(写真)下常吉にある辻地蔵のひとつ。
2020年5月3日(日)、京都府京丹後市大宮町下常吉で開催された「ZIZOTOWN2 ウィキペディアタウン下常吉」に参加しました。
1. イベント概要
1.1 ZIZOTOWNとは
京丹後市大宮町にある常吉(つねよし)地区は、上常吉(かみつねよし)と下常吉(しもつねよし)に分かれています。2回目のZIZOTOWNである今回は下常吉の地区そのものや史跡が編集対象となりました。
毎年11月23日には上常吉で「平地地蔵の蓑着せ」という民俗行事が行われます。直近の開催日である2019年11月23日には、上常吉のつねよし百貨店で「ZIZOTOWN ウィキペディアタウン常吉」が開催され、上常吉地区全体の記事である上常吉 - Wikipediaに加えて、上常吉に所在する経典寺 - Wikipedia、平地地蔵 - Wikipedia、冨持神社 - Wikipedia、白滝不動堂 (京丹後市) - Wikipediaと、計5記事を作成されました。また、イベントの約1年前には主催者であるedit Tangoのメンバーによって、つねよし百貨店 - Wikipediaの記事も作成されています。イベント後にはつねよし百貨店内などに各記事のQRコードが掲示され、簡単に地元の史跡の情報に触れることができるようになりました。
上常吉を歩いた前回イベントは平地地蔵が主要な題材だったことからZIZOTOWNというイベント名になりました。下常吉にも個性的な辻地蔵が複数あり、また山中に88体の地蔵が並べられた八十八ヶ所巡りがあることもあって、前回イベントを踏襲したZIZOTOWN2というイベント名が付けられています。
1.2 スケジュール
上常吉にあるつねよし百貨店に集合すると、ウェブ会議アプリ「Zoom」を活用して会場の音声やパソコン画面の配信を行いつつ、上常吉/下常吉地区の紹介や前回イベントの紹介が行われました。その後は午前中に下常吉の散策を行い、午後に文献調査やWikipedia編集を行っています。
09:30 開始
09:30-10:15 上常吉/下常吉の紹介、前回イベントの紹介(つねよし百貨店)
10:15-11:30 下常吉の現地調査(徒歩)
11:30-12:30 昼食休憩(つねよし百貨店)
12:30-15:40 文献調査・Wikipedia編集(つねよし百貨店)
15:40-16:00 成果発表・講評(つねよし百貨店)
16:00 終了
(写真)つねよし百貨店の店内。
2. 下常吉を訪れる
京丹後市は京都府北部の丹後半島にある自治体。京丹後市大宮町は内陸の峰山盆地にあり、常吉地区は峰山盆地の最南端に位置しています。
竹野川の支流である常吉川に沿って小規模な平地が形成されており、京都府道76号野田川大宮線が常吉川に並行しています。標高70-80mの府道沿いに常吉駐在所やつねよし百貨店があり、標高90-100mの山際に下常吉・上常吉の集落が形成されています。周囲の山々の標高は200-300mであり、常吉地区の南西には丹後半島でもよく知られる磯砂山 - Wikipediaがそびえています。
(地図)京阪神における京丹後市の位置。©OpenStreetMap contributors
3. 下常吉を歩く
参加者はつねよし百貨店から車に乗り合わせ、下常吉公民館から歩きました。まずは常林寺を訪れて地蔵尊を確認し、地区内に5体ある辻地蔵、庚申堂、薬師堂などを巡ってつねよし百貨店に戻りました。散策中はスマホのOSMTrackerでGPSログを取り、史跡の位置や八十八ヶ所巡りの散策路の経路をOpenStreetMapに登録しています。
(写真)下常吉。
(写真)1970年代の下常吉の航空写真。耕地整理前。地理院地図
(地図)現在の下常吉の地図。©OpenStreetMap contributors
地蔵尊 八十八ヶ所巡り
常林寺の裏手の山中には1918年(大正7年)に八十八ヶ所巡りが整備され、150mほどの散策路上に88体の地蔵尊が祀られています。トタン製や石製の屋根で囲われた地蔵尊もあれば、風雨にさらされて頭が折れてしまっている地蔵尊もありました。下常吉にある家ごとに1体ずつ地蔵尊を管理しているのでしょうか。
(写真)常林寺。漱石の猫 - CC BY-SA 4.0
(写真)地蔵尊 八十八ヶ所巡り。
5体の辻地蔵
下常吉に5体ある辻地蔵はいずれもチョークで彩色されており、毎年8月の地蔵盆の時期に塗り直されるようです。黒色の縁取り、ユーモラスな表情、味のある文字などが現代アートのようにも思え、新鮮な印象を受けました。
(左)下常吉区備品倉庫の横にある辻地蔵。(右)天谷川に架かる天谷橋の横にある辻地蔵。
(左)常吉駐在所の横の辻地蔵。(右)常吉川の東側唯一の辻地蔵。
4. Wikipediaを編集する
4.1 コロナ対策
上常吉にある小塚製麺が製造しているつねよしうどんを食べてから、つねよし百貨店のコワーキングスペースでWikipediaの編集を行いました。コロナ対策としては、そもそも参加者数を抑えているほか、参加者全員がマスクを着用したうえで、机の上にビニールシートを張っています。つねよし百貨店の2か所の入口を開放して換気にも注意しました。常吉地区がある京丹後市大宮町のほかに、網野町や峰山町からの参加者もいました。
(写真)ビニールシートを張ったコワーキングスペース。
4.2 編集記事
2020年2月以降のコロナ禍の影響で、京丹後市立図書館や京都府立図書館は臨時休館中でしたが、休館前などに文献を集めてくださったようです。ウィキペディアイベントに何度か参加したことのある参加者ばかりだったため、自分の興味を持った題材の記事を1人1記事編集しました。
私は下常吉 - Wikipediaの新規作成を担当しましたが、『角川日本地名大辞典 26 京都府 下巻』と『大宮町誌』を中心に、『大宮町の統計 第2次大宮等総合計画後期策定資料編』、『大宮町遺跡地図』、『大宮 みちゆくこまち 京都府大宮町記念誌』などを使って投稿しました。
下常吉 - Wikipedia - 新規作成
常林寺 (京丹後市) - Wikipedia - 新規作成
天神神社 (京丹後市大宮町下常吉) - Wikipedia - 新規作成
磯砂山 - Wikipedia - 加筆