振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。図書館におけるウィキペディアタウンの開催を推進しています。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

下田市立図書館を訪れる

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(写真)下田市立図書館。

 

2019年6月、静岡県下田市下田市立図書館を訪れました。

 

下田市伊豆半島の南部にある自治体。熱海市からJR伊東線伊豆急行線で訪れました。伊豆半島に足を踏み入れるのは初めてです。

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(地図)静岡県における下田市の位置。©OpenStreetMap contributors

 

首都圏における伊豆の立ち位置をよく知らないのですが、京阪神における丹後地方のようなイメージでしょうか。距離は約150km、所要時間は3-4時間。下田市の観光交流客数は現在でも250万-300万人いるとのことですが、下田市がこれほどはっきりした観光都市だとは知りませんでした。

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 (写真)伊豆急下田駅

 

1. 下田市立図書館を訪れる

1-1. 下田市立図書館の規模

下田市立図書館の現行館は1976年(昭和51年)開館。延床面積は762.88m2とのことですが、書架が置かれているのは1階部分だけであり、1階の床面積は300m2以下だと思われます。下田市立図書館 - Wikipediaによると、伊豆急下田駅の北東にある下田総合庁舎に移転する計画があるらしい。なお、このWikipedia記事は2017年11月3日に開催された「WikipediaTown in 下田小学校 & 白浜小学校」で作成されたものです。

2019年6月1日時点の下田市の人口は2万1459人であり、静岡県でもっとも人口が少ない市らしい。ちなみに愛知県では豊山町(1万6000人)、南知多町(1万800人)、美浜町(2万2000人)、大口町(2万4000人)などと同規模であり、この4自治体のうち2自治体(豊山町南知多町)には公共図書館がありません。

 

1-2. 雑誌『黒船』

蔵書数は約10万冊であり、伊東市立伊東図書館の60%、熱海市立図書館の50%程度ですが、『静岡県の図書館 平成30年度』を見ると他館と比べて郷土資料の比率が高いようです。郷土資料は「幕末開港関係」「下田関係」「賀茂郡関係」「静岡県関係」に分かれており、特に1924年大正13年)から1944年(昭和19年)まで発行されていた雑誌『黒船』に興味を持ちました。

利用者カードに描かれているイラストは『黒船』の表紙だそうで、この雑誌については公式サイト内でも詳しく紹介されています。「静岡県関係」コーナーには『黒船』が置かれており、また「『黒船』執筆陣人物帖」と題したファイルも置かれていました。図書館の一般利用者は気づかない目立たない場所にありますが、置き場所を変えてもっとアピールしてもいいのでは。利用者カードにゆるキャラ漫☆画太郎などが描かれている自治体も多いですが、その町の文化創造を象徴するイラストを用いていることには好感を持ちました。

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 (左)下田市立図書館の外観。(右)図書返却ポスト

 

2. 下田市を歩く

2-1. なまこ壁の街並み

なまこ壁は下田を象徴する景観だそうで、土蔵などではなく民家にも当たり前のように取り入れられているのが新鮮でした。幕末に国際港として開港した際に、明確な意図をもってなまこ壁の街並みを作り上げたとのことです。現在では景観創出の手段としてなまこ壁の意匠が用いられるようになっていて、なまこ壁の意匠が氾濫気味だとも感じるのですが。

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 (写真)ペリーロード。

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(左)下田開国博物館。(右)黒船ミュージアム

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(左)銭湯「昭和湯」。(右)カラオケボックス「メモリー」。

 

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 (左)下田市旧澤村邸。(右)安直楼。

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 (左)鈴木邸。(右)雑忠。

 

3. 下田市の映画館

下田市立図書館にある蔵書検索機によると、下田市立図書館が所蔵している『ゼンリン住宅地図』は1990年代が最新なので映画館は掲載されていない……と思い込んでいたのですが、帰宅してからOPACで検索すると1975年版を所蔵していたらしい。なんで気づかなかったんだろう。

静岡県立中央図書館は1971年版や1973年版や1976年版や1980年版の『ゼンリン住宅地図』を所蔵しているので、1970年代後半まであった黒船センターと三幸館は住宅地図に掲載されていそうです。下田湊座と白浜座については掲載されていない可能性が高いです。5月にはいちど静岡県立中央図書館を訪れて、住宅地図から映画館の一斉捜索を行いましたが、次に訪れる際は伊豆半島自治体の映画館について調べます。

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3-1. 下田湊座(-1969年)

所在地 : 静岡県賀茂郡下田町黒船通(1969年)
開館年 : 1884年4月19日
閉館年 : 1969年8月26日

開館年と閉館年はいずれも、土橋一徳『下田年表 平成16年版』土橋一徳、2004年。この『下田年表 平成16年版』では白浜座や黒船センターや三幸館の言及はない。「黒船通」がどの通りのことなのかは不明だが「銀座通」のことかも。

 

3-2. 白浜座(-1970年代初頭)

所在地 : 静岡県賀茂郡下田町白浜1778(1969年)
開館年 : 1960年以前
閉館年 : 1969年以後1973年以前

下田市街地ではなく白浜海岸にあったと思われる。現在の「下田市白浜1778」には民家らしき建物が建っている。

 

3-3. 下田黒船センター(-1970年代後半)

所在地 : 静岡県賀茂郡下田町白浜黒船通(1969年)、静岡県下田市3-1-4(1976年)
開館年 : 1963年以後1966年以前
閉館年 : 1976年以後1980年以前

下田黒船センターの正確な跡地は不明。ただし「マックスバリュエクスプレス下田銀座店」があるブロックが「下田市3丁目1番」であり、マックスバリュの所在地は「下田市3丁目1番4号」であることから、黒船センターはマックスバリュの敷地にあった可能性が高い。

 

3-4. 三幸館(-1970年代後半)

所在地 : 静岡県賀茂郡下田町銀座通(1969年)、静岡県下田市2-11-20(1976年)
開館年 : 1960年以前
閉館年 : 1976年以後1980年以前

三幸館の正確な跡地は不明。ただし「下田市中央商店街駐車場」があるブロックが「下田市2丁目11番」である。このブロックの中で映画館跡地である可能性がいちばん高い施設は下田市商店街駐車場。

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(写真)映画館跡地の可能性がある下田市中央商店街駐車場。

hekikaicinema.memo.wiki

www.google.com

 

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(左)往路で使った8000系電車。(中・右)復路で使った特急スーパービュー踊り子号。