振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。図書館におけるウィキペディアタウンの開催を推進しています。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

瑞穂市図書館を訪れる

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(写真)瑞穂市図書館「楽修館」。

 

2019年11月、岐阜県瑞穂市瑞穂市図書館を訪れました。

 

瑞穂市を訪れる

岐阜市大垣市に挟まれた地域にある瑞穂市は、2003年(平成15年)に本巣郡巣南町と穂積町が合併して誕生した自治体。合併前の1998年(平成10年)に開館した穂積町立図書館が合併にともなって瑞穂市図書館となりました。なお、巣南町巣南町立図書館の建設を計画していましたが、巣南町時代の開館は間に合わず、合併後の2004年(平成16年)に瑞穂市図書館分館として開館しています。

JR東海道本線穂積駅に降り立つと、目立つ位置に「瑞穂市は富有柿発祥の地」と書かれた柿が乗った郵便ポストがありました。中心駅はJR穂積駅(ほづみ)なのに瑞穂市(みずほ)とは本当にややこしい。

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(地図)愛知県名古屋市から見た岐阜県瑞穂市の位置。©OpenStreetMap contributors

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(左)JR東海道本線穂積駅。(右)柿が乗った郵便ポスト。

 

JR穂積駅から歩いて10数分の場所に建設されたのが瑞穂市図書館「楽館」(がくしゅうかん)です。明治時代の地形図を見ても、穂積村は大きな町という雰囲気はしませんが、工場の地図記号があるのは気になりました。瑞穂市長良川揖斐川という大河川に挟まれた地域であり、穂積駅から図書館までの間に長良川水系の中川を越えます。

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(地図)明治時代と現在の瑞穂市中心部の地形図。今昔マップ on the web

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(写真)瑞穂市街地を流れる中川と親水公園。



瑞穂市図書館「楽修館」

瑞穂市図書館の大屋根部分は主に一般開架室、円錐状の屋根部分は児童開架室です。外観は1990年代の町立図書館の典型例である、茶色い壁面に曲線を多用した緑色の屋根です。

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(写真)瑞穂市図書館「楽修館」。左の円錐状の部分は児童書。

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(写真)図書館入口。図書返却ポストにはシンプルに「時間外返却口」とだけ書かれている。

 

1階:一般開架、児童開架

1階は向かって右側に一般開架室が、向かって左側に児童開架室があり、中央にカウンターや新着所・テーマ展示の書架があります。一般開架室は2層分の高さがあり、また中央部には低い書架が配置されているため、とても開放的な印象を受けます。

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(写真)一般開架室。

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(写真)一般開架室。

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(写真)立派な畳コーナー。

 

2階:郷土・参考資料、展示コーナー

2階には展示コーナーがあり、企画展「文化財に親しみ、未来へ伝える」という題のぼやっとした企画展を開催していました。富有柿の生みの親である福嶌才治についての展示が興味深かった。福嶌は明治末期に富有柿を生み出し、遠くは九州や東北から、また朝鮮からも穂木の注文が殺到したそうです。展示コーナーは撮影禁止でした。

常設コーナーとしては小説家の「豊田穣コーナー」がありました。豊田は1920年大正9年)に満州に生まれ、1930年(昭和5年)に郷里の本巣郡本田村(後の本巣郡穂積町、現在の瑞穂市)に帰郷、この地で本田尋常高等小学校と本巣中学校を卒業して海軍兵学校に入学したそうです。

開館2年後の2000年(平成12年)8月には郷土資料コーナーに「治水関係資料コーナー」が設置されたとのことですが見落としました。建設省木曽川上流工事事務所が資料を "寄託" して設置されたコーナーで、瑞穂市は事務所に関連する33市町の中心にあることで寄託先になったとのことです。

 

瑞穂市図書館公式サイトを見ても、これらの常設コーナーや企画展に関する情報を得ることはできません。落ち着いた館内と言えば聞こえはいいですが、館内を歩いても1998年(平成10年)から時間が止まっているかのような印象を受けました。

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(写真)2階のキャレル席と1階の一般開架。

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(左)展示コーナー。(右)豊田穣コーナー。