館。近隣県の都道府県史。

(写真)唐鎌祐祥『かごしま映画館100年史』南日本新聞開発センター、2017年。