振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

図書館内での写真撮影(その2)

ayc.hatenablog.com

6月30日に「図書館内での写真撮影」というブログを書いてから約1か月、さらに数館を追加して地図を作成してみた。対応してくださった職員さん、本当にありがとうございました。

 

・写真はいずれもAsturio Cantabrioが撮影。すべて2016年1月以降(2015年度と2016年度が混じっている)。私は図書館界にかかわりのない一般市民です。カウンターで「調査研究ではなく記録のために撮影したい」「できればSNSなどにアップロードしたい」などと伝えています。

・大半の図書館では利用者の多い土日を避け、平日の夕方から閉館前の時間帯に訪れています。個人的な調査結果です。同じ結果が得られることは保証できません。

 

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 撮影可能な図書

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愛知県図書館(1枚目) : 撮影可能。利用者が写らなければ問題ないということだった。約20,000m2という広い図書館なので、場所や時間帯を選べば利用者を写さないようにするのは難しくない。鶴舞と同じくスガキヤが入居。試験シーズンには近隣の高校生がスガキヤに群がる。

名古屋市鶴舞中央図書館(2枚目) : 撮影可能。奥から出てきて対応してくださった職員さんは「図書館で写真撮影できるのは当たり前」という感じで、特集展示コーナーにあったオリンピックのポスターを題材にして著作権的に問題がない撮影の仕方について詳しく聞くことができた。写真は「名古屋なんでも調査団」。

清須市図書館(3枚目) : 撮影可能。2012年開館。建物は二等辺三角形で中庭がある。延床面積は約3,000m2ながら、館内で鬼ごっこをすると楽しそうなくらい複雑な構造。展示の仕方に工夫をこらしているのがよくわかる。公共交通機関で訪れるのはつらい。写真は児童コーナーの「おしり」特集。

小牧市図書館(4枚目) : 撮影可能。カウンターで写真を撮りたいと言うと、上階の事務室に行くよう促される。コピーを取るときにも事務室で申請する必要があるみたい。申請書に記入すると撮影許可証が入った吊り下げ札を手渡された。8月6日には図書館の役割や可能性について考える講演会がある。

津島市図書館(5枚目) : 撮影可能。『新建築』によると書架を照らす間接照明が特徴的なのだとか。

 

 

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おおぶ文化交流の杜図書館(1枚目) : 撮影可能。2014年開館。申請書を記入して撮影許可証が入った吊り下げ札を渡される。撮影後には利用者が写っていないかチェックされる。

東浦町図書館(2枚目) : 撮影可能。ドームみたいな外観も森の中みたいな内部も特徴的。色々あった末に人口5万人は突破したらしいが、結局この町はいつ市制施行するのだろう。

刈谷市中央図書館(3枚目) : 撮影可能。撮影前には人物を写さないように伝えられ、撮影後に職員がチェックするとのこと。わざと1枚だけ人物の後ろ姿を写した写真を撮ったところ、職員さん同士で協議をしたうえでその1枚は消してほしいとのことだった。

豊橋市立中央図書館(4枚目) : 撮影可能。許可が出るまである程度時間がかかったので、撮影に関するルールを定めていないのかも。郷土資料コーナーや各種特殊文庫がある2階の使い方がもやもやする。

田原市中央図書館(5枚目) : 撮影可能。2002年開館だが、つい数年前に開館したかのように新鮮な印象。申請書に記入して吊り下げ札をもらう。こんな図書館がある町に住みたい。

 

 

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桑名市立中央図書館(1枚目) : 撮影可能。2004年開館。職員が立ち会う。

岐阜市立中央図書館(2枚目) : 撮影可能。2015年開館。カウンター前には「撮影OK」という趣旨の貼り紙がしてある。すばらしい。専門書中心の岐阜県図書館とのすみわけが考えられているそうで、持ち込みPC席が10席しかなかったり、どこにいてもざわつきを感じるところなどは、よくここまで割り切ったなと思う。

多治見市立図書館(3枚目) : 撮影可能。陶磁器関連資料の量に驚く。

浜松市立中央図書館(4枚目) : 撮影可能。申請書に記入すると腕章を渡される。敷地内で撮影する場合は、建物外観を撮るのにも申請書に記入する必要があるとのこと。日によって出店する店が変わるカフェがあった。

静岡市御幸町図書館(5枚目)、清水中央図書館 : いずれも撮影可能。職員さんの付き添いの元で撮影できた。御幸町図書館はとても賑わいのある図書館なので断られて当然だと思ってたが、職員さんの付き添いの下で撮影できた。清水中央図書館は「撮影者に関知せず」というユニークな対応。

東近江市八日市図書館(6枚目)、永源寺図書館、能登川図書館 : いずれも撮影可能。館内には何匹もモンスター(?)がいる。

滋賀県図書館(7枚目) : 撮影はできるだけ控えてほしいとのことだった。

京都市立中央図書館、右京中央図書館(8枚目) : いずれも撮影可能。腕章を渡される。京都市の4中央図書館は今春からWi-Fiが使え、右京のレファレンスルームはPC持ち込んで作業するのにとても便利。

 

 

 撮影後に制限が課される図書

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豊田市中央図書館(左) : 撮影は可能だが注意事項がある。腕章をつけて職員同伴のもとに撮影した。 「SNSへのアップロードは禁止」ということをきちんと定めているらしいことには好感が持てた。駅に隣接したビルの3階から7階が図書館。延床面積 12,500m2、蔵書数114万冊というとんでもない図書館だが、新聞・雑誌などのデータベースが一切なかったり、PC持込可能な席は18時で閉まってしまったり、インターネット席のPCが使い物にならなかったり、いろんな不満も感じる図書館。

犬山市図書館(右) : 撮影は可能だが注意事項がある。奥から出てきた職員の方に付き添ってもらう形で撮影を許可してもらった。撮り終わって談笑しているときに不意打ちで「SNSにはアップロードしないでね」。

 

 

 撮影禁止の図書

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岡崎市立中央図書館(1枚目) : 撮影禁止。2008年開館。西三河にこんな図書館があって誇らしい。視察者も多いようなので、撮影できないのは残念。Wikipediaの「岡崎市立中央図書館」を読んでください。

一宮市立中央図書館(2枚目) : 撮影禁止。2013年開館。どでかい直方体の駅ビルに入居していて、写真のような曇天の日には建物に威圧感を感じる。蔵書数70万冊の 立派な図書館。初めて訪れた時には開館年や立地や都市規模の割に利用者が少ないように感じたが、何度か訪れるうちに、閲覧席と書架の配置の仕方で落ち着い た雰囲気を出すことに成功していることがわかった。

春日井市図書館(3枚目) : 撮影禁止。愛知県6番目の人口30万都市。公式サイトには館内の写真が10枚掲載されているがPDF。

稲沢市図書館(4枚目) : 撮影不可。2006年開館。10年も経ってるのが信じられないくらい内部は興味が尽きないだけに撮影禁止なのは残念。でも、その日の責任者や申請の仕方次第で対応が変わるんじゃないかと思ってしまった。

みよし市立中央図書館(5枚目) : 撮影不可。2016年7月2日開館。開館したばかりなのに全然話題になっていないような。みよし市民以外の来訪は想定していないと思われるので、みよし市民に広報できればそれで充分なのかもしれない。

碧南市図書館(6枚目) : 撮影不可。碧南火力発電所があるおかげで愛知県の中でも財政的に恵まれている。人口7万人の小都市ながら、30万都市にあるような豪華な図書館。建物は図書館じゃなく美術館に見える。その一方で利用者は少なくガランとしている上に、撮影は不可能とのことだった。ちぐはぐさが残念。

高浜市図書館(7枚目) : 撮影不可。やや年季が入った図書館なので、撮影してもよいか聞いてすぐに撮影不可という答えが返ってきたことに驚いた。

京都府図書館 : カウンターで聞いたわけではないが、是住さんによると府立図書館では撮影不可とのこと。

大阪市立中央図書館 : 撮影不可。

 

 

 

まとめ

30自治体の中で撮影できなかったのは9自治体(30.0%)。ただし愛知県に限ると19自治体中7自治体(36.8%)。愛知県西三河地方に限ると6自治体中4自治体(66.7%)。サンプル数 が少ないので参考程度の数値とはいえ、愛知県や西三河地方の図書館は写真撮影に厳しいようです。

複合館かどうか、直営かどうかは写真撮影の可否に大きな影響を与えているわけではなさそう。今後本ブログに追加できそうな館は安城、西尾、知立、豊明くらい。愛知県の図書館をコンプリートすることはめざしていない。