振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

美濃加茂市中央図書館を訪れる

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(写真)JR高山本線美濃太田駅

2021年(令和3年)10月、岐阜県美濃加茂市美濃加茂市中央図書館を訪れました。「美濃加茂市の映画館」に続きます。

 

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1. 美濃加茂市を訪れる

1.1 美濃太田駅前通り

美濃加茂市は関市と共に中濃地域の中心都市です。中山道木曽川を超える場所にあり、かつては中山道太田宿として栄えた町。戦後には工業都市となりますが、駅前を歩いている限りでは工業のにおいは感じません。

2021年(令和3年)11月時点の人口は5万1900人、うち外国人人口は10%を超える5272人(フィリピン国籍2203人、ブラジル国籍2150人)であり、全国で最も外国人比率が高い自治体のひとつです。

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(写真)駅前通り。

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1.2 中山道太田宿

JR高山本線美濃太田駅の南約800m、木曽川の北岸には中山道太田宿に由来する街並みが広がっています。重要伝統的建造物群保存地区には選定されていませんが、重要文化財(旧太田脇本陣林家住宅)、市指定文化財(旧太田宿本陣門)、登録有形文化財(吉田家住宅)が1件ずつあり、岐阜県の平野部では街並みがよく保存されている宿場町です。

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(写真)旧太田宿の街並み。

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(写真)旧太田脇本陣林家住宅。重要文化財

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(左)旧太田宿本陣門。(右)旧太田宿の街並み。

 

2. 美濃加茂市中央図書館

2.1 図書館の歴史

美濃加茂市は歴史ある宿場町ですが、図書館が設置されたのは1958年(昭和33年)、図書館条例が制定されたのは現行館開館時の1979年(昭和54年)と、図書館の歴史はそれほど古くありません。1996年(平成8年)には美濃加茂市東図書館が開館し、美濃加茂市中央図書館との2館体制となっています。美濃加茂市の図書館の歴史については美濃加茂市立図書館 - Wikipediaも参照。

美濃加茂市中央図書館の延床面積は1,231m2、2019年度(令和元年度)末時点の蔵書数は約15万冊、貸出数は約9万冊。美濃加茂市東図書館の延床面積は1,554m2、蔵書数は約11万冊、貸出数は約13万冊ということで、同規模の図書館が2館ある自治体といえます。両館の距離は約2.5kmしか離れておらず、なぜ同規模の図書館としたのかは気になります。

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(写真)美濃加茂市中央図書館。2019年7月。

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(写真)カウンター付近。2017年8月。

 

2.2 図書館の館内

1979年(昭和54年)に開館した美濃加茂市中央図書館の床面はフローリング、書架は重厚感のある木製書架です。壁面の高い位置には障子戸を模した窓があるのが特徴です。

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(写真)閲覧席。2021年10月。

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(写真)一般書の書架。2021年10月。

 

2.3 郷土資料

一般的な郷土資料の書架とは別に、美濃加茂市域出身の小説家である坪内逍遥、同じく美濃加茂市域出身の歴史学者である津田左右吉の著書などが納められたガラス戸付書架があります。一般的な郷土資料の書架はそれほど面白みがありませんが、ガラス戸付書架には貴重な資料が眠っているかもしれません。

(左)郷土資料の書架。2021年10月。

(右)津田左右吉の著書、坪内逍遥の著書、自治体史などの書架。2021年10月。

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(写真)津田左右吉の著書など。2021年10月。

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(写真)坪内逍遥の著書など。2021年10月。

 

2.4 テーマ展示

この日のテーマ展示は「柿」でした。岐阜県富有柿 - Wikipediaの発祥地であり、全国第4位の柿産地でもあります。柿を主題とする書籍を展示するだけでなく、雑誌記事のカラーコピーやパンフレットを紹介している点などに工夫が感じられました。

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(写真)テーマ展示「柿」。2021年10月。

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(写真)テーマ展示「柿」。2021年10月。