(写真)阿波池田駅前通り商店街と池田館跡地。
2023年(令和5年)3月、徳島県三好市池田町(阿波池田)を訪れました。「阿波池田を訪れる」からの続きです。
1. 阿波池田を訪れる
1.1 阿波池田の街並み
阿波池田市街地には銘柄「三芳菊」の三芳菊酒造と銘柄「今小町」の中和商店があります。三芳菊酒造の店舗は立派な袖うだつや虫籠窓を持ち、中和商店の事務所はスクラッチタイル張りと異なる外観。中和商店の各建物は登録有形文化財に登録されています。
(写真)三芳菊酒造の店舗と工場。袖うだつ。
三芳菊酒造の東隣には北岡酒店がありますが、そそり立つ黒い壁面が特徴のうだつは徳島県唯一の本うだつとされています。
(写真)北岡酒店。
(写真)阿波池田の街並み。
(写真)阿波池田の街並み。
1.2 三好市中央図書館
2019年(令和元年)には三好市中央図書館が現在地に移転しました。阿波池田駅前通り商店街の全蓋式アーケード南端部近くにあり、阿波池田駅から30mという駅前型図書館です。とはいえ、駅前の人通りの少なさを考えるとデメリットのほうが多いと思われ、わざわざこの場所に移転した決定は悩ましい。
(写真)三好市中央図書館。
阿波池田駅前通り商店街の北西側には巨大な更地がありますが、1979年(昭和54年)から2019年(令和元年)までのこの場所にはデパートサンライズの建物が建っていました。商業テナントが撤退した後の2015年(平成27年)には三好市中央図書館がサンライズビルに入ったとのことですが、結局は4年後に再度移転しています。
三好市中央図書館で1964年(昭和39年)の『池田町勢要覧』を書庫出納したら、「別の場所に保管されてて当日の利用は不可」とのことでした。開架の郷土資料も狭い部屋に押し込められているのですが、古い資料はどこに保管されているのでしょう。現在地も仮住まいの雰囲気が強いのですが、具体的な図書館建設計画はないようです。
(写真)三好市中央図書館の旧館が入っていたデパートサンライズ跡地。左に「4階 三好市中央図書館 駐車場」の看板が見える。
2. 阿波池田の映画館
(写真)みよしシネマパラダイスが主催するドライブインシアターのチラシ。
2.1 池田館(1928年11月10日-1967年)
所在地 : 徳島県三好郡池田町(1968年)
開館年 : 1928年11月10日、1950年4月
閉館年 : 1967年
『全国映画館総覧 1954』によると1950年4月開館。1950年の映画館名簿には掲載されていない。1953年・1954年の映画館名簿では「池田館」。1955年の映画館名簿には掲載されていない。1956年・1958年・1960年・1963年・1966年・1967年・1968年の映画館名簿では「池田館」。1969年の映画館名簿には掲載されていない。跡地は「朝日生命池田営業所」。最寄駅はJR土讃線阿波池田駅。
(写真)池田春日座と池田館が掲載されている1966年の映画館名簿。
(写真)池田館跡地と阿波池田駅前通り商店街。
2.2 池田春日座(1919年6月-1988年後半)
所在地 : 徳島県三好郡池田町字サラダ1757-2(1988年)
開館年 : 1919年6月
閉館年 : 1988年後半
『全国映画館総覧 1954』『全国映画館総覧 1955』には開館年が掲載されていない。1930年の映画館名簿には掲載されていない。1936年の映画館名簿では「春日座」。1943年・1947年の映画館名簿には掲載されていない。1950年・1953年・1955年・1958年・1960年の映画館名簿では「春日座」。1963年・1966年・1969年・1973年・1975年・1978年・1980年・1985年・1988年の映画館名簿では「池田春日座」。1990年の映画館名簿には掲載されていない。跡地は「三芳菊酒造」北北西90mの居酒屋「めだかの家」と雑居ビル「ぷれじでんと」。最寄駅はJR土讃線阿波池田駅。
(写真)池田春日座が最後に掲載されている1988年の映画館名簿。
(写真)池田春日座の跡地。
(写真)池田春日座の跡地。
阿波池田の映画館について調べたことは「徳島県の映画館 - 消えた映画館の記憶」に掲載しており、その所在地については「消えた映画館の記憶地図(徳島県版)」にマッピングしています。