振り返ればロバがいる

Wikipediaの「利用者:Asturio Cantabrio」によるブログです。ロバです。東京ウィキメディアン会・関西ウィキメディアユーザ会所属。図書館界で静かなブームとなっている(?)ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録などを書きます。

WikipediaLIB@信州#02【小諸編】に参加する(2)

ayc.hatenablog.com

WikipediaLIB@信州#02【小諸編】に参加した記録。(その1)のつづき。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このブログにおける文章・写真は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

 

編集ワークショップ

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(写真)この日用意された文献。

 

 WikipediaLIB@信州は長野県の図書館に焦点を当てたエディタソンということで、今回の編集対象記事は以下の7記事です。

 県立長野や松本市は大規模自治体の図書館。市立小諸や中野市立は長い歴史を有する館。その他の3館は新規作成で、市立岡谷は現行館が日本図書館協会建築賞を受賞している点、池田町図書館は新館の建設が計画されている点、松川町図書館は「図書部員」というユニークなボランティアがいる点で編集対象に選んだと聞きました。主催者は地域的なバランスや自治体規模(小規模自治体の館も編集対象に入れる)も考慮しています。

県立長野図書館 - Wikipedia(加筆)・・・北信

松本市図書館 - Wikipedia(加筆)・・・中信

市立小諸図書館 - Wikipedia(加筆。第1回で作成した記事)・・・東信

中野市立図書館 - Wikipedia(加筆。第1回で作成した記事)・・・北信

市立岡谷図書館 - Wikipedia(新規作成)・・・南信

池田町図書館 - Wikipedia(新規作成)・・・中信

松川町図書館 - Wikipedia(新規作成)・・・南信

 

 主催者は参加申込時に所属館/所属団体とWikipediaの編集経験を聞いています。これをもとにイベント当日までにグループ分けを行い、参加者は指定された記事を編集することになりました。ウィキペディアの編集経験者を各グループに分散させたり、図書館員が自館を編集しないようにしたり(小諸図書館の職員は小諸図書館を編集するグループには入らない)といったこと以外に、リーダーシップの取れる方を分散させたりもしていたかもしれません。 前回は各グループに6人前後がいましたが、今回は各グループ4人。やはりこのイベントの適正人数は1グループ4人程度だと思います。

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 (写真)ワークショップの進行も小澤さん。

 

 WikipediaLIBが他のウィキペディアタウンと異なるのは、主な参加者に「ウィキペディアタウンを開催したい図書館員」を想定していること。一般市民の参加も可能ですが、今回も前回と同じく2/3程度の参加者は図書館員。図書館員の研修に近い性格を持っているようです。

 ワークショップの2時間は主催者によって「記事の構成を考える時間」、「必要な出典を考える時間」、「PCに打ち込んでいく時間」に分けられています。これによって参加者が何をすべきか(≒イベント主催者は参加者に何をさせるべきか)明確になり、その時間の作業に集中できる効果があると思われます。イベントによってはワークショップ中の時間の使い方をまったく制限しないこともありますが、WikipediaLIB方式のほうが「イベントの空気になじめずに終わってしまう参加者」を出さずに済む気がします。

 各グループにはホワイトボードが用意されました。記事の構成についてグループ内で議論しながらボードに書き込んでいくことで、主催者側としても各グループの進捗状況を把握するのに役立ちます。

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(写真)各班の作業風景。

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(右) 外からもイベントの様子がよく見える部屋でした。

 

松川町図書館」のグループ

 今回の編集対象となった7記事のうち、明らかに難易度の高い記事が2記事ありました。池田町図書館 - Wikipedia松川町図書館 - Wikipediaです。概して町立図書館は歴史が浅く、サービスの規模も小さいため文献に残りにくいものです。特に松川町図書館のグループは文献集めに苦戦しているようだったため、ウィキペディアンの小賢しいテクニックで少しでも見栄えのする記事にしたいと思い、少しだけこのグループの編集に加わりました。文章自体にはノータッチ。

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(画像)「松川町図書館」の初版。ワークショップ終了2時間前。

 

 私はWikipediaの記事で写真や図を重視しています。今回は松川町図書館の写真を掲載することができなかったため、「長野県における松川町の位置を示す地図」、「松川町中心部における図書館の位置を示す地図」を掲載することとしました。

 結局写真を掲載するには至らず。図書館の知り合いに電話して今すぐに撮ってきてもらうという妙案、図書館の絵を描いて写真の代用とするという珍案もありましたが、最終的にはイベント2日後にグループのメンバーが現地で撮影した写真が掲載されました。イベントが終わってからも(ウィキペディアン以外のメンバーの)編集が続いたのは池田町・市立岡谷と松川町だけです。

 

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(左)ワークショップ終了1時間前の「松川町図書館」。(右)ワークショップ終了時の「松川町図書館」。

 

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(地図)OpenStreetMapより作成した松川町中心部の地図。左の図→右の図の順に地図を書いていった。

 

成果発表

 加筆したグループでは、「県立長野図書館」のグループは「PTA母親文庫」について、「松本市図書館」のグループは既存の文章への出典の追加と分館について、「中野市立図書館」のグループは既存の文章への出典の追加と歴史について、「市立小諸図書館」のグループは出典の追加と、各グループが1つか2つのポイントに絞って既存の記事の質の向上に取り組んだことがわかります。

 新規作成したグループでは、「市立岡谷図書館」のグループは建物について大セクションを設けた上で館内の写真を効果的に用いています。「池田町図書館」のグループも松川町同様に苦戦した様子がうかがえます。新館移転についての記述はワークショップの時間内に書ききれなかったとのこと。NDLサーチでも長野県内図書館横断検索サービスでもめぼしい文献がヒットしませんが、池田町図書館のOPACでヒットする『池田町図書館十年のあゆみ』(池田町図書館にしか蔵書がない?上に貸出不可)と『図書館雑誌』1983年9月号(池田町図書館の新館紹介?)が気になりました。

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(写真)各班の成果発表。

 

まとめ

 3月の前回に引き続き、私Asturio Cantabrioもイベント中に30分の時間をもらって前でしゃべらせてもらいました。とてもありがたいこと。プロの図書館員の方々に聞いてもらう価値がある話だったかどうかは怪しいのですが、1回目よりは多少マシだっただろうと振り返っています。

 前回・今回のイベントに参加したAさんによると「WikipediaLIBは図書館員の研修の場、ウィキペディアタウンは図書館員の研鑽の場」(大意)。研修だけで終わってしまっては意味がありません。今回のWikipediaLIBがどこかの地域でウィキペディアタウンの開催につながることを期待しています。

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(写真)平賀館長によるまとめではちずぶらりが登場。