振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

「図書館総合展カンファレンスin機械振興会館」に参加する

(写真)カンファレンスの様子。

2022年(令和4年)11月5日、東京都港区の機械振興会館で開催された「図書館総合展カンファレンスin機械振興会館」に参加し、「ウィキペディア展覧会」のブース出展のお手伝いをしました。

www.libraryfair.jp

 

1. 図書館総合展カンファレンス

図書館総合展は図書館をテーマとするものとしては日本最大の展示会。2019年(令和元年)までは横浜市の展示場であるパシフィコ横浜で開催されており、私も2016年(平成28年)から4年連続で横浜を訪れています。

2020年(令和2年)以降はコロナ禍のためにオンライン開催を基調としています。2022年(令和4年)もオンラインイベントを主としているものの、部分的にリアル開催を取り入れており、この日の図書館総合展カンファレンスin機械振興会館は約3年ぶりとなるリアル開催のイベントです。

 

機械振興会館は東京タワーのすぐ隣にあり、地下1階には専門図書館BICライブラリが入っています。BICライブラリは長年の活動が評価され、2022年(令和4年)のLibrary of the Yearではライブラリアンシップ賞を受賞する予定です。港区内の公共/専門図書館群や、日本全国の専門図書館の連携を主導しており、専門図書館の横断検索サービスであるdlib.jpの運営にも関わっています。

(写真)機械振興会館の隣接地にある東京タワー。

 

2. ブース「ウィキペディア展覧会」

カンファレンスの中心は多目的ホールで行われる基調講演や図書館紹介です。ホールの周囲には企業などのブースが配置され、ブースのひとつとして「ウィキペディア展覧会」が出展しました。私はブース内のノートPCで「機械振興会館 - Wikipedia」「BICライブラリ - Wikipedia」やの編集デモンストレーションをし、ブースに来られた方にWikipediaに関する説明なども行いました。公共図書館の方だけでなく、専門図書館の方、学校図書館の方、図書館に関わる業界で働いている方など、様々な方が参加するのが図書館総合展であり、Wikipediaと図書館の相性の良さを知らなかった方にも説明できた点で意義のあるブース出展でした。

 

かつてBICライブラリでは何度もウィキペディア編集イベントが開催されており、Wikipedia機械振興会館」「BICライブラリ」はこれらのイベントで作成された記事です。イベントの参加者が書いてくれた内容を尊重しつつ、足りない部分を補う意識で編集を行いました。なお、出典となる文献についてはBICライブラリに準備を依頼しています。

(写真)ブース「ウィキペディア展覧会」。

 

2.1 Wikipedia機械振興会館」の加筆

イベント前のWikipedia機械振興会館」の記事はこのような感じ。定義文が長くて理解しづらいと感じたため、2つの文章に分けて簡潔にしました。また、フロア案内節を設けて入居団体を列挙することで、工業系の業界団体が多数入居しているという特徴をイメージしやすくしています。

沿革節が建設の経緯までで終わっているのが気になったため、沿革節を構想、開館の経緯、開館後の3節に分け、構想から建設にかけての流れを文章にしました。文章の加筆だけでなく、カンファレンスの会場である多目的ホールの写真を撮って貼りました。椅子が並べられているだけで無人に見える写真は、カンファレンスの昼食休憩時に撮影したものです。加筆時には別館の存在に気付いたため、隣接地にある別館の写真も撮って貼っています。

WikipediaBICライブラリ」は2017年5月に、「機械振興会館」は2018年12月に作成された記事ですが、機械振興会館の記事にはBICライブラリへのリンクがありませんでした。執筆に集中している参加者は気づきにくい点なので、イベントの講評時などに講師がリンクを追加してあげると良かったと思います。

加筆後のWikipedia機械振興会館」の記事はこのようになりました。

(左)無人に見える多目的ホール。カンファレンスの昼食休憩時。(右)加筆中に存在に気付いて撮りに行った別館。

 

2.2 WikipediaBICライブラリ」の加筆

イベント前のWikipediaBICライブラリ」の記事はこのような感じ。沿革節、特徴節、サービス節の3節で構成されていたため、この3節の内容をそれぞれ膨らませていきました。

 

まずは沿革節。1957年(昭和32年)まで遡ることができる歴史の長い図書館なので、全体的に沿革節のボリュームを増やした上で、特に2011年(平成23年)にBICライブラリとしてリニューアルした後の記述を増やしました。

ビジネス支援サービスの開始や積極的な情報発信の開始など、サービス面で大きな変化があったのが2011年(平成23年)です。また、Library of the Yearの授賞理由である、港区内の公共/専門図書館群の連携や、日本各地の専門図書館の連携に取り組むようになったのも2011年(平成23年)以後のことですが、イベント前の時点ではこれらの記述がありませんでした。

専門図書館なので当然ではありますが、BICライブラリは機械産業に関する資料や社史が多いという特徴があります。また、日本十進分類法を採用せずに独自分類「機械振興協会分類」を採用している点も大きな特徴です。特徴節には実際の分類を示し、また書架の写真も載せることで、独自分類についてイメージしやすくしました。

 

この2022年(令和4年)4月には会員でなくても館外貸出を可能とするサービスの変更がありました。また、今年秋にはLibrary of the Yearでライブラリアンシップ賞を受賞することが決定しています。これら近年の動向についても記述しました。

加筆後のWikipediaBICライブラリ」の記事はこのようになりました。

(左)独自分類について説明するための写真。(右)機械工業関係の雑誌が多いことを説明するための写真。

 

2.3 編集記事

BICライブラリ - Wikipedia(加筆) - 私(User:Asturio Cantabrio)

機械振興会館 - Wikipedia(加筆) - 私(User:Asturio Cantabrio)

図書館総合展 - Wikipedia(加筆) - User:漱石の猫

ja.wikipedia.org