振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

県立図書館の内部を撮影する

※このエントリーで使用している画像はすべてWikimedia Commonsにアップロードしたものです。

 

 

夏から秋にかけて5館の県立図書館を訪れた。

岐阜県図書館、滋賀県図書館、三重県図書館、静岡県立中央図書館、県立長野図書館。それぞれ、県立博物館(三重)、県立美術館(岐阜・滋賀・静岡)、県立ホール(三重・長野)と一体的に整備された文教地区にある。

 

岐阜県図書

JR西岐阜駅から歩いた。内部を撮影したいと行ったら事務室に通されて、撮影に関する規則を見せてくれた。今年4月に定めたらしい。1か月以上前に申請書を提出した上で、目的次第で撮影を許可される場合があるらしい。こんな規則と申請書を定めている図書館は初めてだった。館内での撮影に関して利用者間のトラブルがあったのではないかと想像する。

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滋賀県図書

6月か7月にJR瀬田駅からバスで行った。近くには龍谷大学/滋賀医科大学/立命館大学のキャンパスがある。

内部の撮影については曖昧な返事が返ってきた。撮影した画像は捜索中。

 

三重県図書

暑い時期にJR津駅から三重県総合文化センターまで歩いた。立派な建物の数々。図書館はそれほど広くない。

三重県図書館にはELNETがある。新聞データベースには中日と読売と日経がある。データベースに関しては愛知県図書館よりもはるかに使える。ELNETがありがたい。

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静岡県立中央図書

JR静岡駅からバスに乗った。高台にあり、静岡鉄道の駅から歩くのは大変。撮影の可否を尋ねたら館内を案内してくださった。書架と閲覧席が近いので人を写さないように気を遣うが、職員の方が付き添ってくれたおかげで落ち着いて撮影ができた。

1階扱いのフロアには「15歳以上の大人」だけが利用可能な子ども図書研究室がある。案内してくださらなかったら気づかなったかも。書庫も含めて膨大な量の児童書があり、主に市町村立図書館に提供しているらしい。特集展示は常に1-2か月ほど季節を先取りしている。訪れたのは8月だったが秋の絵本を特集していた。

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県立長野図書

8月末に訪れた。事務室にいた係長さんにガイドをしてもらいながら撮影する。2階の一般図書室は改装を行ったばかり。ちょっとした催しが行える空間ができていた。書庫にも入らせてもらう。製本を行っていない雑誌が多いのが意外だった。書庫から出てきたところで平賀館長を見かけたが声はかけていない。

JR長野駅から歩いて10分ほどの公園にある。長野駅西側と駅東側は全く印象が異なる。昔の長野駅東側には何があったんだろう。長野には折り畳み自転車を持って行き、長野市内や小布施町内をぽたぽたと走る。

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愛知県図書

よく行く愛知県図書館。石垣と木々に囲まれているので外観が撮りづらい。基本的に撮影は可能なようで、撮影したい旨を4階で伝えると各階のカウンターに話を付けてくれた。

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Miyuki Meinakaさんによる三重県の図書館記事

2016年2月以降、Asturio Cantabrioはウィキペディアに22の図書館記事を新規作成もしくは大幅加筆した。

春には男木島や瀬戸内市陸前高田市伊那市など、特にウィキペディアタウンが理由で興味をそそられた図書館を。夏からは岡崎市津島市安城市一宮市など、愛知県内の有力な図書館を。

愛知県の有力館を作成するのと同時に、愛知県周辺の県には各県ごとに最低1記事を作成する試みを行った。中部地方各県の図書館でウィキペディアタウンが開催される前に種をまいておきたい。

 

Asturio Cantabrioが作成した図書館記事

【愛知県】(8) : 田原、岡崎、安城、一宮、津島、みよし、清須、東浦町

三重県】(0)

岐阜県】(1) : ぎふメディアコスモス

【静岡県】(2) : 御幸町、熱海

富山県】(1) : TOYAMAキラリ

【石川県】(1) : 金沢海みらい

福井県】(2) : 鯖江、越前

【長野県】(2) : 上伊那、伊那

滋賀県】(1) : 江北

【その他】(4) : 陸前高田、瀬戸内、赤穂、男木島

 

 

Miyuki Meinakaさんによる三重県図書館記事

愛知・岐阜・静岡の東海地方3県、富山・石川・福井の北陸地方3県、長野県、滋賀県と、計8県で最低1記事を作成したが、三重県だけはあえて残しておいた。三重県に強い編集者には利用者:Miyuki Meinaka - Wikipediaさんがいる。Miyukiさんは2012年に桑名市立中央図書館や四日市市図書館を作成しており、図書館には興味があるに違いないと思っていた。

Miyukiさんが図書館記事に手を付けるのを今か今かと待っていたら、こちらの想いが通じたらしい。Miyukiさんは9月26日にまず岐阜県飛騨市図書館 - Wikipediaを作成した。私は現地で撮ってきた写真を追加。するとMiyukiさんは文章をさらに加筆し、飛騨市図書館は良質な記事に選ばれた

飛騨市図書館につづいて、Miyukiさんは10月23日に三重県図書館記事の作成を開始した。その後わずか1か月の間に、三重県だけで、9記事も作成してしまった。

たとえば伊賀市上野図書館 - Wikipedia松阪市図書館 - Wikipediaは明治時代に遡る歴史ある図書館で、書くべきことがたくさんある。Miyukiさんは自治体史・事業年報・新聞記事などを丹念に調べて30,000バイトの記事にした。記事化されていない三重県図書館は4つ。三重県図書館記事をコンプリートする気なのかもしれない。

 

Miyuki Meinakaさんが作成した図書館記事(9/26以降)

三重県】(9) : 少女まんが館 TAKI 1735、熊野、松阪、伊賀、紀北町、村山龍平記念館、鈴鹿大台町尾鷲市

岐阜県】(3) : 飛騨、飛騨市神岡、高山

 

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メインページに掲載された図書館記事の分布(水色と紺色)。首都圏と中部地方に集中し、特に愛知県と三重県が多い。

 

ウィキペディアタウンin富山 2016に参加しました

11/19(土)に「ウィキペディアタウンin富山」に参加しました。7月末以来、TOYAMAキラリには2度目の訪問です。こんな美しい図書館がある富山市民がうらやましい。

写真はいずれもAsturio Cantabrioが撮影。ただし最初の2枚は今回ではなく7月末に撮影。

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TOYAMAキラリを訪れる(2度目)

今年の7月末、開館1周年を前にしたTOYAMAキラリ - Wikipediaを訪れました。その後ウィキペディアの「TOYAMAキラリ」と「富山市立図書館 - Wikipedia」を加筆。『みんなの図書館』に掲載されていた瀬口敦子さんの「富山市図書館・こども図書館」という文献が役立ちました。これは富山駅前のこども図書館を主題とした文章で、本館との関わりやその立ち位置などが紹介されています。

今回のイベントの2日前に申込状況を確認した時には、「イベント担当者のセグチさん」が応対してくださいました。セグチさんからは集客に苦戦しているという話を聞き、図書館としては売り出し方の難しいイベントなのだろうと思いました。

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橙・黄・紺の什器や壁が鮮やかな富山市立こども図書館。

 

7月末に石川・富山を訪れた時には、往路に米原駅経由の特急しらさぎを使い、復路に富山-名古屋便の高速バスを使っています。今回は往路に高山駅経由の特急ひだを使い、復路に高速バスを使いました。今回で名古屋と富山を結ぶ主要3ルートを制覇したことになります。

私が乗った特急ひだは、名古屋駅富山駅を3時間46分で結びます。一方で昨年延伸した北陸新幹線は、東京駅と富山駅を最速2時間8分で結んでしまいます。今日の富山県民にとって名古屋はどんな立ち位置なのでしょうか。

 

この日は傘をさすべきかどうか迷う天気でした。路面電車に乗って13時前にTOYAMAキラリに着くと、土曜日にしては利用者が少ないように見えます。会場は5階のミーティングルーム。今回の参加者数にはちょうどよい、こじんまりとした部屋です。たまたま座った席の隣には富山市図書館の清水孝夫館長がいて驚きました。

図書館側の担当者である瀬口さんから名刺をいただき、『みんなの図書館』の瀬口さんと電話口のセグチさんが頭の中で結び付きました。平賀さんや是住さんが講演される1週間後の「東海・北陸地区別研修」では、富山の方も名古屋市鶴舞中央図書館に来られるようです。

参加者数は一般参加者・図書館の方・Code for Toyama Cityの方を合わせて10数人。北陸でのウィキペディアタウンは2015年9月の「図書館総合展2015フォーラムin富山」で一度開催されたきりなので、どんなイベントなのか想像できなかった市民が多かったのではないでしょうか。

ウィキペディアタウンは参加者が多ければいいというイベントではありません。小雨が降って街歩きのしにくかったこの日は、人数が控えめだったのは好都合でした。でも図書館としては参加者数の多寡で成功かどうか判断されちゃうのかな。

今回のスケジュールは以下の通り。

 

13:00-13:30 Wikipedia編集の説明

13:30-14:30 フィールドワーク

14:30-16:15 資料調査・Wiki編集

16:15-16:30 成果報告

 

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Code for Toyama Cityの富成さんによる挨拶のあと、同じくCode forの土田さんがウィキペディアの編集方法を説明します。Wikipedia管理人の日下九八さんが1年前に使ったスライドを基にしているようです。東久留米で見たくさかさんのスライドとは構成が全く違い、新たな発見があります。

 

 

TOYAMAキラリ周辺を街歩きする

13時30分からTOYAMAキラリ周辺を街歩き。今回の題材には「太田口通り」「臨池居」「日枝神社」「石倉延命地蔵尊」の4つがあり、富山市最大の神社である日枝神社のみが記事化されていました。それぞれ6-7人ずつ、「太田口通り・日枝神社」班、「臨池居・石倉延命地蔵尊」班の2班に分かれます。私は通りと神社を歩く班に入りました。

「ブラトヨハシ」における岩瀬さん・伊藤さん(第1回)や中村さん(第2回)のような明確なガイド役はいないのですが、図書館の瀬口さんの説明を聞きながら歩きます。

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 地図の原典はOpenStreetMap。作者はOpenStreetMap contributers。

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TOYAMAキラリのすぐ西から南側に伸びる太田口通りは、富山と飛騨高山を結んでいた飛騨街道の北端部の名称。地図を見ると周辺ではこの道路だけ斜めに伸びており、古い時代からあった道路であることが推測できます。傘をさして歩きながら、要所要所で写真を撮ります。道路の中央部には融雪装置が設置されており、心なしか両側に向かって傾斜が付いていました。

太田口通りは500m足らずの短い通り。起点と終点に案内板が設置されています。検索してみるとわかるように、この通りについてはネット上で得られる情報はほとんどありません。美濃から飛騨への起点の一つである美濃太田に関係しているのではないかと考えたのですが、案内板を読むと、富山市街地南部地域の旧称である太田庄が由来のようです。名称の由来については文献中に発見できず、この案内板を出典として書いています。

 

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富山市街地は1945年8月1日-2日の富山大空襲で焼失しました。市街地で焼け残った数少ない建物が富山大和であり、富山の賑わいの象徴的な建物でした。富山大和が老朽化によって取り壊された後、跡地に昨年開館したのがTOYAMAキラリです。重い歴史を背負っているTOYAMAキラリ、富山市民と私のような外部の人間では感じるものも異なるのでしょう。

富山大空襲が理由で、太田口通りには戦前の建物が一切ありません。建物以外で歴史を感じさせるものは案内板と足洗地蔵くらいでした。とはいえ、太田口通りを少し離れると、東京オリンピックのポスターを印刷するはずだった(?)山田写真製版所、北陸電力発祥の地だという星井町公園、富山大空襲の焼夷弾で割れた石畳などがあります。観光客が訪れるようなスポットではありませんが、富山市民でも知らずに通り過ぎてしまうものばかりです。

 

TOYAMAキラリで編集する

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2班とも14時30分頃に会場に戻ってきました。さすがコンパクトシティ富山、街歩き時間が1時間で収まりました。東久留米も1時間だったか(京都や豊橋はもっと長い)。

眼鏡をかけて立っている黒いコートの男性は富山新聞の記者さんです。Asturio氏もウィキペディアンとしての名刺をお渡ししましたが、本名非公開という体裁になっているので取材は他の方に任せました。

文献は富山市図書館の司書さんが事前に集めてくださっています。市史・県史・辞典類が多めでしょうか。「臨池居」と「石倉延命地蔵尊」の2つは事前にググっていたのですが、大した言及が見つかりません。充実した記事にするのは苦しいだろうと思っていました。ただし、ネットで調べられないからこそ、街の歴史を振り返るこの手のイベントにうってつけの題材であるとも言えます。

小規模な題材であるため、書籍よりも地元紙やパンフレット類が役に立ちそうな気がします。「石倉延命地蔵尊」については全国紙の聞蔵Ⅱとヨミダスでも一定の言及は見つかり、地蔵脇の湧水を使った日本酒があるなどの興味深い記事もありました。

ほんとうは北日本新聞のオンラインデータベースを使いたかったのですが、富山市図書館は北日本新聞を導入していません。北日本新聞のDBは富山県図書館と高岡市図書館にしかないのです。

 

「太田口通り・日枝神社」班には、昨年9月のウィキペディアタウンin富山に参加された方がいました。Code for Toyama Cityの方々も前回イベントに参加されているため、大きな停滞なく編集作業が進みました。ビジュアルエディターを使ったほうがよいのかどうか、くさかさんやらっこさんはどう考えているのかな。

私は班の中で特にタスクを持ちませんでした。文章作成は他の方にお任せして、記者さんや瀬口さんと話したり、会場内で写真を撮ったり、部屋を抜け出して新聞データベースを使わせてもらったりと、いつも通りふらふらして過ごしました。とはいえ、他の方は写真の掲載まで手が回らないだろうと思ったので、終盤になって5枚をアップロードして「太田口通り」の記事に貼っています。

 

太田口通り - Wikipedia(新規作成) - 飛騨街道の一部。

臨池居 - Wikipedia(新規作成) - 江戸時代の寺子屋

石倉町延命地蔵尊 - Wikipedia(新規作成) - 名水。

日枝神社 (富山市) - Wikipedia(加筆) - 富山市有数の神社。

 

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成果発表。

 

 

イベントの運営について

この一年でいくつかの地域のウィキペディアタウンに参加し、その多くの地域で熱い司書さんにお会いしました。瀬戸内には嶋田さん、高遠には平賀さんや諸田さん、田原には豊田さん、東久留米には藤井さんがいましたが、富山には瀬口さんがいたのでした。※京都の是住さんはもはや別格なので含めていません

周辺で類似のイベントが開催されていないなか、1年前の図書館総合展フォーラムを思い返して企画を練ったのだと思います。瀬口さんやCode for Toyama Cityの皆さんお疲れ様でした。富山を起点にイベントが北陸に広まってほしいし、富山でも2015年9月・今回に続いてほしい。

「街歩き」と「エディタソン」、まったく異なる性質のイベントを同時に開催するのは容易ではありません。特に図書館の方にとってはどちらのイベントも馴染みが薄いのではないかと思います。それぞれ得意分野を持つ4者が揃っているのが理想ではないでしょうか。

①イベント運営に長けたシビックテック

②場所や文献を提供する図書

③編集の手伝いをするウィキペディア

④街歩きのガイド(街に詳しい市民)

実際に4者すべてを揃えるのはたいへんなので、図書館やシビックテック団体が状況に応じて2つの役割を兼任。ただし最低でも2者、できれば3者で企画する。豊橋ウィキペディアタウンでは街歩きガイドとして愛大図書館の中村さんがいたわけですが、街歩きガイドを行っている学生団体があったりします。その地域の大学の先生や学生は今後うまく使えるかもしれません。

 

今回のイベントは13時開始・16時30分終了というスケジュールでした。午前中に開始すれば街歩き時間や編集時間を増やせますが、参加者は減るでしょうし、昼食の確保など運営も大変です。今回は天候が悪かったこともあり、13時開始でよかった。

3月に長野県の高遠で参加した「Wikipedia Town INA Valley」では、街歩きから戻ったのちに自力で文献を探して書く、という作業を行いました。今のところ、参加者に文献を探させているのは高遠だけでしょうか。

司書さんに任せずに自分で探すという行為には、図書館でウィキペディアタウンを開催する醍醐味が詰まっていると思います。高遠のような地方の町、あるいは京都府立のように文献がそろっている図書館で開催するとき、それも主催者がイベント開催慣れしてきたら、高遠スタイルもいいのではないかと思いました。

 

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夜の富山駅

 

 

 

 

伊勢市を訪れる

人口10万-15万クラスの町には、もうほとんど単館系映画館など残っていない。ミニシアター系作品のみを上映して維持するのはもっと難しい。映画館の話をしているとしばしば伊勢進富座が話題に上る。進富座は東海地方で唯一訪れたことがないミニシアターだった。

先週木曜日の図書館総合展では皇學館大学がちょっとしたマイブームだった。伊勢うどん用の割り箸をもらったことだし、熱の冷めていない月曜日に伊勢市を訪れた。伊勢河崎商人館、皇學館大学附属図書館、伊勢市立伊勢図書館、進富座の4か所を目指す。

 

伊勢河崎商人館に行く

月曜日は午後から雨の予報。折り畳み自転車を持っていくことを諦めた。近鉄三重県内に入るとすぐに雨が降り始めたが強くはならなかった。伊勢市駅で降りて河崎まで歩く。お昼は河崎の「つたや」でうどんを食べる。ふみくら倶楽部でもらった割り箸を出して待っていたらお店の方に笑われた。うどんはコシがない。

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記事「伊勢春慶 - Wikipedia」には写真がない。イベント時に撮らなかったのか、あるいは撮れなかったのか知るため伊勢河崎商人館に向かう。12棟が国の登録有形文化財に指定されている。

心施設である資料館の一角には図書コーナーがあり、自治体史や地域写真集などが置かれている。その中には伊勢春慶の資料を集めたファイルがあった。関連資料を網羅しているかは怪しかったが、記事「伊勢春慶」に使われていない文献があったのでメモを取る。著者名と論文名から検索したら『海と人間』に収録されている論文だった。

商人蔵カフェでは販売品である伊勢春慶の写真を撮らせてもらった。蔵の裏手には船着き場があるが、昔は伊勢湾がこの辺りまで迫っていたんだろうか。向かいの伊勢春慶デザイン工房を紹介してもらう。公式サイトには開館日が「土曜日及び日曜日」とだけ書いてあるので、月曜日には入れないと思って通り過ぎるところだった。

デザイン工房でも写真を撮らせてもらう。オーソドックス春慶とカジュアル春慶の違いについて聞いた。2階の展示場には気づかず、漆器の底にある黒い目留め「こくそ」の説明写真を撮り忘れた。カジュアル春慶には「こくそ」がない。伊勢春慶の文献がないか聞いたら2003年の雑誌『伊勢人』を出してくれたので定価で買う。

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皇學館大学附属図書館に行く

フットサル観戦で伊勢市内の三重県営サンアリーナに行ったことがある。伊勢市駅から乗ったバスが森の中を抜けたことを記憶している。それが御幸道路 - Wikipediaであることには気づいていたが、道路脇に皇學館大学があることは知らなかった。

附属図書館に向かう。紹介状なしの学外者がさくっと館内に入れたのも驚きだが、館内での写真撮影に寛容なのはもっと驚いた。自大学で同じこと聞いて「(撮影は)できません」と即答されたのを覚えている。

2階はラーニングコモンズ機能を備えており、適度なざわつきの中で勉強する人もおり、談笑する人もいた。人のいないミーティングスペースにカメラを向けていてもさほど視線を感じない。ここでは一般開架室と公開書庫を自由に行き来でき、書庫にパソコンを持ち込んで勉強できる。15時頃から16時頃まで附属図書館にいた。

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伊勢市立伊勢図書館に行く

宇治山田駅伊勢市駅をはさんで逆側にある伊勢市立伊勢図書館まで歩く。自転車を使えたら効率がよかった。カウンターで黒青のベストを見ると写真撮影を断られるのではないかと身構えるが、首から下げる撮影許可証を渡された。カウンター前に見どころが多い。図書館まつりを開催中だそうで、書庫見学などの「図書館ツアー」(11/26)が面白そう。定員は5人と少なく、すでに募集を締め切っていた。

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進富座に行かない

伊勢進富座 - Wikipedia近鉄宮町駅やJR山田上口駅に近い。進富座は伊勢市唯一の映画館であり、三重県唯一のミニシアターである。伊勢市街地から最寄りのシネコンまでは16kmの距離があるらしく、学生が気軽に映画を観に行くことはできない。進富座がミニシアター系作品しか上映していないのには疑問も感じる。

進富座では名古屋で見逃していた『栄光のランナー』を見たかったが、月曜日は休館日だった。時間的な余裕もなかったため、外観の写真を撮るのも諦め、伊勢市駅から近鉄に乗って帰る。また伊勢に来る口実ができた。

・ところで皇學館大学は「こうがくかん」ではなく「こうがっかん」なんですね。岡野先生やふみくら倶楽部の方と話すときにも間違えてしまった。

 

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お茶を濁すために最近の岡崎市立中央図書館の写真を掲載。夕暮れ。