(写真)羽島市歴史民俗資料館・羽島市映画資料館。竹鼻朝日館をモチーフとする南面。2019年12月。
2021年(令和3年)11月、岐阜県羽島市の羽島市歴史民俗資料館・羽島市映画資料館を訪れました。「羽島市歴史民俗資料館・羽島市映画資料館を訪れる(1)」からの続きです。
1. 羽島市映画資料館
2階の映画資料室には、6台(8台)の映写機を核とする多数のノンフィルム資料や、かつてこの地にあった映画館「竹鼻朝日館」に関するコーナーがあります。
(写真)映画館の座席。
(写真)各地の映画館から寄贈された映写機。
1.1 知立第一劇場(愛知県知立市)
愛知県知立市にあった映画館「知立第一劇場」(1955年開館-1994年閉館)からは、劇場用映写機2台、映写機用レンズ、放送用スピーカー・映写用スピーカー、フィルム巻取機、シリコン整流器などが寄贈されています。
(写真)知立第一劇場で使用されていた劇場用映写機。1955年ニチオン製。
(写真)竹鼻朝日館と知立第一劇場で使用されていた映写機用レンズ。興和プロミナー製。
(写真)知立第一劇場で使用されていた放送用スピーカーと映写用スピーカー。
(写真)知立第一劇場で使用されていたフィルム巻取機。
(写真)知立第一劇場で使用されていたシリコン整流器。1971年製。
1.2 弥富館(愛知県弥富市)
愛知県弥富市にあった映画館「弥富館」(1950年代初頭開館-1970年代初頭閉館)からは、劇場用映写機2台などが寄贈されています。弥富館の閉館は羽島市映画資料館の開館よりかなり早いのですが、跡地には屋根付駐輪場「マルヨシ自転車置場」として映画館の建物が残っています。(参考 : 弥富市の映画館 - 振り返ればロバがいる)
(写真)弥富館で使用されていた劇場用映写機。1953年スターレックス製。
(写真)弥富館の館内。
1.3 森盛会館(長野県根羽村)
長野県下伊那郡根羽村にあった映画館「森盛会館」(しんもりかいかん、1953年開館-1965年閉館)からは、劇場用映写機2台などが寄贈されています。1947年(昭和22年)に製造された映写機は知立第一劇場や弥富館のものより古く、産業遺産データベースにも掲載されているそうです。
(写真)森盛会館で使用されていた劇場用映写機。1947年ローヤル製。
森盛会館には根羽村の住民以外にも、平谷村、愛知県北設楽郡稲武町、岐阜県恵那郡上矢作町からも観客が訪れたそうです。1965年(昭和40年)の市川崑監督作『東京オリンピック』を最後に閉館し、その後は建設資材倉庫として使用されていました。
森盛会館の取り壊しと羽島市映画資料館の開館が同時期だったこともあり、映写機・整流器・資料などが寄贈されています。取り壊し前には『南信州新聞』に記事も掲載されており、比較的恵まれた境遇の映画館だったといえるのでは。
(写真)森盛会館の外観。取り壊し間際の1995年8月20日撮影。※著作権は切れていません。
(写真)「日本映画のよき時代支えた さよなら『森盛会館』映写機など公共施設へ 近く取り壊し 根羽」『南信州新聞』1996年7月5日
1.4 その他の展示資料
(写真)岐阜土地興業で使用されていた移動用映写機。シンキョー製。
(写真)移動用16mm映写機。1956年エルモ製。
(写真)ロイヤル劇場で使用されていたロングリール。
(写真)開館時の記録。俳優の丹波哲郎が一日名誉館長。
1.5 竹鼻朝日館コーナー
映画資料室の中にはかつてこの地にあった映画館「竹鼻朝日館」コーナーがあり、竹鼻朝日館で使用されていた座席などが展示されています。このほど羽島市映画資料館を訪れたのを機に、2021年11月28日には「竹鼻朝日館 - Wikipedia」のウィキペディア記事を作成しました。
(写真)竹鼻朝日館コーナー。
(写真)竹鼻朝日館の模型。
(写真)取り壊し前の竹鼻朝日館。
(写真)戦前の竹鼻朝日館で使用されていた大太鼓と貸傘。
(写真)戦前の竹鼻朝日館で使用されていた貸火鉢。
(写真)竹鼻朝日館の座席。
(写真)竹鼻朝日館で使用されていた料金表。時期不明。
(写真)竹鼻朝日館の資料。