9月初旬に福井県の図書館3館を訪れた。今日になってようやく、「越前市立図書館」と「鯖江市図書館」を作成し終えた。
JR武生駅から図書館に向かって歩く。1.5km、約20分。駅前通りはとても雰囲気があるし、途中には観光地の「蔵の辻」もあるのでそれほど距離を感じない。図書館がある公園には小規模な遊園地、文化ホール、体育館、テニスコートや野球場と、越前市の文化施設が集まっている。
図書館の前には噴水広場があり、図書館は広場の形に合わせて扇型の一般開架スペースを持つ。この広場のおかげでやや離れた位置からゆがみのない写真を撮れる。芝生の緑、舗装の赤、建物の茶色が青空に映える。
左の写真はJR武生駅の駅前通り。正面には時計塔が見え、その右側には古めかしい越前市役所がある。
図書館の入口側は噴水広場側とは印象が異なり、どこにでもある無機質な公共施設のよう。越前市立図書館は内部の写真撮影が不可だったので、什器を担当した金剛のウェブサイトを見てほしい。建物の外観や内部空間が美しいだけでなくて、図書館としての機能もいろいろと気が利いている。
越前武生駅から福井鉄道福武線に乗り、水落駅で降りて鯖江市図書館に向かう。地図によれば水落駅から図書館までの距離は約300m。しかしこの間には長さ8kmの鯖江断層があり、崖を下りて図書館に向かうことになる。左の写真は崖の上から図書館(2本の木の間に見える左上の茶色い建物)を撮ったもの。崖の高さは10m近くあるだろうか。
右の写真は正面から図書館を撮ったもの。まだ日の長い9月初旬だったが、13時台にもかかわらずこれだけ建物が暗くなった。雪の多い地域ながら入口は真北を向いている。このせいで冬場は寒々しい雰囲気が図書館に漂うのではないかと思う。
中身は人口7万人の自治体には不釣り合いなくらい。立派なエントランスの向こう側には、重たい雰囲気の書架が整然と置かれている(※写真の撮り方のせいで重さが2割増しになっています)。2006年開館の越前市中央図書館とは違って、1990年代(1997年)開館の図書館であることをひしひしと感じる。
左は地場産業の眼鏡を特集したコーナー。主に雑誌が置かれていたが、それほど充実しているようには見えない。左は拡大読書器のある部屋。
福井駅東口の再開発ビル「AOSSA」の4階に福井市立桜木図書館がある。駅前型図書館ということで流行りのビジネス支援とかに特化した図書館なのかと思いきや、開館時間が短く閉館日が少ないこと以外は変哲のない図書館に見える。席ごとに仕切りのある持ち込みPCコーナーがあったが、誰も座っていなかった。
Wikipediaに記事を作成する
ウィキペディアに「鯖江市図書館」と「越前市立図書館」を作成した。開館が1923年に遡る越前市立図書館は歴史の古さを、ライブラリーカフェやカーリルとの連携で知られる鯖江市図書館は近年の取組みを強調した文章にした。
越前市中央図書館の歴史は古いが、図書館史を発行しているわけではない。事業年報で建物や所在地の変遷を把握しようとしたが、事業年報は文字だけなので他所の人間には地名から場所を類推できない。OSM独自に地図を作成した。
越前市今立図書館も歴史は古いし、事業年報と別の文献で館名などに齟齬がある(おそらく事業年報が間違っている)。1929年開館の粟田部町立図書館はどうなったのか、平成時代の今立町立花筐図書館本館はどうなったのかなど、判然としない部分がいくつもある。
鯖江市図書館は2014年のLibrary of the Yearで優秀賞を受賞した。平成時代には合併を行っていないし、図書館の開館が1979年と新しいため、歴史節の記述はシンプルに。歴史節より前に特色節を配置して近年の取組みを紹介している。