振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

長崎県立長崎図書館郷土資料センターとミライon図書館を訪れる

(写真)長崎県立長崎図書館の表札。

2023年(令和5年)8月には長崎県を訪れ、長崎市長崎県立長崎図書館郷土資料センター、大村市のミライon図書館を訪れました。

 

1. 長崎県立長崎図書館郷土資料センターを訪れる

長崎県長崎市にある長崎県立長崎図書館郷土資料センターを訪れました。

 

1.1 長崎県立長崎図書館の歴史

長崎県立長崎図書館郷土資料センターがあるのは、2018年(平成30年)まで約100年間、2代に渡って長崎県立長崎図書館が建っていた敷地です。2019年(令和元年)には20km離れた大村市にミライon図書館が開館し、県庁所在地である長崎市から県立図書館が消えるのですが、2022年(令和4年)3月27日には初代と2代目の跡地に郷土資料センターが開館しています。

(写真)長崎県立長崎図書館郷土資料センター。

 

初代長崎県立長崎図書館が開館したのは1915年(大正4年)です。『アルバム長崎百年』に掲載された初代の写真を見ると、現在の郷土資料センターと同じ敷地なのがよくわかる。1960年(昭和35年)に建てられた3階建の2代目長崎図書館は、1968年(昭和43年)に4階部分を増築してその後に至っています。

(写真)初代長崎県立長崎図書館。『アルバム長崎百年』長崎文献社、1999年。

 

1.2 郷土資料センターの特徴

長崎県立長崎図書館は落ち着いた公園内にある一方で、長崎市立図書館はまちの中心と言える場所にあり、2018年以前から市立とと県立の利用者数には大きな差がありそうでした。
そんな中で新しい県立図書館施設である郷土資料センターが開館。施設の役割を限定させ、郷土資料の収集・保存・提供に特化させたことで、本の閲覧や貸出は市立図書館、調査研究は県立図書館と、理想的なすみ分けができている珍しい県庁所在地に見えました。

(写真)長崎県立長崎図書館郷土資料センター。

 

1.3 郷土資料センターの郷土資料

郷土資料センターでは約30冊の住宅地図を書庫出納。戦後の長崎県にあった200館超の映画館について、片っ端から住宅地図をめくって正確な場所を特定する調査を行いました。事前に入念な準備を行った上で、図書館に計6時間程度滞在して調査しています。

映画館の住宅地図調査は38都道府県目。残りは北海道、青森、岩手、秋田、山形、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の9都道府県です。

(写真)東彼杵町のJR彼杵駅周辺。中央左寄りに「映画館」があるが、映画館名簿に掲載されている彼杵公会堂のことだと思われる。

2. ミライon図書館を訪れる

長崎県大村市にあるミライon図書館を訪れました。

 

2.1 ミライon図書館の特徴

JR大村駅から徒歩5分の場所にあり、長崎県大村市が共同で運営する図書館です。公式サイトには「長崎県立・大村市立一体型図書館」とあり、長崎県立図書館、大村市立図書館、大村市歴史資料館の3つの役割を有しています。

(写真)ミライon図書館。1階のロビー。

 

大村市の人口はわずか10万人であり、すぐ近くの全蓋式アーケード商店街は閑散としています。ミライon図書館の収蔵能力は九州の都道府県立図書館としては最多の200万冊とのことで、都市の規模を考えると異様に大きな施設です。館内に利用者はそれなりにいたようですが、施設の規模が大きいだけに閑散としてるように見えました。
長崎県立図書館の郷土資料は長崎市の郷土資料センターが所蔵しているため、ミライon図書館には旧大村市立図書館の郷土資料しかないようです。写真の通り広々としててゆったりくつろげる空間なのですが、個人的には県立図書館にこのような空間は求めてない。好みの問題なのですが..。
ただ館内だけ見れば「良い図書館」だと思うのですが、長崎県の県立図書館としてどうか、大村市の図書館としてどうか、そもそも県立図書館の役割とは何なのか、と、いろいろ考えさせられる図書館です。

(写真)ミライon図書館。1階のロビー。

 

2.2 ミライon図書館の郷土資料

ミライon図書館にある『ゼンリン住宅地図』は基本的に大村市のものばかりですが、すべて開架に置かれているのが好印象です。最古のものは1964年版であり、次いで古いのが1967年版。刊行年不明の『トーハンの住居地図』(東亜出版社)がありますが、1964年から1967年の間ではないかと思われます。

(写真)刊行年不明の『トーハンの住居地図』。中央左端寄りに松竹映劇、右上にスバル座。

 

ミライon図書館では長崎新聞データベース+日経テレコンも使わせてもらいました。1999年(平成11年)7月10日以降の長崎新聞記事が収録されています。1回あたりの利用時間が30分なのがやや短く、じっくり調査する際には手続きが面倒かも。

その他の新聞や雑誌のデータベースとしては、聞蔵Ⅱビジュアル(※朝日新聞クロスサーチに切り替わっていると思われる)、ジャパンナレッジ、magazineplus、whoplus、bookplusなどが利用できます。

(写真)ミライon図書館。1階の大村市歴史資料館。