振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

鳥羽市立図書館を訪れる

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(写真)鳥羽市立図書館。

2019年(平成31年)3月、三重県鳥羽市を訪れました。鳥羽市立図書館に立ち寄ってから伊勢湾に浮かぶ神島を訪れました。

※2024年2月には本記事から「鳥羽市の映画館」を分割しました。

 

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1. 鳥羽市を訪れる

鳥羽市は志摩地方の中心都市であり、近世には鳥羽藩の城下町だったものの、人口は1.8万人にすぎません。南勢の主要都市である伊勢市が隣接してあり、伊勢市定住自立圏に組み込まれているようです。

鳥羽市には鳥羽水族館ミキモト真珠島などの観光スポットがあります。有人島の離島として菅島、答志島、坂手島、神島があり、三河湾の3島と同様に手軽に行ける離島観光地となっています。

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 (地図)鳥羽市の位置。©OpenStreetMap contributors。

 

2. 鳥羽市立図書館

近鉄・JR鳥羽駅から南に2.3km、安楽島大橋で加茂川を超えた先には、鳥羽市域で数少ない大きな平地が広がっています。この平地に鳥羽中央公園、鳥羽市民の森公園、三重県鳥羽高校などがあり、鳥羽市民の森公園の中に鳥羽市立図書館があります。1960年代の航空写真を見ると、この平地は堤防でせき止められた池だったようにも見えます。

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(左)1960年代の航空写真。(右)現在の地形図。いずれも地理院地図。

 

2.1 図書館の館内

鳥羽市立図書館 - Wikipediaは2階建てですが、開架はすべて1階にあるワンフロア型の図書館。入って正面にカウンターがあり、左手に一般図書エリアが、右手に児童図書エリアが、右奥に郷土資料室があります。

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(写真)一般書の書架。

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 (写真)一般書の書架。

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(写真)一般書の書架。

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 (写真)中国資料コーナー。「謙譲以人交期初志貫徹 谷口俊郎書」とある。

 

無駄に広いAVコーナーやパーテーションで仕切った展示コーナーの使い方はやや奇妙であり、他の公共施設からの転用かとも思ったのですが、1988年(昭和63年)に図書館として建てられた建物のようです。

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 (写真)AVコーナー。

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(写真)展示コーナー。

 

2.3 郷土資料

この図書館の特色を強いて挙げるなら江戸川乱歩コーナーでしょうか。乱歩は鳥羽市に居住していたことがあり、また乱歩の妻は鳥羽市の坂手島出身だそうです。鳥羽市街地には資料館の「江戸川乱歩館~鳥羽みなとまち文学館~」がありますが、図書館とうまく連携できていればよいですね。なお、三重県内でも名張市立図書館には鳥羽市立図書館より大きな江戸川乱歩コーナーがあります。

自治体規模や図書館の規模を考えれば、鳥羽市立図書館の郷土資料室は大きいです。ただし、観光業(鳥羽水族館ミキモト真珠島)や養殖業(カキや真珠)などの産業についての文献/展示が目立っているわけではありませんでした。

地元の方にとっては "いまさら説明されるまでもない" のだろうし、図書館ではなく博物館/資料館等で行っていることなのでしょうが、市外から訪れた図書館見学者としては産業も重視してほしいです。

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 (写真)郷土資料室前の江戸川乱歩コーナー。

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(写真)郷土資料室。

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 (左)児童雑誌コーナーとおはなし室。(右)児童図書エリア。

 

3. 鳥羽市街地を歩く

昼間に訪れた神島から戻った後、鳥羽市中心市街地を散策しました。市街地の中心には標高約40mの鳥羽城跡があり、その北西側・西側・南側に市街地が形成されています。鳥羽城跡北側の妙慶川は埋め立てられずに残っており、相橋は近世と同じ位置に架かっているようです。

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(左)『鳥羽城古絵図』。(右)現在の地形図を30度回転。地理院地図

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(写真)鳥羽城の堀でもあった妙慶川。

 

鳥羽城の北東側は「鳥羽市鳥羽2丁目」。鳥羽2丁目には本町通り(鳥羽街道)と大里通りという2本の通りが伸びており、現在でも飲食店やスナック/パブが多数存在。かつてにぎわった歓楽街だった雰囲気を漂わせています。1968年の住宅地図には「トルコ」や「ストリップ」と書かれた店舗がいくつも見えます。

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(写真)鳥羽市の歓楽街の地図。上が南。

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(写真)大里通り。

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 (写真)大里通り。

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 (写真)大里通り沿いにある資料館「江戸川乱歩館」。

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 (写真)本町通り。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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