(写真)原野谷川の堤防から見た袋井市立袋井図書館。
このブログにおける文章・写真は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。写真は「Category:Fukuroi City Library - Wikimedia Commons」にアップロードしています。
静岡県袋井市の袋井市立図書館を訪れた。設計は鬼頭梓 - Wikipedia建築設計事務所、開館は1988年。鬼頭梓建築の図書館を訪れるのは初めて。愛知県に鬼頭梓の図書館はない。日野市立中央図書館や武蔵野市立吉祥寺図書館や同志社女子大学図書館にも入ってみたい。ただ、袋井図書館の外観はしっくりくる構図がない。図書館入口の正面にある民家のほうがキマっている。
(写真)南側の道路沿いから見た袋井市立袋井図書館。
(写真)図書館入口の正面にある民家は全力でハロウィンしてた。
1階
入り口を入ると左前にメインカウンターがあり、左側が児童書のフロア、右側が一般書のフロア。堤防沿いの北側と道路に面した南側は大きなガラス窓となっている。書架の間隔が広いことや低い書架が多いこともあって、開館から29年経っても開放感は薄れていない。ただ、日野市立中央図書館(1973年開館。写真でしか見たことがない)より15年も後の建築には思えず、時代を先取りしている感じはしなかった。
(左)箱型の書架に入った新着資料。(右)雑誌。
(写真)1階の書架。最下段の傾斜角度がきつい、日野と同じ書架。
(写真)児童書フロア。
2階
公式サイトには「袋井図書館のあゆみ」というページがあり、1988年開館の現行館の前には1970年開館の初代図書館があることが分かった。そこで地域資料コーナーの『磐田・袋井・森今昔写真帖』をめくると、初代図書館は1928年竣工の袋井町役場を転用したらしいこともわかったが、この写真集には著作権が切れてるような古い写真が掲載されていなかった。
この図書館の地域資料コーナーに入るにはレファレンスカウンターの前を通る必要がある。カウンターには職員が常駐し、地域資料コーナーに入る利用者にひと声かけている。町役場として使用されていた建物の写真、司書なら簡単に見つけだすだろうと思ってレファレンスを行った。
簡単に見つかると思っていたはずの写真の調査。しかし結局は別の司書や館長も加わり、袋井市役所文化財課に電話をかけるなどしてもらった結果、『磐田・袋井・森今昔写真帖』の3ページ前に掲載されていた別の写真が同じ建物であることが判明した。この建物は2度増築を行っており、自分では同じ建物だということに気付かなかった。なお、『磐田・袋井・森今昔写真帖』以外にはこの建物の古い写真は見つからなかった。
1970年から1988年まで使用されていた旧館は、袋井駅の東500mにある陸橋の北側にあった。近年に区画整理事業を行うにあたって文化財としての価値などが調査され、移築なども検討されたが、結局は解体されている。この建物については『旧袋井町役場庁舎調査報告書』(袋井市教育委員会、2002年)が詳しい。道路の区割りはすっかり変わってしまったが、「小林商店本店」という米屋が建っているあたりだと聞いたので、JR袋井駅までの帰りに寄ってみた。
(写真)2階にのぼってすぐの場所は展示スペース。
地域資料。(左)メロン文庫。(右)地域資料コーナー全体。