振り返ればロバがいる

Wikipediaの利用者であるAsturio Cantabrioによるブログです。「かんた」「ロバの人」などとも呼ばれます。愛知県在住。東京ウィキメディアン会所属。ウィキペディアタウンの参加記録、図書館の訪問記録、映画館跡地の探索記録などが中心です。文章・写真ともに注記がない限りはクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC BY-SA 4.0)で提供しています。著者・撮影者は「Asturio Cantabrio」です。

図書館での写真撮影(その4) 2016年のまとめ

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2016年にAsturioが行った、図書館/オープンデータに関する活動をまとめた。

2016年の展開を時系列に並べる

2014年12月、初めてオープンデータ京都実践会のウィキペディアタウンイベントに参加した。無鄰菴がメインの街歩き&エディタソンのイベントだった。京都実践会のウィキペディアタウンには2015年4月、8月、12月、2016年以降にも参加している。京都実践会の中心メンバーには大きな刺激を受けている。何人かのウィキペディアンにお会いした。

2016年1月、東京・二子玉川で開催されたウィキペディア15周年イベント東京に参加した。数多くのウィキペディアンにお会いした。神奈川や北海道でCode for Xの活動をしている何人かの方には、このイベントの後にもお会いしたり手助けしてもらったりした。

2月には瀬戸内市ウィキペディアタウンを訪れ、嶋田学さんや岡本真さんにお会いする。3月には伊那市高遠町ウィキペディアタウンを訪れ、諸田さんや平賀さんにお会いする。京都から愛知に引っ越す2日前には、あこさんの東工大博物館の「博物館をひらく」に参加した。成果物のレベルの高さに驚き、京都では理解しきれていなかったウィキペディアタウンの可能性を感じる。懇親会ではなぜだか野原みあさんのインパクトが大きかった。

川崎市で行われたウィキペディア街道のミーティングと街歩き下見にこっそり参加する。5月には世田谷上町で開催されたウィキペディア街道に参加する。ここで藤井慶子さんにお会いできたのは大きい。6月以降には岡崎立中央図書館の連続講座に参加し、懇親会ではバスク地方について神代浩さんに鋭い指摘を受ける。

個人的な活動としてWikipedia記事「瀬戸内市立図書館 - Wikipedia」「伊那市立図書館 - Wikipedia」「田原市図書館 - Wikipedia」「陸前高田市立図書館 - Wikipedia」などを作成。Wikipediaの中と外に対するアピールのために、Wikipedia:良質な記事 - Wikipediaを狙って取った。

9月には地元の愛知県で第1回ブラトヨハシが開催される。どうしようもないくらいに迷惑をかけてしまったが、Wikipediaの編集をサポートする役を務めた。東久留米でのウィキペディアタウンにも参加した。

あることがきっかけで、この1年は意識的に同年代と関わるのを避けていた。11月には日帰りで図書館総合展を訪れた時には、初めて同年代と名刺を交換した。藤井さんが引き合わせてくれた。総合展後初の週末は第2回ブラトヨハシがあり、ここでもいろんな方との出会いがあった。

イルミネーションが飾られる季節、県立長野の平賀さんを囲んでご飯を食べる会に参加させてもらう。愛知県周辺の図書館人はこんな場所にいたのかと気づく。安城市中央図書館や岐阜市図書館での講演会に参加すると、自分たちの図書館のWikipedia記事の変化に気付いてくれる司書さんや館長さんがいた。

 

Asturioは図書館員でもなければエンジニアでもない。柄にもなく外に出ることの多い1年だったが、1人でコツコツとWikipedia記事を作る活動がメインなのは変わらない。

 

 

2016年に訪れた図書館96館

関東地方(4)

宇都宮市立中央、東久留米市立、大和市立(新館)、海老名市立中央

 

北信越地方(11)

県立長野、小布施町立、伊那市立伊那、伊那市立高遠、富山市立(本館)、富山市立駅南・こども、高岡市立、金沢海みらい、福井市立桜木、越前市立、鯖江

 

東海地方(18)

岐阜県岐阜市立(本館)、岐阜市立分館、飛騨市高山市、多治見市、三重県立、四日市市立、桑名市立中央、亀山市立、伊勢市立伊勢、皇學館大学附属、静岡県立中央、静岡市御幸町静岡市立清水中央、浜松市立中央、浜松市立城北、浜松市立駅前分室

 

愛知県(40)

愛知県、名古屋市鶴舞中央、名古屋市港、名古屋市瑞穂、名古屋市東、名古屋市西、南山大学附属、一宮市立中央、一宮市立子ども文化広場、春日井市犬山市立、小牧市立、稲沢市中央、稲沢市祖父江の森、名古屋文理大学附属、北名古屋市立、清須市立、津島市立、蟹江町尾張旭市立、長久手市中央、日進市立、おおぶ文化交流の杜、東浦町中央、岡崎市立中央、豊田市立中央、安城市中央、安城市KEY PORT、刈谷市中央、刈谷市富士松、刈谷市城町、高浜市立、碧南市民、西尾市立、みよし市立中央(新館)、知立市立、豊橋市中央、豊橋市大清水、田原市豊川市立中央、蒲郡市立、

 

関西地方(20)

滋賀県立、彦根市立、草津市南草津長浜市立、近江八幡市立、東近江市八日市東近江市能登川東近江市永源寺京都府立、京都市立中央、京都市立右京中央、立命館大学平井嘉一郎記念、奈良県図書情報館、奈良市立北部、大阪市立中央、伊丹市立、芦屋市立、芦屋市立打出分室、高砂市立(新館)、赤穂市

 

中国地方(2)

瀬戸内市立(旧館)、瀬戸内市牛窓

 

 

図書館の写真を撮る

twitterには2016年に93館の図書館(図書室も含む)を訪れたと書いたが、きちんと確認したら96館だった。ただし、うっかり休館日に訪れてしまって館内に入っていない図書館を含めて水増ししている。

 

Asturioは司書課程履修者でもないし、図書館関係者でもない。館内の写真を撮りたいというと困惑されることも多かった。図書館によって対応はさまざまだった。「館内で写真を撮る」という明確な目的があったことで96館も積み上がった。

 

・96館のうち95館では外観の写真を撮影。東久留米では撮り忘れた。

・96館のうち56館では館内の写真を撮影。

 

 

写真を公開する

外観・館内それぞれの写真はWikimedia Commonsにアップロードしている。おそらく1,000枚弱。誰かの役に立つかどうかはわからない。

 

訪問した図書館のマイマップを作成。外観の画像1枚と館内の画像1枚を掲載し、Wikimedia Commonsへのリンクを貼った。

例)大和市文化創造拠点SiRiUS - Category:SiRiUS - Wikimedia Commons

例)TOYAMAキラリ - Category:Toyama KIRARI - Wikimedia Commons

例)飛騨市図書館 - Category:Hida City Library - Wikimedia Commons

 

www.google.com

 

雑誌スポンサー制度についての調べ学習

雑誌スポンサー制度(ざっしスポンサーせいど)とは、公共図書館において、企業やNPO法人が雑誌の購入費を負担し、その対価として雑誌カバーに広告を掲載する取り組みのこと。

 

 

雑誌スポンサー制度について調べる

Wikipedia記事「越前市立図書館 - Wikipedia」を作成した際、雑誌スポンサー制度は越前市が先駆けであるかのような新聞記事を読んだ。出典を誤読しているのではないかという不安があるため、制度についてちょっとした調べものをした。

 

雑誌スポンサー制度の歴史、内容やその課題についてまとまった文章がないか検索してみる。レファレンス協同データベースには2013年11月の事例が紹介されていた。

図書館における雑誌のスポンサー制度を採用している図書館を調査した資料が見たい」という質問に対して、埼玉県立久喜図書館は「該当するような資料は見つからなかった」と答えている。

crd.ndl.go.jp

 

NDLサーチによると、図書館系雑誌では『図書館雑誌』2014年7月号に「相模原市図書館における雑誌スポンサー制度の取り組み」という文章が掲載されているらしい。

年末年始で愛知県図書館も休館中。ということで中身を読めないが、全国の雑誌スポンサー制度について調べたものではなさそう。

 

朝日と読売の新聞記事データベースで「雑誌スポンサー制度」を検索する。大半は制度を導入した自治体の紹介記事で、制度全体について深く調査して書かれた記事は見つからなかった。

ただし、どうやら越前市図書館は全国2番目の事例であり、全国初は岐南町図書館であることが分かった。JRでも名鉄でも、岐阜市まで行くときに必ず通過する自治体だが、図書館を訪れたことはない。

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岐南町図書館。カーリル(CC BY-SA 2.1 JP)より。撮影者:maruyon

 

 

今回の簡単な調べものの結果をまとめた。

  制度の歴史と課題(Wikipedia風)

2008年7月、岐阜県岐南町図書館が全国で初めて雑誌スポンサー制度を導入した。同年度には福井県越前市図書館でも同様の制度を導入している。岐南町図書館では伊藤恭博館長が発案した。

図書資料費の削減が進むことを背景にして、類似の制度が全国の図書館に浸透していった。朝日新聞の調査によると、2015年度時点では分館を含めて少なくとも355館が雑誌スポンサー制度を導入している。

 

この制度は基本的に単年度契約のため、スポンサーの安定した確保が課題とされる。岐南町図書館を例にすると、初年度の2008年度には購読69誌のうち10誌が6社によってスポンサードされたが、2013年度には6社9誌に減少している。

図書コンサルタントの岡本真は「資料費が年々減る中で工夫された良い制度の一つ。図書館も戦略が必要」と指摘している。

 

 

都道府県初の事例

2008年度

岐南町岐阜県)、越前市福井県

2010年度

奈良県立(奈良県)、伊勢市三重県)、徳島県立(徳島県)、野洲市滋賀県)、小山市(栃木県)、さいたま市(埼玉県)、天童市山形県)、厚木市(神奈川県)

2011年度

岡山県立(岡山県)、島田市(静岡県)

2013年度以降

新居浜市愛媛県)、大津町熊本県)、蔵王町&登米市宮城県)、大月市山梨県

開始年不明

加西市兵庫県)、松戸市(千葉県)、前橋市群馬県)、豊見城市沖縄県

 

 

2016年に訪れた図書館(1)

2016年に訪れた91館の図書館の中から、そこそこキレイな写真が撮れた図書館を集めた。

 

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越前市図書館(福井県)、岐阜市立中央図書館(岐阜県)※2015年開館

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伊丹市図書館「ことば蔵」(兵庫県)、金沢海みらい図書館(石川県)

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刈谷市中央図書館(愛知県)、桑名市立中央図書館(三重県

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岡崎市立中央図書館(愛知県)、三重県図書館(三重県

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小布施町図書館まちとしょテラソ(長野県)、近江八幡市図書館(滋賀県

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平井嘉一郎記念図書館(京都府)※2016年開館、田原市中央図書館(愛知県)

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高砂市図書館(兵庫県)※2016年開館、伊那市高遠町図書館(長野県)

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富山市図書館本館(富山県)※2015年開館、奈良県図書情報館(奈良県

2016年に閉館した映画館

1月 シネマライズ(渋谷)

1月 シネ・パレス山陽座(姫路市

1月 姫路OS(姫路市

5月 飯田橋くらら劇場(飯田橋

6月 ピカデリー(名古屋市

8月 シネクイント(渋谷)

9月 みやこシネマリーン(宮古市

9月 フォルツァ総曲輪(富山市

10月 シネツイン(広島市

 

ざっと調べただけで、2016年にはこれだけの映画館が閉館/休館したらしい。ちゃんと調べればもっとあるのは間違いない。

 

この中では4館、渋谷のシネマライズ、名古屋のピカデリー、富山のフォルツァ総曲輪、広島のシネツインで映画を観たことがある。

シネマライズが閉館したのは驚き。ピカデリーはまだ営業を続けていたことに驚く。フォルツァ総曲輪は休館決定後の7月に『ハロルドが笑う その日まで』を観た。シネツインは序破急による統廃合の結果なので仕方ない。

 

序破急(広島の映画興行会社)による映画館の統廃合はこれで終わりだろうか。八丁座と八丁堀サロンシネマの2施設4スクリーンに集約された。近年だけでもコロコロ変化しているので、日劇の忘年会では「(お前が宣伝してた)八丁座が閉館したと聞いた」と言われた。閉館したのは八丁座ではなくシネツインです。

広島では5館の映画館に入ったことがある。シネコンではイオンシネマ広島と広島バルト11序破急が運営するミニシアターでは、八丁座、鷹野橋サロンシネマ(2014年閉館)、シネツイン1(2016年閉館)。2014年には休館中の横川シネマの外観を写真に撮った。

商店街の脇にある鷹野橋サロンシネマの味わい深い雰囲気が好きだった。広島出身の友人に紹介された八丁座は、訪れたことのあるミニシアターの中でも別格だった。

 

www.johakyu.co.jp

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 広島の映画館。八丁座、サロンシネマ、シネツイン、横川シネマWikimedia Commonsより。撮影者は順にAt by At、Razgrad、Taisyo、Taisyo。

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