このブログにおける文章・写真は クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-SA 4.0)の下に提供されています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。地図の出典はOpenStreetMapであり、その作者はOpenStreetMap contributorです。
2018年2月3日(土)、「京女まち歩きオープンデータソンvol.2」に参加しました。京都女子大学の「学まち推進型連携活動補助事業」だそうで、桂まに子先生の主催、オープンデータ京都実践会の協力です。なお2017年8月6日(日)には「京女まち歩きオープンデータソンvol.1」が開催されており、当初は参加する予定でしたが参加しませんでした。桂まに子先生とは2017年11月の図書館総合展における大懇親会で初めてお会いしています。
(写真)今回の会場となった金剛寺。
10:00-11:00 オープンデータ・Wikipedia・OpenStreetMapの説明(1時間)
11:00-11:30 昼食(30分)
11:30-12:00 金剛寺の見学(30分)
12:00-14:00 東山三条のまちあるき(2時間)
14:00-16:00 Wikipedia & OpenStreetMapの編集作業(2時間)
16:00-16:30 成果発表(30分)
16:30-17:00 写真撮影、お勤め(30分)
金剛寺を訪れる
前回は京都女子大学の教室で開催したようですが、今回は地下鉄東山駅に近い金剛寺が会場です。今回のスケジュールは上のような感じ。名古屋でのウィキペディアタウンでは説明もそこそこにまちあるきに出かけますが、オープンデータ京都実践会では講師3人で1時間というのが標準。その代わり昼食の時間が短いですね。近くに数軒あるコンビニで済ませた方が多かったようです。「お勤め」がスケジュールに組み込まれているのも今回の特徴。
さて、私は今回OpenStreetMapのグループに入りました。オープンデータ京都実践会のイベントには10回以上参加していますが、OSMのグループに入ったのは2回目です。11時30分からは会場である金剛寺の建物内を回って編集用のメモを取った後、約2時間のまちあるきを行いました。Google Mapで計測してみると歩いた距離は約2km。2時間で2kmというのはゆったりしたスケジュールであり、古川町商店街の店舗を1軒ずつ記録する時間が取れました。
今回のまちあるき範囲は2016年7月に行った京都オープンデータソン2016 vol.1(青蓮院、円山公園、粟田神社)と少し被っています。この時は暑い時期だったこともあってまちあるきがスケジュール通りに進まず、是住さんがイライラしていたのを覚えています。なお、旅行中ということで今回のイベントには不参加でしたが、金剛寺に持ち込まれた文献は是住さんによるものです。
(左)畳の上に机を並べた会場。(右)坂ノ下さんによるOSMの説明。
東山三条をまちあるきする
(地図)今回のまちあるきコース。
まちあるきの主な目的地は合槌稲荷神社と古川町商店街。三条神宮道交差点から200mほど東にある合槌稲荷神社は、大通りから路地を入った先にある社。2017年11月の「ウィキペディアタウンin岐阜」で新規作成した弥八地蔵 - Wikipediaを思い起こさせます。最近では刀剣乱舞の聖地となっているようで、我々が路地を出てくるときにも何人かの女性が鳥居の写真を撮っていました。この地に祀られた経緯や、現代の聖地化についてはまだ書き加えられていないようです。
(右)合槌稲荷神社で説明する桂まに子先生。
京都市街地の中でも東山には寺社仏閣などの観光地が多く、道路や建物についてはOSMに書き加えられることが少ないです。樹木や小規模な林についてもすでに書き込まれているものが多いのですが、旧・京都市立白川小学校の南側歩道上にある木を書き加えました。また、白川小学校についてはOSMとWikipediaに相互リンクを張りました。白川小学校の跡地には、民間事業者によってホテルを中心とする文化複合施設とやらが建つようです。どの記事を見ても何年頃に完成するのかがわからないのですが、この地域の景色が一変するくらい大きな敷地です。
(右)まちあるきの様子。
神宮道の東側には観光客の多い青蓮院や知恩院がありますが、西側はこじんまりとした民家がひしめき合う京都らしい路地の町です。白川を超えると200mのアーケードがある古川町商店街がありました。この商店街は若狭街道の終着点であり、かつては「東の錦」(中京区の錦市場)と呼ばれるほど繁栄していたそうです。
たかだか200mほどの商店街であり、公式サイトの店舗紹介を見ると28店舗しかないのに、コンテンツが充実した公式サイトを持っています。クリスマス祭りや春祭りのイベントチラシを見ると、主催/後援/協力には京都府/京都市/京都商工会議所/京都華頂大学などが名を連ねています。2017年には白川まちづくり会社という組織が設立され、企業支援、店舗誘致、イベント開催などを行っているようです。古川町商店街や白川まちづくり会社の中心にはいったいどんな方がいるのか気になります。
(写真)古川町商店街のアーケード南端。
OSMグループはすでにマッピングされていた商店街の建物に対して、一軒一軒店名を与えていきました。古川町商店街の公式サイトにはこのような店舗マップがありますが、一棟に一軒とは限らない商店街のこと、建物との関係性を考えてマッピングするのは難しいものでした。
WikipediaグループはWikipediaに記事を作成してくれましたが、まだまだ加筆の余地があります。近世に栄華を極め、いちどは衰退したものの、近年になって再び盛り返している、という歴史がわかるとよいです。近世の文献には絵図などが掲載されていないでしょうか。現在は紙媒体の文献しか使用していないようですが、ウェブ検索するとこの商店街について書いた記事がいくつも見つかるので、うまく組み込みたいところです。まちあるき対象としてもWikipedia/OSMの編集対象としても魅力的な商店街でした。
さて、今回のイベントは京都女子大学の桂まに子先生が主催したものです。京女の学生さんがOSMグループとWikipediaグループに2人ずつ参加しており、うち3人は懇親会にも来てくださいました。少人数のゼミではなく大人数の授業でイベントについて告知されたとのこと。知らない大人しかいない授業外のイベントに自主的に参加できるのはすごい(私には無理)。
2017年3月に大垣市(大垣祭りをデータで残そう feat International Opendata Day)、6月に宇治市(オープンデータソン2017 in 宇治 vol.1)、9月に静岡市(静岡!街歩かない!マッピングパーティ1)、この2018年2月に今回のイベントと、OpenStreetMap関連ではこの1年間で4回のイベントに参加しました。イベント外では個人的に人口8万人分くらいの建物の輪郭を書いてきましたが、がっつりと書き始めたのは大垣市でのCode for GIFUのイベントがきっかけです。WikipediaでもOSMでも、イベントは積極的な編集活動のきっかけになります。
(写真)OSMグループとWikipediaグループに分かれて編集中の会場。
Wikipediaグループの成果物(私はノータッチ)
金剛寺 (京都市東山区五軒町) - Wikipedia - 新規作成
合槌稲荷神社 - Wikipedia - 新規作成
古川町商店街 - Wikipedia - 新規作成