振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

蒲郡市立図書館を訪れる

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(写真)蒲郡市立図書館。

2020年(令和2年)3月、愛知県蒲郡市蒲郡市立図書館を訪れました。

 

 

1. 蒲郡市を訪れる

愛知県蒲郡市東三河地方に含まれる人口約8万人の自治体。三河湾に面しており、ラグーナテンボス竹島水族館などの娯楽施設、西浦温泉や形原温泉などの温泉地で知られる観光地です。

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(地図)愛知県における蒲郡市の位置。©OpenStreetMap contributors

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2. 蒲郡市立図書館を訪れる

2.1 図書館の歴史

蒲郡市立図書館 - Wikipediaは1969年7月開館の初代図書館が現行館です。周辺自治体で本格的な図書館が開館した年を見ると、岡崎市立図書館(1971年)や豊田市立図書館(1971年)や豊川市立図書館(1972年)は蒲郡市立図書館より遅く、西尾市立図書館(1983年)や安城市立図書館(1985年)に至っては1980年代のことです。開館当時の蒲郡市立図書館は三河地方でも特に立派な図書館だったと思われます。

2009年には指定管理者制度を導入してNPO法人が指定管理者となりましたが、NPO法人による運営は愛知県では先進的だったそう。2019年7月には開館50周年記念イベントを開催。この2020年3月中旬には『蒲郡市立図書館開館50周年記念誌』が発行され、PDFでも公開されています。これはWikipedia記事に反映させなくては。

 

蒲郡市立図書館は開館から51年が経過し、老朽化と狭隘化が進んでいます。愛知県の中央館としてはもっとも古い建物を使用する自治体です。蒲郡市立図書館と同時期に開館した図書館としては瀬戸市立図書館(1970年6月開館)や常滑市立図書館(1970年10月開館)がありますが、常滑市立図書館は新築する複合施設への移転計画が進行中(2021年度に本館が休館)、瀬戸市立図書館は現行館を維持するとした整備基本構想が策定されています。蒲郡市は今後の図書館整備に関する方針を示していないように見えるのが気になります。

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(写真)蒲郡市立図書館の外観。
 
2.2 図書館の特色
2016年には「魔法がつかえるようになりたい」という6歳男児に対する司書の対応が話題となりました。2019年時点では7年連続でレファレンスに対して国立国会図書館から表彰を受けています。私も蒲郡市西浦町の映画館についてのレファレンスを行ったことがありますが、閲覧が容易でない『西宝新聞』を使って回答してくださいました。郷土資料室に入る際には申請が必要であり、職員同伴でないと立ち入ることができないのが難点ですが、建物の構造上の理由で仕方ないのかもしれません。f:id:AyC:20200323213030j:plainf:id:AyC:20200323213038j:plain

(写真)蒲郡市立図書館の館内。(左)一般室の中央部。(右)一般室の書架。

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(写真)蒲郡市立図書館の館内。(左)2階の学生室。(中)1階の児童室。(右)1階の展示室。