(写真)菅浦の湖岸集落。
2020年(令和2年)8月、滋賀県長浜市西浅井町菅浦(すがうら、「菅浦の湖岸集落」)を訪れました。
1. 菅浦を訪れる
1.1 菅浦の街並み
菅浦(すがうら)は琵琶湖の北部に突き出た半島にある集落です。高度成長期まで自動車道路が通じておらず、他集落へは船舶での移動を強いられていたほど孤立性が高い集落です。2014年(平成26年)には「菅浦の湖岸集落景観」が国の重要文化的景観に選定されました。その地理・歴史・産業・文化などについては、『菅浦の湖岸集落景観 保存活用計画報告書』(長浜市、2014年)が詳しく、菅浦の湖岸集落 - Wikipediaでもよくわかります。
(写真)集落の入口。
防波堤としての役割、平坦地を作る役割の双方から、菅浦の集落内には高さ100センチ-150センチ程度の石垣が築かれています。
(写真)集落にある石垣。
(写真)集落にある石垣。
漁村として栄えたといえるほどではない菅浦に規模の大きな民家が多いのは、ヤンマー家庭工場の影響でしょうか。
(写真)集落の民家。
民宿よしやの北西には小規模な広場が形成されていますが、これは1980年代前半に埋め立てられた「西の舟入」(船だまり)跡だそうです。
(写真)民宿よしや。
ヤンマーディーゼルの創業者である山岡孫吉は滋賀県北部出身であり、滋賀県北部には小規模な農村工場(ヤンマー家庭工場)が多数設置されたようです。1960年(昭和35年)には菅浦にもヤンマー家庭工場が設置され、個人宅の敷地内には多数の工場があったようです。
(写真)ヤンマー家庭工場。
(写真)菅浦公民館。
1.2 菅浦の寺社
菅浦の氏神として須賀神社があり、神社の宝物類は菅浦郷土史料館に収蔵されています。収蔵品の中には国宝の菅浦文書・菅浦与大浦下庄堺絵図もあり、滋賀大学経済学部附属史料館に寄託されています。
(写真)菅浦郷土史料館。
(写真)阿弥陀寺。
(写真)安相寺。