振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

京都市岩倉図書館を訪れる

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(写真)岩倉図書館の館内中央部。

 

2018年6月、京都市岩倉図書館を訪れました。

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(地図)京都盆地北部にある公共図書館。出典 : OpenStreetMap。作者 : OpenStreetMap contributor。

 

京都市図書館は20館からなり、うち4館(中央、右京中央、伏見中央、醍醐中央)は「中央図書館」という名前が付けられてる。蔵書数がいちばん多いのは京都市中央図書館だけれど、延床面積や入館者数がいちばん多いのは京都市右京中央図書館。右京中央図書館は郷土資料やデータベースコーナーが充実しているので、京都市に住んでいた時には訪れる機会も多かった。

京都盆地の人間からすると、岩倉地域は山の向こう側にある地域という印象だった。地下鉄烏丸線叡山電鉄鞍馬線が通じているけれど、京都盆地とははっきり異なる静かで穏やかな雰囲気。農地も散見される一戸建ての住宅地を歩いていくと、切妻の瓦屋根で平屋建てという図書館らしくない建物が見えてくる。

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(写真)岩倉図書館の外観。 

 

京都市岩倉図書館は1995年に開館した。同じ左京区には京都府立図書館や京都市左京図書館もあるけれど、岩倉地域から訪れるのは大変だ。岩倉図書館の役割はきっとかなり大きい。

最上部の写真は館内中央部から入口を向いて撮影したもの。木造小屋組や緑色の空調ダクトが印象的。空調ダクトの存在感の強さには賛否両論あるかもね。せまい館内には什器がたくさん、書架には本がびっしり。窮屈さも感じるけれど仕方ない。壁面を使って新着図書の紹介をしていたり、書架にいろいろなものが貼ってあったりと、目が落ち着かないともいえるし、狭い館内で職員が工夫を凝らしてるともいえる。

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 (左)新着図書。(右)テーマ展示。

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 (左・中)一般書の書架。(右)雑誌コーナー。

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(左)郷土資料。「岩倉コーナー」(実質的には洛北全域)も。(右)京都新聞の特集記事の切り抜き。

 

英語多読コーナーは児童書エリアの中にあり、説明も子どもむけだな……と思っていたら、いつの間にか子どもが続々と集まってきて、ネイティブボランティアによる「えいごタイム」が始まった。アメリカ人講師と10数人の子どもたちが大きな声であいさつを交わしている。訪れたのは土曜日午前だった。この取り組みを始めたきっかけは何だろう。同志社中学校・高校があるから? 国立京都国際会館が関係してる?

この図書館は平屋建てで564m2しかない。彼らの声はけっこう遠くまで聞こえてくるのだが、他の利用者はみな平然としている。昔ながらの静かな図書館にとらわれた館長だったら絶対にこんな取り組みはできないし、地域全体で子どもを大事にする意識があるのだろう。

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(左)児童書。(右)生活書。

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 (写真)英語多読コーナーと紙芝居。

 

南側にはテラスがあり、図書館の本を持ち出して読むことができるらしい。この日は曇天で雨もぱらついていたけれど、晴れた日には西側に迫る山々を目にしながら読書ができる。

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(写真)テラス。

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