(写真)中山道みたけ館。2019年12月撮影。
2019年(令和元年)7月と12月、岐阜県可児郡御嵩町(みたけちょう)を訪れました。
※2024年(令和6年)2月には本記事から「御嵩町の映画館」を分割しました。
1. 御嵩町を訪れる
御嵩町は中山道の宿場町「御嶽宿」(嵩ではなく嶽)として栄えた町。人口1万7000人と小規模な自治体ですが、近代には可児郡役所が置かれていた町であり、1889年(明治22年)の町村制施行時に町制を敷いている歴史の古い町です。
御嵩駅は名鉄広見線の終着駅であり、犬山線と広見線を乗り継いで訪れることができます。名鉄電車の車内では御嵩の観光ポスターをよく見かけます。
(地図)愛知県名古屋市から見た岐阜県御嵩町の位置。©OpenStreetMap contributors
1.1 御嵩の街並み
名鉄御嵩駅で電車を降りると、駅のすぐ東側がかつての御嶽宿の中心部のようです。商家竹屋(竹屋資料館)や御嶽宿本陣跡など宿場町の風情を残す建物はあるものの、街並みとして魅力的とは言い難いし、街並みはがらんとしており活気がありません。
なお、この後には御嵩町に隣接する加茂郡八百津町も訪れています。人口規模(御嵩町=18,000人、八百津町=10,000人)、鉄道の存廃(御嵩町=存続、八百津町=廃止)、高校の数(御嵩町=2校、八百津町=1校)などにもかかわらず、中心市街地は八百津町のほうが活気があるように思えました。
(写真)かつての中山道沿いに形成された街並み。2019年12月撮影。
(写真)商家竹屋。中山道みたけ館の別館扱い。2019年12月撮影。
(写真)商家竹屋の館内。2019年12月撮影。
1.2 岐阜県立東濃高校
7月に訪れた際、帰路の電車内には多数の東濃高校生がいました。岐阜県立東濃高校は1896年(明治29年)に旧制東濃中学校として開校した高校であり、旧制岐阜中学校(現・岐阜県立岐阜高校)、旧制高山中学校(現・岐阜県立斐太高校)、旧制大垣中学校(現・岐阜県立大垣北高校)に次いで、岐阜県で4番目に古い高校だそうです。
可児市や美濃加茂市など中濃地域は外国人比率の高い地域です。岐阜高校・斐太高校・大垣北高校はその地区の最難関校であり、ほぼ全員が大学進学を目指すと思われますが、東濃高校はかなり性格が異なります。2018年度の東濃高校は全校生徒の1/4が外国人だそうで、進路は進学40%・就職50%・その他10%とのこと。2018年度には全校生徒328人のうち、フィリピン国籍が44人、ブラジル国籍が33人、中国国籍が3人、韓国国籍が1人だったそうです。
電車内を見渡してみると、外国人生徒は1/4以上に多い印象を受けました。東濃高校には外国人生徒支援のノウハウがあることから、外国人生徒が電車通学で集まってくるのかもしれません。飛び交っていた聞きなれない言語はタガログ語だったのでしょうか。
(左)御嵩町役場。(右)岐阜県立東濃高校。2019年7月撮影。
2. 中山道みたけ館
2.1 御嵩町郷土館
御嵩町図書館と御嵩町郷土館が入る中山道みたけ館は、1996年(平成8年)に開館した複合施設です。
1階が図書館で2階が郷土館。郷土館には中山道御嶽宿のジオラマがあるし、近代以降の主産業であった亜炭産業についての展示もあるのですが、郷土館全体が撮影禁止となっているのが残念でした。1階の図書館入口には2020年(令和2年)の大河ドラマとなる明智光秀に関する展示がありましたが、2階の郷土館の職員が製作したと思われます。
(写真)御嵩町図書館と御嵩町郷土館が入る中山道みたけ館。2019年12月撮影。
2.2 御嵩町図書館
御嵩町図書館の書架は他館であまり見かけない形状の凸型で、高さの割には圧迫感がありません。
(写真)御嵩町図書館の書架。
(写真)御嵩町図書館の書架。
郷土資料コーナーには郷土に関するパスファインダー集のファイルがありました。「御嵩町の〇〇」と「岐阜県/全国の〇〇」の資料をセットで紹介しており、御嵩町の何かについて本格的に調べたい方にも役立ちそうでした。
(写真)パスファインダー「御嵩のキリシタンについて、隠れキリシタンについて」。
(写真)パスファインダー「中山道の御嶽宿/伏見宿について、岐阜県の街道について」。