(写真)愛知県立田口高校稲武校舎付近から見た稲武市街地。
2019年(令和元年)9月、愛知県豊田市の旧東加茂郡域(旧足助町・旧稲武町・旧旭町)を訪れました。「稲武町の映画館」に続きます。
旧足助町・旧稲武町・旧旭町の3町とも2005年(平成17年)に豊田市に編入された自治体であり、3町それぞれにかつて映画館がありました。なお、稲武町は2003年(平成15年)まで東加茂郡ではなく北設楽郡に属していました。
(地図)愛知県における旧足助町・旧稲武町・旧旭町の位置。©OpenStreetMap contributors
1. 稲武町を訪れる
旧稲武町(稲武地区)は豊田市の北東端にある地区で、2003年(平成15年)に東加茂郡に転籍するまでは設楽町などと同じ北設楽郡に属していました。名鉄豊田市駅から稲武地区中心部までの距離は43km、車では国道153号を使って約1時間かかります。
豊田市駅の標高は約35m、豊田市役所稲武支所の標高は約500m。稲武地区中心部は開けた盆地にあり、道の駅どんぐりの里には観光客がたくさんいるので、奥三河の寒村のイメージはありません。
(写真)稲武市街地を通る国道153号。長野県の根羽まで16km、飯田まで60km、塩尻まで143km。
2. 稲武町を歩く
旧稲武町は1940年(昭和15年)に"稲"橋村と"武"節村が合併して発足した自治体。名倉川の東側が稲橋村、西側が武節村です。
稲武町役場、稲武郵便局、稲武町立稲武小学校、愛知県立田口高校稲武校舎、稲橋神明神社、瑞龍寺など、公共施設や寺社が集まっているのが稲橋地区、商家や劇場などを含めてにぎわう稲武商店街があるのが武節地区です。
2.1 稲橋地区
豊田市稲武交流館
おいでんバスの終着点であり、稲武町のまちあるきの起点となるのが豊田市役所稲武支所や豊田市稲武交流館。靴を脱いで上がる稲武交流館の館内には開放的な図書室があります。
かつてこの場所には稲武町立稲橋小学校がありましたが、1982年(昭和57年)に稲橋小学校など3校1分校が統合され、250m北西に稲武町立稲武小学校が開校しています。
稲武支所や稲武交流館の南側にあるのは、本堂の前のシダレザクラが有名な瑞龍寺。今回は見かけませんでしたが、前回訪れた際には本堂の屋根にサルがいました。
(左)豊田市役所稲武支所。(右)図書室がある豊田市稲武交流館。
高校跡地
稲武支所の北東側にある高台には、かつて愛知県立田口高等学校稲武校舎 - Wikipediaがありました。2007年度(平成19年度)末をもって閉校しましたが、現在も校舎・体育館・武道場の建物は残されており、雑草の奥には閉校記念碑が建っていました。
(写真)愛知県立田口高校稲武校舎跡地。
鉄筋コンクリート造の橋梁
旧稲武町には大正時代に架けられたアーチ橋が5本も残っているそうで、稲橋地区と武節地区を隔てる旧稲武大橋は1926年(大正15年)竣工です。他の4本が鉄筋コンクリート造であるのに対して、旧稲武大橋は鉄骨造であり、赤い鉄骨を見るために河岸に下りたくなります。
(写真)旧稲武大橋。1926年竣工のアーチ橋。
(写真)資料館の古橋懐古館。
2.2 武節地区
稲武商店街
2本の国道が交わる町だけあって、稲武商店街は現在でもそれなりの規模です。市指定文化財や登録有形文化財の建物はありませんが、商店街が緩やかにカーブする部分にある「大和屋」という商家には目を見張ります。
(写真)稲武商店街にある旧家「大和屋」。
(左)稲武商店街。右の路地の先が稲武劇場跡地。(中)稲武商店街にある尾形誠意堂。(右)稲武商店街。右はつたや。
(写真)道の駅にある稲武温泉どんぐりの湯。