振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

志摩市立図書館を訪れる

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(写真)庭園越しに見た志摩市立図書館。

 

阿児町鵜方を訪れる

 2019年3月、三重県志摩市を訪れました。 

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(地図)三重県志摩市の位置。©OpenStreetMap contributors。

 

志摩市は2004年(平成16年)に浜島町大王町志摩町阿児町磯部町の5町が合併して発足した市。志摩市役所や志摩市立図書館は阿児町鵜方(あごちょううがた)にあり、志摩市の中心となるのが近鉄鵜方駅のようです。

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(写真)近鉄志摩線鵜方駅。バス乗り場などがある南口。

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(地図)阿児町鵜方の中心部。地理院地図

 

鵜方駅でバス乗り場やタクシー乗り場があるのは南口。南口正面には古びた3-5階建てのビル群があり、人工的に築かれた町並みの匂いを感じました。「阿児町鵜方 - Wikipedia」を読むと、1960年代には「約6haの水田が埋め立てられ、東西300mに及ぶ近代的なビル街が出現した」のだそうです。現在は歯抜けになっていますが、当時の町民や観光客は驚いたのではないでしょうか。なお、このWikipedia記事を書いたのは有名なMiyuki Meinakaさんです。

1960年代の航空写真を見ても駅南側には水田が広がっているばかりですが、上記の記述からこの航空写真は1966年以前ということがわかります。南口からは志摩市の各地区に向かうバスが発着しており、またテーマパークの志摩スペイン村に向かうバスも発着しています。

鵜方駅北口には、線路と並行してさびれた商店街が広がっています。商店街通りと並行して北側にある通りが昔の街道でしょうか。石積みやコンクリート塀で敷地を囲っている民家が多い。街道のさらに北側には志摩市立鵜方小学校があり、この場所はかつて鵜方城があった場所だそうです。

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(左)鵜方駅南側の街並み。3-5階建てのビル群。(右)鵜方駅北側の街並み。さびれた商店街。

 

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 (写真)鵜方の旧市街地。旧街道と思われる道。

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 (写真)鵜方の旧市街地。中央は志摩市立鵜方小学校。

 

阿児町鵜方の映画館

 近鉄鵜方駅のすぐ西側には志摩国際劇場という映画館がありました。1995年のゼンリン住宅地図には鵜方国際劇場(志摩国際劇場ではない)として掲載されており、2000年の映画館名簿にもまだ志摩国際劇場の名前があります。人口わずか2万人の旧阿児町で21世紀まで映画館が営業していたことは驚きです。晩年は成人映画館だったのではないかと思われますが、ウェブではまったく言及がないのでわかりません。

住宅地図以外では『阿児町商工会四十年の歩み』(2001年)で名前が確認できただけ。どんな映画館だったのか気になります。2019年3月時点では建物が現存しており、入口の扉やその隣のシャッター部分は映画館の面影を残しています。なお、志摩市の映画館について調べたことは「三重県の映画館 - 消えた映画館の記憶」に掲載しています。

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(左)志摩国際劇場。鵜方駅のホーム西端部が見える。(右)志摩国際劇場の入口。

 

志摩市立図書館を訪れる

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(写真)正面から見た志摩市立図書館。

志摩市立図書館は鉄筋コンクリート造2階建てですが、外観には煉瓦風タイルが用いられており、東京駅を模しているそうです。ただし、なぜ東京駅を模しているのかはわかりませんでした。こじつけでもいいのでストーリーが欲しいですね。今回は館内の写真を撮りませんでしたが、こちらのブログなどでわかるように、館内も格調高さを感じさせるような設計です。

一般開架部分の天井は2層分の高さで開放感があり、重厚感ある木製の書架やソファは品があります。1991年の開館当時、阿児町の人口はわずか2万人。Wikipediaによると「総事業費は13億5658万円」とのことで、町の規模に不釣り合いなほどの施設だと感じました。

 

2004年(平成16年)の合併前には、5町のうち3町に図書館があったそうですが、この図書館(旧・阿児町立図書館、現・志摩市立図書館)以外の2館は図書室に格下げされたようです。志摩市立図書館の郷土資料は、5町それぞれの資料ごとに分けて並べられていました。

2013年(平成25年)には三重県で初めて電子書籍の貸出を開始。英虞湾に面する志摩市は大きな平地が少なく、中小規模の地区が点在しています。地理的な制約から図書館に来るのが難しい市民は多いと思われ、電子書籍をいち早く取り入れたのは素晴らしい取り組みです。

なお、志摩市立図書館は2019年度に大規模改修工事を行うため、2019年(平成31年)4月1日から2020年(平成32年)4月末までの約1年間は利用できません。

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(写真)志摩市立図書館のベランダ。

 

参考文献

「特集 志摩市立図書館」志摩地域みっちゃく生活情報誌『さみっとくらぶ』2018年10月号

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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