振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

岡崎市立額田図書館の新館を訪れる

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このブログにおける文章・写真は クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-SA 4.0)の下に提供されています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。写真についてはCategory:Okazaki City Nukata Center - Wikimedia Commonsにアップロード済です。地図の出典はOpenStreetMapであり、その作者はOpenStreetMap contributorです。

 

岡崎市額田地区を訪れる

 岡崎市立額田図書館の旧館は2017年12月19日(火)をもって閉館。移転準備期間を経て、2018年2月13日(火)に岡崎市額田センターの中に新館が開館しました。さっそく額田センターを訪れました。

 岡崎市額田地区の鉄道最寄駅は名鉄名古屋本線本宿駅本宿駅から額田地区に向けて10便/日のバスが運行されています。朝と夕方を除けば1本/1時間以下であり、予定を立てるのが難しい。今回は本宿駅から額田地区までの5.8kmを徒歩で往復しました。片道約1時間とはいえ、本宿駅と額田地区中心部の標高差はほとんどない(起伏はある)ため、暖かい日であれば気持ちよく歩けます。

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(地図)愛知県における岡崎市の位置。岡崎市中心部と額田地区の位置関係。

 

2017年10月の訪問時

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(左)額田図書館の旧館。(右)工事中の額田センター行政棟。

 

今回の訪問時

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(左)岡崎市役所額田支所などが入る行政棟。(右)額田図書館などが入る市民交流棟。

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(左)建物入口。(右)市民交流棟の通路。図書館入口前。地元産木材が強調されている。

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(左)市民交流棟の集会室。(右)市民交流棟の研修室。

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 (左)市民交流棟の和室。(右)市民交流棟の「森の駅情報コーナー」。

 

岡崎市立額田図書館に入る

 額田町は2006年に岡崎市に編入された自治体です。合併前の岡崎市の人口は約37万人、額田町の人口は約1万人でした。合併後には額田町立図書館が岡崎市立額田図書館に改称し、岡崎市の図書館は中央図書館と額田図書館の2館体制となりました。岡崎市には図書館2館のほかに、7の地域図書室があります。

 2館体制になったとはいえ、中央図書館が693,402冊(2014年度)の蔵書を持つのに対して、額田図書館の蔵書数は48,791冊にすぎませんでした。地域図書室の中で最も規模の大きな南部市民センター図書室の蔵書数は49,568冊であり、図書館と図書室の間で蔵書数の逆転現象が起こっていました。

 さらに、単独館だった額田図書館旧館の床面積は562m2でしたが、複合施設の一角にある新館の床面積は203.35m2。新館の蔵書冊数は「約20,000冊」であり、床面積も蔵書冊数も旧館の半分以下となりました。南部市民センター図書室との差は大きく広がっています。

 

 額田図書館新館の館内は13m×16mくらいでしょうか。ざっくり言えばフロアの半分が一般書、もう半分がそれ以外(児童書・新聞雑誌)です。最奥部の閲覧席に座っていても、館内にいる他の利用者の気配が伝わってきます。カウンターからの視線も感じ取れると思われます。一方で旧館は閲覧席とカウンターにかなり距離があり、自分の居場所を作ることができました。

 2017年10月には初めて額田地区を訪れ、旧館を見学した後に地区の中心部を歩きました。中心部には商店や飲食店がほとんどなく、地図を見ても郊外にぽつぽつとある程度。中心部を歩きながらお昼ご飯を食べるところを探しましたが、結局見つからなかったのでコンビニで済ませました。わずか11年前までは単独自治体だったことが信じられず、若者がここから離れずにいるのは難しい地区だと感じました。

 新館にはティーンズ向けのコーナーはないようでした。また学習用の席は少なく、最近の新館には設置されていることの多い電源もありません。対象とする利用者層を明確にしたうえで、中高生向けの設備はあきらめたのだろうと思います。財政的には比較的恵まれた西三河地方に住んでいるので、公共施設の統廃合・ダウンサイジングはまだ感覚的に理解できず、図書館が減るなどということは他人事のように思えてしまうのですが、これからは額田図書館のような例も増えるのでしょうね。

 

 さて、肝心の額田図書館の写真は掲載できません。岡崎市立中央図書館や旧館時代の額田図書館でもそうでしたが、岡崎市立図書館は「職員の同伴のもと撮影を認めるが、SNS等へのアップロードは禁止」という対応を撮っているからです。なお、図書館以外の部分を撮影した上記の写真については、額田センターの事務室などで許可を得ていません

 新館にはいつでも行くことができますが、旧館の中にはもう入ることができません。岡崎市はきちんと写真に記録して残しているかな。残してないでしょうね。