振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。図書館におけるウィキペディアタウンの開催を推進しています。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

府中市立中央図書館を訪れる

 

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(写真)ルミエール府中。

 

ルミエール府中

 図書館総合展3日目の朝、9時の開館と同時に府中市立中央図書館を訪れました。府中市の中心駅である京王府中駅から徒歩10分、「ルミエール府中」という複合施設にあります。調布市と同じでとてもよい立地。

 

この「ルミエール府中」という施設、1階と2階は会議室・調理室・音楽室などの府中市市民会館であり、3階と4階が府中市立中央図書館です。エレベーターを上がって3階に向かうのですが、エレベーターに加えて白色の外観やカフェの存在なども「くわなメディアライブ」(桑名市立中央図書館)に似ているな…と思ったら設計者(佐藤総合計画)が同じなのですね。ルミエール府中にはくわなメディアライブと同じようにPFI方式が採用されており、2004年開館の桑名市から3年遅れの2007年に開館しています。

 

 2000年代半ばというのは、ICタグや自動貸出機などのICT関連の設備が当たり前になり始めた時期という気がします。府中市立中央図書館は「日本で初めてRFID(無線ICタグ)を活用した予約図書受渡システムを導入」した図書館だそうです。カウンター前の一等地に自動貸出機やインターネット用パソコンなどが並んでいますが、この年代以前の図書館のような後付け感はありません。新着図書の書架や返却図書の書架には茶色とクリーム色のラインが印象的なICタグの読み取り機がついているのですが、こんな設備を2007年から導入していた図書館があったのですね。

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(左)自動貸出機。(中)インターネットコーナー。(右)予約図書コーナー。

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(左)新しく入った本の書架。(右)返却された本の書架。3列も。

 

 ルミエール府中の延床面積は14,000m2で、うち図書館部分は6,000m2だそうです。大多数の自治体よりも広いのは差し置いても、書架がゆったりと並んでいる印象です。什器を後から増やさない、とか無駄な(と思ってしまう)貼り紙を貼らない、ということを意識してそうです。

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 個人文庫(特別文庫)は4つ。植物学者である大賀一郎 - Wikipediaの大賀文庫、歴史研究家である渡辺紀彦の渡辺文庫、歌人である冷水茂太の冷水文庫、東京国立博物館写真室所属の塩野直茂の塩野文庫。各地の図書館にあるこの手の個人文庫はどう活用すべきなのでしょう。府中市立図書館ではカウンターから近い場所に個人文庫があり、ウェブサイトには4氏に関するひととおりの説明があります。

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(左)大賀文庫。(右)渡辺文庫ほか。

 

 「本の処方箋」というコーナーがありました。表紙を隠した本の展示(ブラインドブック)に利用者の紹介文が添えられていて、どんな気分の時に適しているかわかるマークも付いています。その隣にあったテーマ展示「書庫散策」は閉架書庫の資料をジャンルごとに紹介しているそうで、この日は「朝鮮・韓国文学」特集でした。いろんな図書館がやっている展示方法に一ひねり加えている印象です。

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(左・中)「本の処方箋」。(右)テーマ展示「書庫散策」。

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(写真)雑誌コーナー。

 

  児童書エリアの入口には、子ども用のフロアマップ、子供用のOPAC、子ども用のリクエストカードなどがありました。図書館の児童書部分を何かに意識して見ることはないのですが、子どものころから図書館の使い方とか図書館の仕組みとかを意識できる環境があるのはいいな。

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(写真)児童書エリア。

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(写真)おウィーンな雰囲気のウィーンコーナー。

 

ここでは撮影申請書に住所氏名や撮影目的などを記入すると撮影許可証が手渡されます。さすが都内の図書館だけあって図書館見学者の対応には手馴れている。おひるごはんはルミエール府中1階にある「カフェ&レストラン ロータスガーデン」で食べました。似たような時期にできた似たような複合施設である岡崎市図書館交流プラザ「りぶら」にはコンビニしかないため、使いやすい手ごろなカフェがあるのはうらやましい。

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(左)撮影許可証。(右)「本日のランチ」はしょうが焼き。

 

府中市立宮町図書館(旧・府中市立図書館)

 ごはんを食べた後には2007年まで府中市立図書館本館だった府中市立宮町図書館を訪れました。この図書館は大國魂神社の境内にあり、府中駅から徒歩5分とやはりアクセスが良いです。1967年の開館時には多摩地区最大の図書館だったそうで、往時の図書館年報などを読んでもその点は誇らしげです。
 府中市郷土の森博物館には1967年以前に府中市立図書館が入っていた建物(旧府中町役場)が移築されて残されているそうで、2世代前までの図書館の建物がすべて残っているのは珍しいと思いました。

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(左)大國魂神社。(右)宮町図書館が入るふるさと府中歴史館。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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