振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

磐田市立中央図書館を訪れる

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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磐田市浜松市

 遠州を流れる大河・天竜川は、左岸に磐田原、右岸に三方原という広大な洪積台地を作った。磐田市の市街地は磐田原の上に、浜松市の市街地は三方原の上にできており、両市は天竜川を挟んで対になっている。

 浜松市立中央図書館は三方原の縁、浜松城の出丸跡に位置しており、JR浜松駅や繁華街から見ると「丘の上」にある。一方の磐田市立中央図書館は磐田原の縁の下、つまり「丘の下」(谷の底)にあり、両市の中央図書館の立地はかなり異なる。とはいえ、磐田市立図書館の前身といえる磐田文庫は見付学校の脇、つまり磐田原の縁の「丘の上」にあった。

 ただし、磐田文庫が現役だった明治時代、浜松市の私立浜松図書館は「丘の下」にあった。やはり両市の図書館の立地は相容れないようだ。図書館は谷の底よりも丘の上が似合う。

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(地図)OpenStreetMapより。作者: OpenStreetMap contributor。

 

下は地理院地図の色別標高図へのリンク。

maps.gsi.go.jp

磐田市を訪れる

 磐田市は人口約17万人の自治体。政令指定都市となった浜松市とは差がついたものの、東海道の宿場町である見付宿から発展した歴史のある町であり、明治時代に開校した見付学校の建物(日本最古の木造擬洋風校舎)は現存しているし、見付学校の脇には磐田文庫の建物が現存。両者はセットで国指定史跡「旧見付学校附磐田文庫」となっている。

 幕末から明治時代には磐田文庫があったが、磐田市立図書館の開館は意外と遅く、戦後の1949年になってから。1993年には現行館が開館した。2005年には磐田市が周辺4自治体と合併し、磐田市立図書館は磐田市立中央図書館を中心とする5館体制となった。

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(左)旧見付学校。休館日でした。(右)磐田文庫。

 

磐田市立中央図書館を訪れる

 8月に磐田市立図書館を訪れた際、行きはJR磐田駅前から旧見付学校までバスに乗ったが、帰りは図書館から磐田駅まで歩いた。磐田駅からは駅前通りを北に2.2km。まっすぐ北に歩けば図書館に着くため、2.2kmという距離から受ける印象ほど遠くない。

 

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(左)入口脇には緑のカーテン。(右)鮮やかな色遣いの入口。

 

 この図書館の延床面積は3,559m2。1階には広大な開架室や展示室、2階には視聴覚ホールなどがあるが、図書館としてはワンフロア型。1993年開館ということで四半世紀が経過しているものの、ゆったりした設計や、学習者を地域資料コーナー付近の席に追いやっているおかげで、一般書/児童書や雑誌を閲覧する際に窮屈さは感じない。 磐田市と同じく「スポーツの町」である藤枝市藤枝市立駅南図書館とは異なり、磐田市立中央図書館ではサッカーとラグビーに関する文献を別置している。

 磐田市と人口が同規模の焼津市藤枝市の図書館と比べて、地域資料は充実している印象を受けた。ここのコピー機は10円玉専用であり、1000円札の両替を頼んだら10円玉が100枚入ったコインケースごと渡してくれる。見開き70枚分のコピーで35枚使ったが、コピー後には65枚もの10円玉が余った。

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(写真)一般書。高い天井を持つ大空間。

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(写真)児童書。

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(左)AVコーナー。(右)雑誌コーナー。

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(左)常設のサッカー・ラグビーコーナー。(右)テーマ展示「芥川賞直木賞」。

 

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(写真)地域資料コーナー。1枚目は赤松文庫。