ウィキペディアの「岡崎市立中央図書館 - Wikipedia」を加筆し、「津島市立図書館 - Wikipedia」を新規作成しました。なお、「岡崎市立中央図書館」は記事名に反して「岡崎市立図書館」全体を扱っています。
岡崎市は愛知県西三河地方にある人口38万人の都市。津島市は愛知県尾張地方にある6万人の小都市。人口には差がありますが、どちらもその地域の中心的な町で、前者は「岡崎城」などで、後者は「尾張津島天王祭」などで知られています。
歌川広重『六十余州名所図会: 尾張津島天王祭』、Wikimedia Commonsより
両図書館に関する文献
瀬戸内・田原・伊那・陸前高田の各図書館を書くために、この4月以降には岡崎市立中央図書館と愛知県図書館に足しげく通いました。この4館の記事は雑誌記事中心だったり、ネットニュース中心だったりと、必ずしも図書館が所蔵している書籍が中心ではありません。ですが両図書館では郷土資料コーナーの0類を何度もチェックし、愛知県の図書館の中でも特に岡崎市と津島市は文献が豊富なことに気付きました。
・鈴木素夫『旧岡崎図書館の面影を訪ねて: 岡崎市立図書館小史 百年の歩み』自費出版, 2008年
・鈴木素夫『岡崎市立図書館史 年表: 明治45年~平成22年』自費出版, 2011年
・小林清司『愛知県岡崎市立図書館の歩み(資料集)』自費出版, 2011年
・園田俊介『津島市立図書館編年資料集成 1895-2013』津島市立図書館, 2015年
4冊とも図書館に関する新聞記事を網羅してまとめた資料集です。鈴木氏と小林氏は元岡崎市立図書館員だそうで、それぞれ自費出版を行っています。園田氏は津島市立図書館の現・副館長で、津島市立図書館は『-編年資料集成』を250部発行して愛知県内の各図書館に配布しています。3者とも膨大な新聞記事を丁寧に紹介して図書館の歴史を明らかにしており、「さすが図書館員」と思わせられます。
著者の熱意が伝わってくる力作ですが、これらの文献を愛知県外で閲覧するのは容易ではありません。図書館の歴史とともにこれらの文献の存在を知ってもらいたい。
※【津島】は津島市立図書館の記事を、【岡崎】は岡崎市立中央図書館の記事を表す。
移転、改称、合併
【津島】の歴史は移転と改称の歴史、【岡崎】の歴史も移転に振り回された歴史です。両記事とも歴史節より上に年表を設けて、移転年や移転場所に触れています。また歴史節には地図と写真を多用し、さらに各時代の館の位置についてもできる限り詳しく触れています。
とはいえ、ウィキペディアの記事を読んだだけで両図書館の歴史や所在地について理解するのは困難です。わかりにくい点があればノートなどで指摘していただければと思います。
歴史をどこで区切るかは悩みました。両記事とも移転(所在地の変化)を一区切りとしていますが、文献では所在地の変化ではなく館名の変化で区切っていることがありました。
やたらと外観がでこぼこしている津島市立図書館。Asturio Cantabrio撮影。
その他工夫したこと
・文章にメリハリをつけるため、また豊かな歴史を感じてもらうために、両記事にはいくつかQuotationテンプレートを使用しています。【津島】の歴史節冒頭部にある「…想ひの外なる立派さに喜悦感歓の涙を禁ずるに能はず」、【岡崎】の「…本町の教育事業に於ける一進歩というべし」という部分がそうです。
・【岡崎】の「1927年の愛知県の主要な図書館」、【津島】の「1897年時点の公共図書館一覧」と、図書館の豊かな歴史を感じさせる表を双方に作成しました。これらはあってもなくても良い表なので、バイト数の水増しと言われても仕方ありません。
・【岡崎】の「延床面積の変遷」、【津島】の「蔵書点数/貸出点数の変遷」のように、Bar boxテンプレートで棒グラフを作成しました。統計的な記述をうまく取り入れたいのですが、記事への理解を深める効果を発揮しているかは疑問です。
サークルKが入っているりぶら(岡崎市立中央図書館)。Asturio Cantabrio撮影。
図書館記事の作成状況
図書館員が主催者等で活躍するウィキペディアタウンイベントが増えています。このようなイベントを主催する方にとって身近な題材を増やすことで、ウィキペディアやウィキペディアンに興味を持ってもらえればと思います。
執筆対象とする図書館の地域はなるべく分散させています。愛知県周辺では県ごとに1記事、私が住んでいる愛知県内では各地方ごとに1記事を目安に増やしているところです。
今後作成するかも : 江北図書館(滋賀県)、東近江市立図書館(滋賀県)、一宮市立図書館(愛知県尾張地方)、安城市立図書館(愛知県西三河地方)