(写真)今川町2丁目の街並み。
2020年(令和2年)10月、愛知県刈谷市を訪れました。旧東海道沿いに古い民家が残っており、刈谷市がパンフレット「歴史の小径 東海道」を発行しています。名鉄名古屋本線富士松駅から南に向かって歩きました。
(写真)密度が濃かった1960年代の東海道。
(地図)1893年の陸地測量部1:20000地形図。
1. 今川町
乗蓮寺(今川町2丁目602)
乗蓮寺(じょうれんじ)は真宗大谷派の寺院。今川町と今岡町にある3寺院の中で、本堂が東海道を向いているのは乗蓮寺だけ。境内はややこじんまりとしていますが、山門と本堂の両方が本瓦葺なのも乗蓮寺だけです。「乗蓮寺のスダジイ」は樹齢約800年、樹高約10メートル、幹周り約6.1メートルで、刈谷市指定天然記念物に指定されています。運が良ければ境内で三毛猫に会えます。
今川町1丁目・2丁目の民家
早川邸(今川町2丁目)。東海道を南北に分断している愛知県道282号のすぐ南側。
杉山邸(今川町2丁目)。東海道を南北に分断している愛知県道282号のすぐ南側。
塚本K邸(今川町1丁目)。名鉄名古屋本線富士松駅から東海道に出る場所にある塚本K邸は、東海道の街並みに配慮して建て替えられた民家のようです。同じく今川町1丁目にある加塚邸も、街並みに配慮して2010年代に建て替えされています。
塚本T邸(今川町2丁目)。
有限会社彌平(やへい、今川町2丁目)は木製建具の製造・施工・修繕などを行っているそうです。
加塚邸(今川町1丁目)。
岡田邸(今川町2丁目)。
2. 今岡町
乗願寺(今岡町西畑61)
乗願寺(じょうがんじ)は真宗木辺派の寺院。洞隣寺の7年後の天正15年(1587年)創建。当初は地蔵寺と称し、表向きは浄土宗、実態は浄土真宗の寺院だったそう。新しそうな本堂には刈谷城主(誰かは不明)の位牌が祀られているようです。
愛宕山(今岡町宮本)
この地にあった榎を切り倒した際に歯痛に苦しんだ若者が、京都から愛宕神社の分神を祀ったことで愛宕山と呼ばれるようになった地点。東海道よりわずかに高くなっています。
ひもかわうどん発祥地(今岡町日向)
江戸時代前期の『東海道名所記』(浅井了意)や江戸時代後期の『東海道中膝栗毛』(十返舎一九)に見える「芋川うどん」(ひもかわうどん)の発祥地がこの地であるとする木碑。
洞隣寺(今岡町日向14)
洞隣寺(とうりんじ)は曹洞宗の寺院。天正8年(1580年)創建とのことで、東海道沿いに町が生まれたのと同時に建てられたのでしょう。2020年(令和2年)竣工の本堂がまぶしい。台地の縁にあることから眺望がよく、広い境内を持て余しているようにさえ感じます。墓地には「中津藩士の墓」「めったいくやしいの墓」などの史跡があり、境内の入口には寛政8年(1796年)建立の常夜燈があります。
十王堂(今岡町新町)
今岡町宮本・日向・新町の民家
近藤製麺所(今岡町宮本)。
藤田邸(今岡町宮本)。
小川邸(今岡町日向)。
井上邸(今岡町日向)。
澤田邸(今岡町新町)。