(写真)福井県立図書館。
1年前の2017年11月18日には福井市東郷地区と福井県立図書館で「福井ウィキペディアタウン in福井市東郷」が開催されました。前日に県内公共図書館員向けに開催された「福井県公共図書館レファレンスサービス研修会(ウィキペディア編)」と合わせて、福井県立図書館を訪れました。
「福井県立図書館・文書館・文学館」はJR福井駅から約3km南東の郊外にあり、福井駅と福井県立図書館を結ぶ無料連絡バスで向かいます。水田地帯に広がる70,000m2という敷地に、メインの躯体だけで100m×90mという大きさの平屋建て。それまで市街地にあった県立図書館を郊外に移転させるうえで、利用者は基本的に車で来館するものとし、補助的な交通手段として無料連絡バスを採用しています。館内はゆったり広々、階段や段差もなし。公共施設でこういう割り切り方ってなかなかできないよね。
1階にはカフェがありました。愛知県図書館5階の某店舗と比べるとずいぶんおしゃれなカフェですが、ランチのメニューが多かったり、店内とテイクアウトでコーヒーの値段が分かれてたりして、使いやすそうなカフェでした。
空中写真を見ると、「福井県立図書館・文書館・文学館」という建物は 3つのハコがくっついた形になっています。建物入口があるハコにカフェや会議室が、その横のハコに福井県文書館や会議室が、奥のハコに福井県立図書館と福井県ふるさと文学館が収まっています。初見ではこの構造が分かりにくいうえに、公式サイトを見ても建物全体のフロアマップが見つかりません。このため、“福井県文書館” の存在に気づかない図書館利用者は多いのではないかと思いました。
(左)カフェ「カフィリーズ」(Cafily's)。(右)カフェの外観。
(写真)白川文字学の室。
2015年2月1日には建物内に福井県ふるさと文学館(文学資料室)が開館しました。建物内の展示室といえど、40m×15mほどもある広さ。入口に近い部分から「福井県の文学」、「福井県の代表作家」、「企画展」の3部屋に分かれていて、奥に行くほど内容が深まります。
東京都荒川区のゆいの森あらかわには吉村昭記念文学館があります。吉村昭の妻は福井市出身の津村節子であり、ふるさと文学館では福井県の代表作家のひとりとして津村節子を取り上げています。2週間前の2017年11月5日にはふるさと文学館と吉村昭記念文学館が「おしどり文学館協定」を締結したばかりであり、記念特集展示が行われていました。私はこの数か月後、2018年2月にゆいの森あらかわも訪れることになります。
(写真)福井県ふるさと文学館。
この日のメインは 「福井県公共図書館レファレンスサービス研修会(ウィキペディア編)」でした。私は図書館員側ではなく、某氏のアシスタントとして編集サポートに回りました。「五六豪雪」の記事に福井県文書館所蔵の写真を使えるか否か、などが議論となりました。
(写真)研修会会場。この班の題材は「花山権現」。
福井県立図書館の一般開架室は70m×50mくらい。広いうえに机などがゆったり並んでおり、三方を窓に囲まれている上に天井が高いので、他の図書館で感じたことのないような開放感があります。机や書架などの什器はありふれたものに見えるけど、特徴的な柱や照明が県立図書館らしい格調高さを感じさせます。
(写真)一般書の書架。※一般利用者が入れない場所から撮影。
(左)一般書の書架。(右)新聞・雑誌コーナー。
(写真)新聞・雑誌コーナー。
福井県ふるさと文学館と福井県立図書館の間は展示スペース。この日は福井県内各自治体の公共図書館と連携したテーマ展示「セリフで選ぶ物語」が行われていました。各自治体の図書館員が推薦した本の表紙を隠し、印象に残るセリフだけを印刷したカバーをつけるというひねりを加えています。福井県立図書館らしい気がする。カウンター近くには有名な「覚え違いタイトル集」もありました。
(写真)テーマ展示「セリフで選ぶ物語」。
(写真)常設展示「ふくいゆかりの若手作家」。
(写真)一般書の書架。
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