振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

第6回ウィキペディア街道「大山道」

2016年5月15日(日)、第6回ウィキペディア街道「大山道」に参加した。

 

この日の参加者は約15人。前回のウィキペディア街道の下見でお会いしているのが小池さん、西村さん、林さん。15周年イベントで顔を見ているのが水内さん。東工大大博物館イベントの飲み会でお話したのが国立国会図書館の水野さん。

熟練ウィキペディアンのらっこさんやSwaneeさんとは2か月ぶり3度目、おもしろい題材の記事を書いているAさんとは初対面。ウィキペディア関連のイベントに参加するたびに知り合いが増えてきて楽しい。

 

 

この日はきれいに晴れて風もない街歩き日和。10時に東急世田谷線・上町駅に集合してから班分けして目的地に向かう。この近くが世田谷区の中心部であることを知った。上町駅から大山道(世田谷通り)を超えてすぐに「世田谷代官屋敷」に到着。

事前にイベント告知ページを見たときから、集合場所(上町駅)・対象地(世田谷代官屋敷)・執筆場所(世田谷地区会館)が狭い範囲に固まっているとは思っていたけど、予想以上に近い。Google Map上で計測すると上町駅から世田谷代官屋敷の距離は4分・270mでしかなかった。

 

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代官屋敷のゆったりとした敷地にはかや葺きの表門と主屋、内蔵、庭、郷土資料館などがある。「大名領の代官屋敷としては都内唯一の存在」「住宅建造物としては東京都内で初めて重要文化財に指定された」ということだが、代官屋敷が取り壊されずに残ったのは「世田谷」だからだろうか。世田谷区名木百選のタブノキに加えて、ケヤキやクスノキなどの巨木が涼し気な顔をして立っている。住宅街の中にあるということを忘れてしまいそう。

 

昼食をとっても時間が余ったので「勝光院」にもうかがう。桜小学校前のサイゼリアから「勝光院」までの距離は6分・500m。やはり近い。吉良家の墓所があるこのお寺には「世田谷区名木百選」に選ばれた名木が3本もあるとか。竹林は「世田谷区名木百選」と「世田谷百景」の双方に選ばれているらしい。竹林はすぐに汚らしくなるから手入れが大変そう。「名木○○選」というと古くて大きな1本の木を思い浮かべるけど、子の竹林は「群」として登録されている。

 

 

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執筆場所に世田谷地区会館に移動。この施設は世田谷区立中央図書館まで600mと近く、世田谷図書館、経堂図書館、桜丘図書館からも2km以内にあるようだ。

「世田谷代官屋敷」と「勝光院」の班に分かれて記事作成に取り掛かる。執筆場所から外を見るとネコが優雅に寝そべっている。主催者である小池さんや西村さんも記事執筆に加わり、部屋全体に目を光らせる役目はらっこさんらしい。

 

「世田谷代官屋敷」班は3グループに分かれ、それぞれ「概要・アクセス・画像」「建物」「大場家」を担当。13時30分から16時までグループで作業し、16時から16時30分まで統合作業。その後「勝光院」班もあわせて成果発表を行い、らっこさんが講評を行う。

ウィキペディアタウンの執筆時間は一般的に2時間30分程度、自分の役割をこなすのに精いっぱいになりがちなので、書いている者は全体のバランスとか問題点には気づけない。執筆時間の2/3を過ぎたあたりで途中経過発表や講評を行い、それから修正に取り組んでもよいかもしれない。

私が好きなのは2-3人のグループで話し合いながら1つのPCに書き込んでいくスタイル。わいわいと賑やかに進行するが、文章量は少なくなりがち。一方でウィキペディア街道は、同じように2-3人のグループに分かれながらも、それぞれが自分のPCで文章を書き込んでいく。作業感が(相対的に)強く、言葉のやり取りは(相対的に)少ないが、作成する記事の質は高くなる。

 

17時に終了し、8人が上町駅前の亞細亞食堂サイゴンで懇親会。東久留米市立図書館司書の藤井さんの話がとても興味深い。京都府立図書館の是住さんがよくする「正規職員の司書は3割」(7割は非正規職員)という話のように、図書館員のくだけた話を聞くのは面白い。

今年の9月頃には東久留米市の周辺地域でウィキペディアタウンを開催する計画があるらしい。執筆対象となる記事の選定、図書館の立地、外部の人間(市民団体やウィキペディアン)との連携などの課題があるそうだが、初開催を検討している他都市でも直面しそうな課題なので、4か月後にどうなっているのか楽しみ。

 

ところでこの日、京都・亀岡市にて非公開のウィキペディアタウンが開催されており、「極楽寺 (亀岡市河原林町)」が作成された。亀岡市で公開イベントがあるときにはそちらにもうかがいたい。

 

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以下は東久留米市立図書館関連のニュース。ウィキペディアに「東久留米市立図書館」という記事はまだない。

http://current.ndl.go.jp/e1696 「ひとハコ図書館」からはじめる新しい図書館

http://www.town-t.com/article.php?i=606&u=98f83436cea216b31eff52fbe975b57e 東久留米市中央図書館で“絶版資料”など約138万点が閲覧できるように