振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

犬山市立図書館を訪れる

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(写真)犬山市立図書館。

 

 2019年1月、愛知県犬山市犬山市立図書館を訪れました。

犬山市を訪れる

犬山市は愛知県有数の観光地。国宝の犬山城博物館明治村、リトルワールド、日本モンキーパーク/日本モンキーセンターなど多数の観光スポットを抱えています。名鉄犬山駅から犬山城までは徒歩15分程度であり、城下町の雰囲気が残る本町通りは観光客でにぎわっています。

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(地図)犬山市の位置。©OpenStreetMap contributors

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(写真)犬山市役所。2009年完成。

 

犬山城と城下町の間には、2012年にリニューアルした犬山市文化史料館があります。犬山城下町の模型や、破損した犬山城の鯱瓦が展示されていました。犬山城天守にある鯱瓦の片方は2017年夏に落雷で破損しため、新たに焼き直したうえで2018年に2月に取り付けたのだそうです。

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 (写真)犬山市文化史料館。(中)犬山城下町の模型。(右)犬山城の鯱瓦。

 

犬山市文化史料館の南にある犬山市福祉会館は2020年3月閉館予定。5階建てのビルが城下町の景観を損ねているとして批判の対象になっているようです。1970年竣工の歴史ある建物であり、1990年に犬山市立図書館が開館するまではこの建物に図書室があったとのこと。20年間もこの町の主要な図書施設だったということで、取り壊される前に入ってみました。犬山市社会福祉協議会が運営する「おもちゃ図書館」なる部屋や、犬山城に関する史料を保管する「犬山城白帝文庫」なる部屋があります。

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 (写真)2020年3月閉鎖予定の犬山市社会福祉会館。(中)おもちゃ図書館。(右)犬山城白帝文庫。

 

本町通りの南側部分には下本町防災ビル(防災共同ビル)という古めかしいビルがあり、建物の1階部分は商店街になっています。愛知県では蒲郡駅前などに残っているアレのことを防災建築街区というのだそうで、下本町防災ビルは1961年施行の防災建築街区造成法に基づいて1965年に建設されたみたい。下本町防災ビルがある周辺は、かつては犬山銀座と呼ばれるほどにぎわったそうですが、今は写真のとおり歩行者もいません。「本町」交差点を挟んだ北側は歩きづらいほど観光客が多いのが嘘のようです。

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 (写真)下本町防災ビル。

 

犬山市立図書館を訪れる

犬山市立図書館には3度訪れています。2016年7月に訪れた時は曇り空でしたが、2017年12月には青空の下で写真を撮ることができました。これを機に「犬山市立図書館 - Wikipedia」を作成しましたが、この2019年1月にはよりきれいな写真を撮ることができ、Wikipedia記事のトップ写真を変更しています。

犬山市立図書館は1990年開館の現行館が初代です。当時の愛知県には30市があり、図書館を持たない唯一の市が犬山市だったそうです。設計は和(やまと)設計事務所。2016年には館内での写真撮影の可否を尋ねましたが、副館長(?)さんに「館内での撮影はできない」と言われました。

1階中央部は2階層分の吹き抜けになっています。2階は吹き抜けを挟んで片方には書架が置かれており、もう片方には学習室などがあります。1階の天井が低いため、1階から見上げた2階の開架書架部分に不思議な印象を抱きました。この写真などがわかりやすい。

日本モンキーセンター京都大学霊長類研究所があることで、1993年には郷土資料コーナーの一角に「サル文庫」が設置されました。戌年の2018年正月にはその隣に「犬文庫」も設置され、公式サイトでは犬文庫へのアクセス方法を写真付きで紹介するほどの力の入れようです。1年間限定の特設コーナーかと思ったのですが、2019年になっても犬文庫は撤去されていません。犬山市は名称に「犬」が付く全国唯一の自治体だそうです。

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(左)2016年7月撮影。曇天で建物がきれいに見えない。(中)2017年12月撮影。晴れてるけど夕方だった。(右)2019年1月撮影。完璧な天気。

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(写真)Wikipedia犬山市立図書館」。

 

犬山市の映画館

映画黄金期の犬山市には3館の映画館があったようです。犬山駅前の桃劇は1980年代後半まで残っていたようですが、『犬山・江南の今昔』(郷土出版社)と『昭和30年代 犬山昔ばなし』(自費出版)しか言及している文献を見つけられませんでした。犬山市立図書館でレファレンスしたところ、司書さんも何も見つけらなかったのですが、一人の司書さんは子どものころに桃劇に入館した記憶がありました。

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桃劇(1950年代前半-1980年代後半)

桃劇の読みは「とうげき」だが、桃劇場や桃太郎劇場とも呼ばれる。犬山市最後の映画館。犬山市で初めてエスカレーターを導入した建物という話も。跡地は2004年竣工の住宅型有料老人ホーム「リッチライフOASIS犬山」。10階建てなので犬山駅前で目立つ。

 

山東映/犬山映画劇場(1947年-1970年代中頃)

本町通りの南端からすぐ。跡地は「名古屋教育学院」という日本語学校の北側にある駐車場。

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(写真)犬山映画劇場の跡地。左の駐車場。

 

ライン映画劇場(1943年-1970年頃)

観光客でにぎわう本町通りから東にそれた場所、人通りも少ない住宅街にあった。跡地は民家。

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 (写真)ライン映画劇場の跡地。中央の民家の場所。