振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

博物館をひらく 東京工業大学編

2016年3月21日(月・祝)

博物館をひらく 東京工業大学

 

午前 各種話題提供(2人)

ひる お昼ごはん

午後 博物館見学、くさかさん、執筆ワークショップ

よる 懇親会

 

 

前回と前々回に東京に来たときも、イベント開催地は東急沿線でした。東急は行き先表示が難解。9時30分に会場に到着してスクリーン正面の特等席を確保しました。今回は画像のアップロードがメインだと思っていたのですが、実はウィキペディアの執筆がメインでした。都心に近い大学構内でのイベントということで、研究者らしき参加者がとっても多い様子。

 

会場の壁がホワイトボードになっていて落書きできるのが素晴らしい。5年前の改修時に追加されたのでしょうか、それとも30年前の竣工時からホワイトボード壁だったのでしょうか。

 

 

会ったことのある方

ウィキペディアンとしてはくさかさんとらっこさん、SさんとNさんとお会いしました。2か月ぶり2度目。

 

京都府立図書館の是住久美子さんは私より3本くらい後の新幹線で来たらしい。オープン川崎の小池隆さんとはやしさんにもお会いしました。OpenGLAMのメンバーである東工大のあこさんが本日の主催者です。

 

 

話題提供

京都府立図書館の福島さん、国立極地研究所の南山さんと、対照的とも思える研究分野から御二方がオープンデータに関する取り組みを発表。

 

福島さんの発表では、歴史学分野にはオープンデータに対して古くさい考えが残っているという言葉がありました。これは地理畑の人間のほうが明らかに進んでいます。

 

南山さんの発表では「データを得るために高度の知識や多大な労力、資金を必要としたとしても、保護対象にならない」という言葉が印象に残りました。データの受容者ではなく発信者の意識の問題ではありますが、受容者も常に意識しておくべき言葉です。

 

 

記事「ゴットフリード・ワグネル」の加筆

午後はいくつかの班に分かれて執筆作業。「ゴットフリード・ワグネル」の加筆班は、約4,000バイト加筆したようです。一般的なウィキペディアタウンではすでに18,000バイトもある記事の改稿を試みないし、試みたとしても大した改善はできないものですが、今回は参加者の質が別格でした。

 

 

記事「東京工業大学博物館」の新規作成

私の班は「東京工業大学博物館」の新規作成。インフォボックス/外部リンク/カテゴリ回りの整備、概要の執筆、沿革の執筆、展示の執筆、建物の執筆と、7人が分担して作業しました。

ベテランウィキペディアンのNさんが執筆を主導します。普段のウィキペディアタウンではたいした編集をせずに会場内をふらふらしているのですが、この日は結構色んな編集作業をしました。インフォボックス作成、外部リンク追加、カテゴリ追加、建物の執筆、画像追加…。

 

東京工業大学博物館は特異な外観がウリの建物ですが、その外観について書かれた文献がなかったのが残念。

Nさんによれば「毀誉褒貶ある建物」ということで、建築評論家が外観を批判した記事とか、それに対する建築家の反論記事とかがあったらよかったのにと思いました。

 

 

ウィキペディアタウンでPCは1班1台が基本ではないかと思っていましたが、7人が4台で編集を行っても大きな問題は起こりませんでした。

500バイトで新規作成した記事にTemplate:工事中(工事期間は4時間)を貼り、3時間後までに計45回の編集を行って9,700バイトまでふくらませています。

 

ウィキペディアタウンを行う際には、①各自がワードなどで執筆して最後に一括投稿、②利用者サブページで編集しつつ最後に標準記事空間に移動、③Template:工事中を貼って標準記事空間で編集、の3パターンで悩むところです。今回は初めて3番を使いましたが、これからはこの方法がウィキペディアタウンのスタンダードになるかもしれません。

 

 

画像アップロード班

イベント前からCommonsにはCategory:Museum and Centennial Hall, the Tokyo Institute of Technologyがありました。イベント前には2枚くらいだった画像が、イベント終了後には69枚にまで増えました。

これらの画像は記事「ゴットフリード・ワグネル」や記事「東京工業大学博物館」に使っていますし、今後各種鉱物記事に使えそうな画像もたくさんあります。

 

その他には、情報学系のすごい方(名前知らなくてすみません)が出典1点を追加するために走り回って下さったり、江草さん&高久さんチームが記事「フェライト」を加筆したり。

 

 

まとめ

ウィキペディアやコモンズの概要についてはくさかさんが説明されましたが、ウィキペディアの執筆方法についての最低限の説明もあったほうがよいのではないかと思いました。

新記記事作成ページを出す方法、リンク/太字/見出しを付ける方法、インフォボックス/デフォルトソート/カテゴリの仕組み、画像の貼り付け方など。このあたりのレクチャーを行うかどうかは各地の主催者によって違うようですね。

 

研究者やそれに準ずる方は、まだまだウィキペディアに偏見を持っている方が多いでしょう。本日参加されたような研究者の方が、たまーに専門の記事をチェックしてくださると、それだけでウェブサイトとしての信頼性がぐっと向上します。その点で今回の「博物館をひらく」はすごく意義のあるイベントでした。

 

品川駅から新大阪行きの終電で帰宅。

次のイベントは関西でのWikipedia ARTSでしょうか。国会図書館関西館でのイベントのほうが先かもしれません。

 

 

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今回のイベントでアップロードされた画像。Wikimedia Commonsより。Author:Fumihiro Kato