振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

朽木市場を訪れる

(写真)水路と立樋。

2022年(令和4年)9月、滋賀県高島市朽木市場(旧・高島郡朽木村)を訪れました。

※本記事は2022年9月に投稿した「朽木市場の映画館」から2024年2月に分割した記事です。

 

1. 朽木市場を訪れる

1.1 朽木市場の街並み

近世の朽木市場は朽木陣屋がある陣屋町であり、若狭国小浜と京都を結ぶ鯖街道の宿場町でもありました。市場商店街には旅館、呉服屋、薬局、酒屋、魚屋、履物屋、文具店、雑貨屋などが建ち並んでいたようです。

(写真)朽木市場の街並み。

(写真)朽木市場の街並み。

 

Googleストリートビューや個人ブログによると、数年前まで旧朽木郵便局舎の南隣には茅葺屋根の民家があったようです。残念ながら瓦屋根の民家に建て替えられていました。

(写真)朽木市場の街並み。旧朽木郵便局舎の南隣の民家。(左)2022年9月。(右)2012年11月のGoogleストリートビュー

(写真)入母屋屋根の民家。

(写真)入母屋屋根の民家。

 

水路と立樋

集落内の主要な道路の脇には水路がありますが、これは江戸時代初頭に整備された歴史あるものだそう。ところどころには煉瓦造の煙突状の構造物がありますが、これは立樋(たつどい)と呼ばれる分水塔だそうで、水路から各家庭に水を引くために設置されているようです。

(写真)水路と立樋。

(写真)朽木市場の立樋と映画館跡地。地理院地図

(写真)水路と立樋。

(写真)立樋の内部。

(写真)水路と立樋。

 

1.2 朽木市場の近代建築

集落の中央部にはコミュニティスペースとして活用されている丸八百貨店があります。1933年(昭和8年)に2階建てで建築され、1943年(昭和18年)頃に3階部分が増築されています。2階の最上部に見える鋸歯形の模様が特徴。3階には想像よりも広い空間が広がっていました。

(写真)丸八百貨店。

(写真)2階建てだった開店当時の丸八百貨店。

(写真)丸八百貨店の1階。

(写真)丸八百貨店の3階。

 

朽木市場の近代建築としては旧朽木郵便局舎もあります。

(写真)旧朽木郵便局舎。

(写真)旧朽木郵便局舎。

(写真)旧朽木郵便局舎。