(写真)可児市立図書館。
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名古屋からだと名鉄犬山線・名鉄広見線経由で、岐阜県多治見市や美濃加茂市からだとJR太多線で訪れることができる岐阜県可児市。1970年に3万人だった人口は、1980年に6万人、1990年に8万人と急激に増えている。可児市立図書館が完成したのは人口が約7万人だった1985年のこと。
人口は10万人を目前に、2005年頃から横ばいとなっている。5年ごとの国勢調査では10万人を超えたことがないものの、2005年の兼山町との合併で10万人を超えたと公称している。今年1月の新聞記事によると「次回は国勢調査で初の10万人超えも期待できる」(可児市長)とのこと。
駅前は土地区画整理事業が終わったばかりでがらんとしている。土地区画整理事業では「商業地」となっているこの地区に商店は少なく、コンビニ的な役割も持つパン屋の「たつや」、蟹のイラストが描かれた「かに書房」くらいしか目に付く店がない。
駅前には大きな工事現場があり、建物の形が見えてきていた。2016年10月に着工したこの「可児駅前 子育て・健康・にぎわい空間」(仮称)は2018年度春に開館するらしい。市役所に子育て世代課があるように、可児市は子育て世代に重点を置いているらしい。駅から東にまっすぐ5分、可児川を越えると可児市立図書館に着く。
(地図)名古屋圏における可児市。OpenStreetMapより。作者 : OpenStreetMap contributor。
可児市立図書館
可児市立図書館は写真撮影者用のネックストラップを用意してくれている。1階にはブラウジングコーナー(新聞・雑誌)、2階には一般閲覧室(一般書)・親子閲覧室(児童書)、3階には学習室がある。公式サイトから得られる情報は多くないが、図書館要覧のPDFを公開しているのはうれしい。
1階のブラウジングコーナーは10万都市にしては苦しいスペース。「雑誌オーナー募集中」という掲示はあったが、雑誌スポンサー制度で購入された雑誌は見つけられなかった。2階はカウンターから向かって右側が一般書、左側が児童書。図書購入費は本館単独で1400万円、分館も合わせれば2000万円の図書館だけあって、新刊本はそれなりに多く見える。
(左)建物入口。(右)写真許可証。
(左)雑誌コーナー。(右)新刊本。
一般書側の書架では、分類番号を表す数字のプレートが目立つ。床面積の小ささの割に開架率(55%)が高いのは、新刊本以外の書架には本が隙間なく詰めてあるから。236番(スペイン史)は4冊だけとはいえ、2015年刊行の『スペイン文化入門』があった。
(左)大きな札で分類番号を示している。手前が6類、奥が9類。(右)9類の書架。
(左)2階の最奥部。(右)236の定点観測。
可児市の人口の4.2%は外国人だそうで、岐阜県では美濃加茂市(7.7%)、坂祝町(6.4%)に次いで高い。2014年の新聞記事によると可児市立今渡北小学校は岐阜県でもっとも外国人児童数が多い小学校だそうで、858人中116人が外国籍(47人がブラジル国籍、68人がフィリピン国籍 、1人がペルー国籍)だそうだ。ポルトガル語を中心とする外国語書籍/日本語学習書籍は充実しており、古い本が多い小説類が読まれているかどうかはわからなかったものの、日本語学習書籍は新しい本も多かった。
(左)外国語書籍/日本語学習書籍。(右)非日本語話者用のコミュニケーションボード。
(写真)郷土・参考図書室。入室時にはカウンターに声をかける必要あり。
(写真)親子閲覧室(児童書)。