(写真)こざかい葵風館。
2021年(令和3年)10月、愛知県豊川市のこざかい葵風館 - Wikipedia(きふうかん)を訪れました。2021年5月2日にオープンした施設であり、豊川市小坂井図書館の新館が入っています。
1. 豊川市小坂井図書館
1.1 図書館の歴史
宝飯郡小坂井町時代、1972年(昭和47年)に小坂井町生涯学習会館が竣工し、上階の一部に小坂井町中央公民館図書室が開館しました。
2010年(平成22年)に小坂井町が豊川市に編入されたことで豊川市小坂井図書室に改称。2013年には豊川市小坂井図書館に改称し、建物はそのままながら "図書館" になっています。
(写真)豊川市小坂井図書館の旧館があった豊川市小坂井生涯学習会館。取り壊し中の2021年10月。
豊川市への編入地域にある4分館のうち、際立って古い建物にあったのが小坂井図書館でした。2010年代には支所・図書館・児童館・生涯学習施設を内包する複合施設の建設が計画され、2021年(令和3年)5月2日にこざかい葵風館が開館しました。建物の設計はシーラカンスアンドアソシエイツです。
2021年(令和3年)10月にこざかい葵風館訪れた際、小坂井図書館の旧館が入っていた豊川市小坂井生涯学習会館は取り壊し工事の最中でした。小坂井生涯学習会館の南東隣には1932年(昭和7年)建築の旧小坂井町郷土資料館(旧青年学校)がありましたが、こちらはすでに更地となっていました。
(写真)こざかい葵風館。2021年10月。
1.2 建物の外観
こざかい葵風館の名称の由来は、徳川家の家紋である三つ葉葵、菟足神社の風まつりの二つだそうです。遠くから見ると壁紙のように見える外装材、近くから見ると細かく穴が開けられているのがわかりますが、こちらは小坂井地区の郷土玩具である風車がモチーフだそうです。
(写真)こざかい葵風館。2021年10月。
(写真)こざかい葵風館。開館当初の2021年5月。
1.3 1階:支所・児童館など
1階には豊川市小坂井支所や豊川市こざかい児童館などが入っており、中央部は2階までの吹き抜けとなっています。
(写真)1階。左奥が支所、右手前が児童館。2021年10月。
(左)1階。休憩スペース。2021年5月。(右)菟足神社の風まつりで出される山車の模型。2021年10月。
1.4 2階:図書館など
2階には小坂井図書館や小坂井生涯学習センターがあります。小坂井図書館は2階の一部だけですが、ブックディテクションシステム(BDS)は図書室の入口ではなくフロアと階段の間に設置されていました。
図書室の外には閲覧席のようなスペースがあり、図書室で選んだ本をこのスペースで読むことを想定しているようです。こざかい葵風館の開館前には何度も市民向けワークショップが行われており、ワークショップで出された意見かもしれません。
(写真)2階のフロアマップ。2021年5月。
(写真)2階のフロア入口。奥が小坂井図書館。2021年5月。
(写真)吹き抜け。奥が小坂井図書館。2021年10月。
(写真)図書館の閲覧席としての役割も持つ「中庭ラウンジ」。2021年5月。
(写真)雑誌コーナー。2021年10月。
(写真)Wi-Fiなどの説明。2021年5月。
基本設計の段階ではすべての書架が壁面と平行に置かれていましたが、開館時には一般書の書架は斜めに配置されており、カウンターから図書室の大部分が見通せるようになっています。「図書館内撮影禁止」という貼り紙がありました。
カウンターの奥左手には学習室としての使用が想定される閲覧席がありますが、わざわざ図書室内に設置する必要があったのか疑問です。
(写真)小坂井図書館のフロアマップ。2021年10月。
(左)図書館内撮影禁止の貼り紙。2021年10月。(右)図書館の入口。2021年10月。