振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

江南市立図書館を訪れる

(写真)江南市立図書館が入るトコトコラボ。

2023年(令和5年)4月、愛知県江南市江南市立図書館を訪れました。

この4月1日に名鉄犬山線布袋駅前にトコトコラボが開館し、2022年(令和4年)12月から長期休館していた図書館がトコトコラボに移転開館しました。「江南市布袋町の映画館」に続きます。

 

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1. 江南市立図書館

1.1 トコトコラボ
設計はアンフォーレなどと同じ三上建築事務所。外観はパチンコ店にも見える。江南市はコロナグループの発祥地だけに、コロナワールドをリスペクトしたデザイン..なのかどうかは知りませんが、パンチ力があります。

(写真)1階のトライポット カフェ ベイクスタンド布袋。

(左)1階の図書返却ポスト。(右)1階の会議室スペース。

 

1.2 図書館の館内
安城市図書情報館っぽいグループ学習室やコワーキングブースや電子新聞、豊橋市まちなか図書館っぽい階段状のイベントスペース。刈谷市中央図書館っぽい全席コンセント付の立派な学習室、小牧市中央図書館のような駅前型立地。近年に開館した県内の他館のいい点を取り入れています。
旧館は県内の10万都市ではひときわ狭く、大半の江南市民は図書館を使わずに暮らしていたのではないかと思えます。書架や郷土資料はあまりおもしろみがないのですが、日常的に使う図書館として市民からの評価は高いのではないでしょうか。
江南市立図書館の歴史については2017年(平成29年)に江南市立図書館 - Wikipediaを作成しています。

(写真)3階の図書館入口。

(写真)3階から4階にまたがるイベントスペース。

 

(左)新聞コーナーと電子新聞。

(写真)雑誌コーナー。

(左)インターネットブース席。(右)2か月ごとに著名人が本を紹介するマイブラリー。

(左)ティーンズコーナー。(右)ボードゲーム「クアルト」。

 

(写真)グループ学習室。

(左)学習室。(右)コワーキングブース。

 

(写真)一般書の書架。

(写真)一般書の書架と閲覧席。

(左)閲覧席のサイン。(右)閲覧席とカーペット。

 

1.3 江口碩之輔

江南市立図書館旧館の土地と建物を寄付したのは江口碩之輔です。1890年(明治23年)5月、江口碩之輔は丹羽郡古知野町に江口弥十郎の二男として生まれました。江口家の家業は材木商であり、江口碩之輔は江口合名会社の代表社員を務めました。また江口汽船株式会社を設立し、樺太や北海道で木材の輸送を行っています。1927年(昭和2年)に江口家の家督を継ぎ、同年8月には紺綬褒章を受章しています。

1974年(昭和49年)5月、江口碩之輔は84歳で死去しました。なお、愛知大学教授を務めた歴史学者江口圭一 - Wikipediaは江口碩之輔の長男です。江口圭一は京都大学人文科学研究所の助手を務めていましたが、年老いた両親のために愛知県内の愛知大学に転じたとのこと。

(左)236 スペイン史。(右)郷土資料。旧館を寄贈した江口碩之介の紹介。

(写真)『中京名鑑』名古屋毎日新聞社、1928年。