振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

ウィキペディアタウン in 東久留米

東久留米に行く

8時過ぎに品川駅に着くと、山手線から西部池袋線へ。池袋線には初めて乗りました。東久留米駅からはバスに乗りましたが、たった2区間だったため歩いてもよかった。市役所までは電柱がないので上品な街に見えます。品川駅から東久留米駅まではちょうど1時間でした。

図書館前の道路は今年開通したばかりとのこと。持ってきた(数年前の)地図を見ると、東久留米市西部の滝山団地は小平市小金井市の中心部へのアクセスのほうがよさそうですが、この道路は東久留米市西部と市中心部を結びつける役割を果たしていそうです。

駅前の道路はまさにメインストリートという感じで両側にビルが立ち並んでいます。市役所が作成したウェブページに「1960年代の10年間に人口が4倍に」という文章があり、その割には街並みが新しい印象を受けたのですが、参加者の方の話では東久留米駅の西側が開発されたのは最近なんだとか。地理院地図の航空写真を見ると、1990年代までは駅の東西ともに駅前通りがありません。

 

ウィキペディアタウン in 東久留米

会場は図書館内のホール。イベントの主催は東久留米市図書館で中心人物はFさんです。ウィキペディアンとしては今回の講師であるくさかさん、海獺さん、Swaneeさんがおり、都留市ウィキペディアタウンを主催しているHさんもいました。

はじめにくさかさんの講義が30分。オープンデータとは何か、百科事典とは何か、ウィキペディアとは何か、という順番の説明でした。ウィキペディアがオープンデータのひとつであること、ウィキペディアタウンがオープンデータイベントのひとつであることは、アクティブなウィキペディアンほど忘れてしまいがちなこと。

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街歩き

11時からは2つの班に分かれて街歩き。多聞寺に行くチームと氷川神社に行くチームがあり、両方とも南沢湧水群を見学します。地図を見ると図書館周辺にはけっこう農地があります。200-300mほどで落合川の川べりに出ると、落合川水生公園の前でこぶし橋を渡って南沢緑地へ。

配布された資料の中にはこの場所に湧水がある理由が記されたものがありました。武蔵野台地は標高約50mを境に傾斜が緩くなってており、南沢湧水群はその場所にあたるのだそうです。なるほど、地形図を見ると50mの等高線が境内を通過しています。

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 画像 : 街歩き風景(左)。氷川神社(右)。

 

1970年代の航空写真と現在の状況を比べると、落合川の川べりにあった長屋風の家が減って緑地が増えています。長屋風の家の住民は都営住宅に吸収されたのでしょうか。高度成長期の落合川は生活排水などで汚かったでしょうが、清らかさを取り戻したのは住民の努力に加えて行政の努力も大きいのでしょう。こぶし橋より上流側では全面的に河道の改修が行われたようで、中央図書館の真南には部分的に残った旧河道が中州のようになっています。

湧水のある南沢緑地の中は周囲と比べて気温がぐっと低く感じました。前日までの雨で多少のぬかるみがあった南沢緑地を出るとすぐ近くの氷川神社へ。鳥居と本殿の間は5mほどの坂になっており、神社の裏手は落合川を臨む崖になっていました。

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 画像 : 南沢湧水群。ほどよい冷たさ。

 

編集する

午後はくさかさんによる講義を挟み、4つの班に分かれてウィキペディアの編集作業を行います。この日のタイムスケジュールは以下の通り。午後の記事作成の時間が長くとられていたので、終了間際にばたばたすることもなく落ち着いて作業ができました。

 10:15~10:30 開会
 10:30~11:00 講義(1)
 11:05~12:00 フィールドワーク
 12:00~13:00 昼食
 13:00~13:30 講義(2)
 13:30~16:30 文献調査、記事の作成・編集
 16:30~17:00 成果発表・講評

 

今回のイベントで新規作成されたのは落合川 (東京都) - Wikipedia多聞寺 (東久留米市) - Wikipedia東久留米市立図書館 - Wikipedia。加筆されたのは氷川神社 (東久留米市南沢) - Wikipedia。私は東久留米市図書館の班に参加。歴史節をNさん、インフォボックスや概要をTさんにお任せし、私自身は一行も書いていません。

歴史節を読む限り、分館と本館の管理者の違い、文部科学大臣表彰を受けていることなどが特徴のようです。1978年以前に3つの図書館が開設されていますが、うち2館は閉館しています。実質的には後継館への移転なのかもしれませんが気になりました。最初の図書館開館から8年間は地理的な中心部(東久留米駅西側のエリア)に図書館がなかったというのもユニークです。

図書館の方が用意してくださった文献には、多摩六都の図書館の広域利用に関する文章がありました。分館についての記述ともども、きっと図書館の方が加筆してくれるでしょう(丸投げ)。

 

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画像 : 編集風景と成果発表(一部にぼかしを入れています)

 

帰る

図書館から懇親会会場の途中に立ち寄った富士見テラスでは夕焼けを背にした富士山の姿が。18時頃からは東久留米駅近くの「桶屋」で懇親会が行われました。早めに店を出て西武線に乗り、最終列車の30分ほど前に東京駅から新幹線に。品川駅から最終列車に乗って京都まで帰った東工大のイベント時から大きな進歩です。

 

街歩きイベントとエディタソンをミックスさせたのがウィキペディアタウン。今回もいろんな年代・職種・地域の方が参加されていました。Code for Xのイベントだとこうはなりません。東久留米市図書館での第2回や第3回イベント、近隣市でのイベントの開催が楽しみです。

 

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 画像 : 正面に富士山が見える東久留米駅(左)。懇親会会場の桶屋(右)。

 

 

・参考

floconsdeneige.seesaa.net