守山市立図書館の所在地。出典 : OpenStreet Map。作者 : OpenStreetMap contributor。
(図)守山市の人口の変遷。出典 : Wikipedia「守山市」。
2018年11月1日に新館が開館した守山市立図書館「本の森」を訪れました。
守山市立図書館 本と人、人と人がが出会う場所 - 公式サイト
守山市は滋賀県の湖南地方にある人口約8万人の自治体。現在も人口は増え続けており、JR東海道本線守山駅の駅前にはマンションやショッピングセンターが並んでいて20万都市のよう。守山駅西口から2kmほど郊外に向かって歩くと、滋賀県立総合病院・守山市民病院や難関進学校の滋賀県立守山高校などが集まっている地区があり、県立守山高校と県立総合病院に挟まれた場所に守山市立図書館があります。
道路に面しているのは約40m、奥行きが約120mと縦長で、建物は3つの部分に分かれています。南側の正面入口から入った場所がカフェなどがある「木もれび広場」、左手が多目的広場などがある「つながる森」、右手が図書館の本体部分である「本の森」です。公式サイトを見てもこの複雑な形状の建物を理解できる案内図は掲載されていないし、図書館内の案内図は冗談かと思うレベルでした。ただし実際に図書館内に入ってみると、縦長の形状もあって現在地は把握しやすい。
(左)建物の正面入口前。ここを自転車置き場にしてしまったのか。(右)図書館入口。
守山市立図書館の沿革
守山市立図書館は1978年に延床面積600m2で開館しました。戦後の滋賀県には彦根市立図書館、水口町立図書館、滋賀県立図書館、近江兄弟社図書館(私立)、江北図書館(財団立)の5館しか存在しない状況が長く続いており、守山市立図書館は「戦後の滋賀県に建設された初の公立図書館」だったそうです。初代館長は『滋賀の図書館 歴史と現状』(1980年)を書く平田守衛。
1991年に増築を行って延床面積は2,688m2となりましたが、2012年度には湖東4市(守山市・草津市・栗東市・野洲市)の中で他市からの貸出数がずばぬけて多かったのが守山市だったそう。2016年11月から2018年8月には550m2の仮設館で図書館業務を行い、2018年11月1日に開館したのが4,169m2の新館です。滋賀県は公共図書館の新館が少なく、2014年開館の東近江市立五個荘図書館以来の新館開館だと思われます。
カフェ「Cafe Gankodo」
正面入口を入った場所には「Cafe Gankodo」があります。「本のがんこ堂」という守山市の書店が運営しているカフェで、図書館のリクエストランキング上位の本や隈研吾に関する本の棚があるなど、書店らしさが出ています。蓋つきのカップをリクエストすれば、このカフェで買った飲み物を図書館内に持ち込んでよいみたい。ドリンクとスープのみで食事はできず値段はやや高め、という点は気になります。訪れた際には図書館の利用者の数と比べるとカフェの利用者は少なかった。
(写真)Cafe Gankodo。
図書館内の写真
館内の写真撮影は「基本的にはお断りしている」とのこと。「個人的に図書館に関する調べものをしている」と伝えて撮影申請書を書き、首から下げる写真撮影許可証をもらいました。
守山市立図書館の設計者はTOYAMAキラリ(2015年開館)や「雲の上の図書館」(2018年6月開館)などと同じ隈研吾建築都市設計事務所です。例によって「県産の木材を多く使った開放的な作りが特徴」とのことですが、2度訪れたTOYAMAキラリで感じたような高揚感はありませんでした。“金色” を感じるTOYAMAキラリと違って守山市立図書館の館内は “クリーム色と灰色” が基本で、什器の違いなどもあってまったく印象が異なります。建築以外の点についても、写真に撮りたいと思うポイントがなかなか見つからず、漠然と各コーナーを撮った写真ばかりになってしまいました。
図書館1階
(写真)図書館中央部。
(左・中)視聴覚資料コーナー。(右)閉架書架の様子が見える場所がある。
(左)雑誌コーナー。(右)雑誌コーナーから見た地域資料・参考図書コーナー。
(写真)地域資料コーナー。
(写真)地域資料・参考図書コーナーの閲覧席
図書館2階
(写真)図書館中央部の吹き抜け部分。
(左)インターネット用パソコン席。(右)閲覧席。いずれも1階を見下ろせる場所。
(左)ティーンズコーナー。(右)ティーンズコーナー近くの学習席。
(写真)一般書の書架。
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