(写真)愛西市立立田南部小学校福原分校。
1. 愛西市立田町福原地区を訪れる
愛知・岐阜・三重の3県境に近い愛西市立田町福原地区を訪れました。福原地区は木曽川の西側にある愛知県唯一の地区。愛西市立立田南部小学校 - Wikipedia福原分校は愛知県で唯一の小学校の分校です。
(地図)愛知県における愛西市立田町福原地区の位置。©OpenStreetMap contributor。
(地図)愛西市立田町福原地区の拡大図。©OpenStreetMap contributor。
「今昔マップ」で1888年-1898年の地形図を確認すると、デ・レーケによる木曽三川分流工事 - Wikipedia以前の福原地区は愛知県と陸続きだったことがわかります。分流工事後から1984年に立田大橋が開通するまでの間、福原地区と愛知県を結ぶ交通手段は立田渡船しかなかったそうです。なお、明治時代の分流工事によって、福原地区は三重県桑名市長島地区(旧長島町)と陸続きとなりました。
(地図)木曽三川分流工事前の地形図と現在の地形図の比較。時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」©谷謙二。
2. 愛西市立立田南部小学校福原分校を訪れる
2017年度の福原分校に在籍していた児童は6年生と3年生1人ずつの計2人。6年生の児童が卒業し、4年生に進級予定の児童が本校への通学を希望したため、福原分校の児童数がゼロとなり、2017年度末をもって休校となりました。福原地区には2019年度に小学校入学予定の児童が2人いるそうですが、保護者が本校への入学を希望したため、福原分校は2018年度末をもって廃校となる予定です。
廃校が報じられたのは2018年11月。コスト面だけを考えればスクールバス等を導入して分校など廃止してしまうだろうに、児童数がゼロになるまで分校を維持していたことに驚きます。なお、愛西市立田地区(旧立田村)と八開地区(旧八開村)の5小学校2中学校は、これから小中一貫校1校に統合される予定があります。
「5小学と2中学 統合へ 愛西の旧八開、立田村内 小中一貫校設ける方針 」『中日新聞』、2017年9月9日
「立田南部小学校福原分校休校に」愛西市政策研究会、2017年11月9日
「愛西・立田南部小 福原分校、廃校へ 140年の歴史に幕 来年3月」『毎日新聞』、2018年11月22日
「『輪中』の分校 140年の歴史に幕」『朝日新聞』、2018年11月25日
(写真)愛西市立立田南部小学校福原分校。
(左)Google mapには出てこない誓光寺。福原地区の寺院はここだけ。(右)やはりGoogle mapには出てこない国土交通省長良川大橋水質観測所。気になる建物。左奥は木曽三川公園センター「水と緑の館・展望タワー」。
(写真)福原地区のねこ。
3. 愛西市立田地区を歩く
愛西市立田地区(旧・海部郡立田村)の特産品といえばレンコン。全国的に見ると茨城県の霞ケ浦周辺の生産量が多いけれど、愛西市の生産量は自治体別で4位だそうです。立田地区には枯れた蓮の茎が目立つ水田が至る所にあり、いくつかの蓮田ではミニショベル(バックホー)も見かけました。ミニショベルで表土を取り除いてからくわで掘ることで、くわのみの場合と比較すると約半分の労力で済むらしいです。収穫作業がもはや土木作業。
稲作を行う水田も多いのですが、地形図上では稲田と蓮田は区別されず、どちらも「田」の記号で表されています。昔は「蓮田」という地図記号もあったらしい。なお、立田村における1993年時点の作付面積は、陸稲が549ヘクタールでレンコンが290ヘクタールでした。
なお、立田地区にはビニールハウスも多い。野菜か何か作っているのかと思いきや、ビニールハウスでもやはりレンコンを生産しているのだそうです。
(写真)立田地区の蓮田。(右)赤蓮保存田。
(地図)国土地理院 地理院地図における立田地区中心部。
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