振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

ハベア/シャビア

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ハベア/シャビア。Wikimedia Commonsより。作者:EBV10。

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10月2日(日)の「新しい記事」には、Swaneeさんが書いた「チロ」、Sumaruさんが書いた「アル・アインの文化的遺跡群」に加えて、「ハベア/シャビア」、「シャティバ」というスペイン・バレンシア州の自治体記事が掲載されていました。

 

スペインのバイリンガル地名

スペインのバスク語圏とバレンシア語圏では、民主化後の1980年代以降に固有原語への回帰が進んだようです。スペイン語名と固有原語名を併記してスラッシュまたはハイフンを挟んだ名称を「公式名」に制定している自治体が数多くあります。

スラッシュの場合は両言語名が(優劣の差なく)公式名。ギプスコア県都はDonostiaがバスク語名でSan Sebastiánがスペイン語名ですが、「Donostia」も「San Sebastián」も公式名です。

ハイフンの場合は両言語をつなげたものが公式名。アラバ県都の場合はVitoriaがスペイン語名でGasteizがバスク語名ですが、公式名は「Vitoria-Gasteiz」です。住民がくだけた文書や会話の中で「Vitoria-Gasteiz」という併記法を使うことはないでしょうが、内務省による人口統計や自治体選挙結果などには公式名が使われています。

 

バスク語圏とバレンシア語圏には計7県がありますが、県都だけを見ても、Vitoria-Gasteiz(アラバ県都)、 Donostia / San Sebastián(ギプスコア県都)、Pamplona / Iruña(ナバーラ州都)、Castelló de la Plana / Castellón de la Plana(カステリョン県)、Alicante / Alacant(アリカンテ県)と、7県中5県が二言語名を併記した名称を「公式名」に制定しています。当然ながら、残りの2県もスペイン語名と固有原語名では表記が違います。

以前にスペイン語名と固有原語名を併記した名称を「公式名」としている自治体の数を調べたことがあるのですが、7県で100自治体以上あるようです。

利用者:Asturio Cantabrio/サブページ7 - Wikipedia

 

 

ハベア/シャビア

Jávea/Xàbiaはバレンシア州アリカンテ県のムニシピ(基礎自治体)。ウィキペディアの日本語記事名をどうするか困る自治体です。ググったところ、観光会社やブログではスペイン語名を日本語化した「ハベア」を使うことが多いようです。「シャビア」単独表記や「ハベア/シャビア」という表記はほとんどないのですが、スペイン政府観光局は「ハベア/シャビア」という表記を使っています。

「ハベア」単独、「シャビア」単独では中立性を欠きますが、「ハベア/シャビア」という表記は認知度や見つけやすさに難がある気もします。もしスラッシュを用いた記事名に疑問を持たれた方は、本記事のノートに意見をお願いします。