リオオリンピック開幕日の8月5日からリオパラリンピック閉幕日の9月18日まで、Wiki Loves the Olympics - Meta(ウィキ・ラブ・オリンピック)が開催された。
ウィキ・ラブ・オリンピックとは
ウィキ・ラブ・オリンピックは全言語版を対象としたオンライン上のウィキペディア執筆コンテストであり、イベロコープが主催している。
ウィキメディア財団には各国に国別支部があるが、そのうちイベロアメリカ各国(南米8か国、メキシコ、イベリア半島2か国、イタリア、スイス)の計14の国別支部が集まったのがイベロコープである。いまやウィキメディア財団の各国支部は41支部まで増えているそうだが、日本支部は存在しない。
このようなオンライン上の執筆コンテストは頻繁に開催されており、参加者はそれぞれ が得意とする言語版で参加することができる。ウィキ・ラブ・オリンピックのテーマは「オリンピックに関するイベロアメリカの人物記事を作成すること」であり、私の場合はスペインのオリンピック選手記事を「日本語版に」作成することでポイントを得た。
ウィキメディア財団国別支部の発足状況。支部を有する国は青、有しない国は灰色。ヨーロッパは軒並み国別支部が存在するが、日本支部は存在しない。Ks aka 98さんを中心にして日本支部を設立することが望まれる。
14言語版から45人が参加
今回のイベントには14言語版から45人が参加した。
対象となる人物がイベロアメリカ人(基本的にスペイン語圏&ポルトガル語圏)なので、スペイン語版からの参加者が24人と過半数を占めた。2番目に多かったのは3人が参加した英語版・ポルトガル語版・ブルガリア語版。2人が参加したのがポーランド語版とアルメニア語版。1人が参加したのがドイツ語版、フランス語版、アラビア語版、日本語版(私のことです)、カタルーニャ語版、アストゥリアス語版、パンジャブ語版、オリヤー語版。オリヤー語とはインドの公用語のひとつらしい。
「南米のオリンピック選手」や「他国のパラリンピック選手」なんてのは、誰かが意識して作成しないと増えない。14もの言語版から参加者があったことで、この執筆コンテストの目的は達成されていると思う。
簡単なルール
全言語版対象の執筆コンテストのルールは、日本語版のWikipedia:加筆大会 - Wikipediaと同じくらい緩い。ウィキ・ラブ・オリンピックの参加者は対象となる記事を作成すると、獲得した点数を自主的に報告する必要がある。あらゆる言語版からの参加を認めているため、こうしないと採点者(=主催者)の負担が大きくなりすぎる。
得点の獲得方法は「1,000バイト追加するごとに1点」「新規記事を作成すると1点」「パラリンピック選手記事を作成すると1点」である。例えばミレイア・ベルモンテ - Wikipediaの場合、分量(18,038バイト)分の18点に新規作成分の1点を足した19点を得た。
26記事(24人+その他2記事)を作成した。スペイン人選手が23人、イタリア人選手が1人。女子選手が15人で男子選手が9人。リオ五輪のメダリストは18人、前回大会までのメダリストは3人。パラリンピック選手は作成していない。
ミレイア・ベルモンテ(女子200mバタフライ金メダルなど)とルート・ベイティア(女子走高跳金メダル)の2記事は新着記事に選ばれた。26記事の合計点数が206点となった。
結果
主催者からの発表はまだだが、報告ページの点数を上から並べてみると次のようになった。おそらく45人中11位。
・1位 3055点 Vsuarezp(アストゥリアス語版)
・2位 1738点 Roblespepe(スペイン語版)
・3位 1417点 Andrew J.Kurbiko(ウクライナ語版)
・4位 1408点 Alex946(ポーランド語版)
・5位 1054点 Rauletemunoz(スペイン語版)
・6位 850点 Mervat Salman(アラビア語版)
...
・11位 206点 Asturio Cantabrio(日本語版)※私のことです
今までに参加した全言語版対象執筆コンテスト
・WLE執筆コンテスト2015(2015年11-12月)
主催はWikimedia財団スペイン支部。2位になったため副賞としてWikipediaパーカーをもらった。テーマは「イベリア半島の地理」。
・GLAMマドリード・チャレンジ(2015年12月-2016年1月)
主催はWikimedia財団スペイン支部。30人中9位。テーマは「マドリードのGLAM」。
・カタラン・カルチャー・チャレンジ(2015年2-3月)
主催はWikimedia財団カタルーニャ文化組織。3位となったためWikipediaTシャツをもらった。テーマは「中世カタルーニャの人物」。
・世界詩歌記念日コンクール(2016年3月)
主催はWikimedia財団カタルーニャ文化組織とWikimedia財団スペイン支部。
・第1回イベロアメリカ翻訳大会(2016年5月)
主催はイベロコープ。93人中13位(たぶん)。テーマは不明だったが、各国支部が他言語版に翻訳してほしい人物記事が対象だった。
・ウィキ・ラブ・オリンピック(2016年8-9月)
主催はイベロコープ。テーマは「イベロアメリカのオリンピック選手」
・城チャレンジ(2016年9月)
主催はWikimedia財団アルメニア支部とWikimedia財団スペイン支部。テーマは「アルメニアの城」。現在開催中。
Wikimedia財団スペイン支部の執筆コンテストには毎回参加している。副賞をもらえるということでスペイン支部のSantiago Navarro代表(User:Millars - Meta)とメールをやり取りしたが、向こうも英語力が高くないのが分かっておもしろかった。